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■ ドラマ 永久の彼方へ

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2006年12月22日
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カテゴリ:第二章 123 ~ 187 話
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 公園に立ち並ぶ木々の間を、鮮やかな夕日が真っ赤に染めている。
 遊ぶ子供達のシルエットのその横を、一人の男が急ぎ足で歩を進めている。

 向かうは和恵のいる開店前の 華夢ON 。

とくさん
  「いらっしゃい、椿さん。」

 外で打ち水雫を撒いていたとくさん。

椿
  「こんにちは。。。こういち君が帰って来たって聞いたんで。。。」
とくさん
  「はい、みなさんお待ちかねのようですよ♪」

 ガラガラ~

椿
  「失礼します。」

ゆうすけ
  「椿さん、お久しぶりで~す。」

 イスに逆向きに座り、背もたれに抱きつきながら挨拶するゆうすけ。

利江
  「ご無沙汰してま~す。。。」

 立ってお辞儀をする利江。

こういち
  「ういっす。。。」

椿
  「おっ、みんな元気そうだな。」

和恵姉さん
  「椿君、少し見ないうちにたくましくなったみたいね。」
椿
  「えぇ、師範と共に山にこもり、みっちりと特訓してましたので。」

 さらにもう一人、初顔の女性を見て、

椿
  「えっと・・・・・こちらの方は・・・・・」

和恵姉さん
  「紹介するわ。 こちらは椿さん。浦羽高校 柔道部の主将なの。
   特殊な柔道も会得しているわ。

   そして彼女はリツコ。
   中華 綉榠餡(しゅうめいかん)の用心棒を私と一緒に。
   お二人とも、よろしくね♪」
リツコ
  「リツコです、よろしく。」
椿
  「椿です。 よろしくお願いします。」

和恵姉さん
  「募る話が多いわね、お互い。
   こういちの旅行の話は置いといて、行き成り本題と行きましょうか。」
ゆうすけ
  「りょ、旅行かよ・・・・ ^ ^;;; 」

和恵姉さん
  「椿君、突然だけどリツコと腕相撲してみてくれない?」
椿
  「えっ?」
ゆうすけ
  「負けたら夕食が出ないかもしれませんよ~♪」
椿
  「おぃおぃ、からかわないでくれたまえ。
   相手は姉さんじゃないのだから。。。」
和恵姉さん
  「まずはやってみて。。。」
椿
  「は、はぁ・・・・。
   姉さんがそう言うのであれば・・・・」

 女性相手にあまり気が進まない椿。

ゆうすけ
  「クドイけど、負けたら夕食抜き~♪」

 ひとつのテーブルに向かい合う椿とリツコ。
 ゆうすけの審判で始まる。

ゆうすけ
  「いきますよ、よぉ~い。。。。始め!

 椿は強く力を入れていない。 無論リツコも。
 握られた両者の手の位置は全く動かない。

リツコ
  「様子見は不要ですよ、椿さん。」

 グイっと45度まで傾けるリツコ。

椿
  ( っ !!

 慌てて力を込める椿。

リツコ
  「ほら、もっと真剣にやりませんと・・・・ほらほら。。。」

 徐々に腕を倒しつつあるリツコ。

椿

  「な、なにぉー」
           ミシミシ
 いよいよ気張り始めた椿、堪らずテーブルが軋(きし)む。
 テーブルを掴む左手にも血管が浮き出てくる。
 腰もしっかりと入れて本気モード突入。 顔はきっちりと歯を食いしばっている。

 リツコを握る手も徐々に震え始めた。
 しかし、一向に角度は改善されない。 そして、
                        ダン★

ゆうすけ
  「はい、リツコさんの勝ち~☆」
椿
  「どういうことなんだ・・・・ まるで次元が異なる・・・・」

和恵姉さん
  「紹介が足りなかったの。
   彼女、実は謎の組織の商品販売部にいてね。 私が連れ出したのよ。」

 右腕を押さえながら、

椿
  「なんですってっ! 謎の組織にっ!

和恵姉さん
  「そっ♪ つまり普通の女性では無いってことなの。」
椿
  「どおりで・・・・
            すると、あなたも DNA の変更を?」

リツコ
  「えぇ。
   でもよくそれをご存知で。」
ゆうすけ
  「えぇぇっ! それってオレは初耳なんだけど・・・・」

椿
  「ではこちらの情報を話そう。
   うちの師匠関係の調査で明らかになったんだ。

   まず、先月のビル前の地盤沈下、
   あれは地下にある研究所の天井崩落が原因だったようだ。
   その現場にあった PC のデータからその施設では、DNA の変換が研究されていたことが
   判った。」

利江
  「DNAを !?」
リツコ
  「そうです。
   体の丈夫な人、スポーツの心得のある人、体力のある人などにDNA変換を術しております。

   体になじむ、なじまないなどで、100%全員の変換は出来ないようですが。」

ゆうすけ
  「すると、謎の空手家や裏柔道家の突然の出現も納得できるな・・・・
   DNA をか・・・・」

  (それで量産が可能な訳か・・・。
   にしてもタイプが異なっていたから、元になるDNAはいくつかあるってことかな・・・)

こういち
  「その術をリツコさんも受けているってことでしょ?」
リツコ
  「えぇ、そうよ。」
こういち
  「でね、椿さん。
          今、勝てなかったよ。」
椿
  「確かに・・・・・」

こういち
  「このあいだの謎の柔道家との一戦では、互角の相打ちだったじゃない。」
椿
  「そうだった。 しかし今日はまるで刃が立たない程の差を感じた・・・・」
リツコ
  「スペック-1と互角 !?
           裏柔道を得手といえば、開発 NO. A-005号 の事です。」
椿
  「その男の名、睦月 涼 といいます。」
リツコ
  「はい、間違いありません。
   ですが、スペック-1の者と互角に? そんな人がいるんですね。」
椿
  「その私に、あなたは大差で勝った・・・・。
   その数字、もしかして増えてませんか? あなたの場合。」
リツコ
  「えぇ、私はスペック-3、最強レベルまで術されています。」
ゆうすけ
  「3っ! 既に3にまで数値が増えているのかよ・・・・」
リツコ
  「ですが、2は3への過程の前処理で、世には出回っていません。
   えっと、商品として売買されたのはって事ですが。」
和恵姉さん
  「すると、スペック-3となると、椿君でもどうにもならないってことになるわね。」
椿
  「た・・・確かに・・・・」
リツコ
  「組織の総帥は、我々の動きを邪魔する少年が現れたと話してました。
   もしかして、その少年って 椿さん のことですか?」
ゆうすけ
  「残念ながら、椿さんだけじゃないよ。」
リツコ
  「では姉さんが・・・・?
   少年ではありませんよね・・・・。
   我々はスペック-1でもレベル的には十分と高をくくってました。
   椿さんみたいな方が他にもいらっしゃるなんて・・・・

   それに驚き、慌ててスペック-3までの開発を命じる号令が出ました。
   スペック-2は、-3へのステップの予防接種みたいなものです。
   そこで体に馴染まないと、-3の施術を行ってもレベルアップ出来ないんです。

   まだ完全なる量産・・・・には程遠い段階でした。」

和恵姉さん
  「ありがとうリツコ。
   それを聞き出すためではなかったのだけど、助かるわ。」
リツコ
  「いえ、私も TV のニュースで初めて組織の行っている様を知りました。
   私達の生活の場を脅かす行為は絶対に許せません!
         商品を売ることだけでは気が付きませんでしたから・・・・。
   もうひとつお話します。
   スペック-3ですが、私が飛び出すまでにまだ私を含めて3人しか成功し
   ていません。 その後に1人だけ3への施術予定者はおりましたが。」

こういち
  「今はリツコさん入れて3人か・・・・
   もしかしたら、ザウバーとクラウスってやつじゃないかな・・・・。」
リツコ
  「ど、どうしてその名前を !?
ゆうすけ
  「組織を邪魔している・・・・
   と思われている集団がここに揃っているメンバーだからさ。」

リツコ
  「ここのみなさんが !?

 ニコっとしてリツコに笑顔を返す、和恵姉さん、利江、椿、ゆうすけ、
 そしてこういちであった。




                                -つづく-




第137話 プレゼンテーション へ
 (・・・なんか物騒だな)





  ※ このドラマはフィクションです。登場する内容は、実在する人物、団体等とは一切関係がありません。

    また、無断で他への転載、使用等を堅く禁じます。





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最終更新日  2021年01月22日 13時36分01秒
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