カテゴリ:第二章 123 ~ 187 話
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薄手の西洋の甲冑のようにも見えるモノを身にまとったブルーガー、 ブルーガー 「おい、小僧。 おじさん達に、入っちゃダメって言われたんじゃないのか。」 ゆうすけ 「立ち入りはそう言われたよ。 だから屈んで入ってきたぜ。」 こういち 「それに、入ったのもちゃんと入り口からだ。」 ブルーガー 「なるほど、正論だな。 では入るのは私が特別に許可しよう。 で、ここへ何しに来たんだ?」 ゆうすけ 「見学に・・・・という話はもうやめとくか。 ここへは、この設備をバラバラにするためさ。」 ブルーガー 「ほう、壊しにね。 でも、守ってくれてたようだが。」 こういち 「ここで働く人達にとっては、すごくイヤなことだろうからな。 自らの手で壊す・・・・ってところは配慮したのさ。」 ブルーガー 「やさしいんだな。 だが、我らの戦闘員をぶっ倒すとは只者ではないらしい。 名前ぐらい聞いておくか。」 こういち 「おいらこういち。 南こういちだ。」 ゆうすけ 「おれ、ゆうすけ。」 ブルーガー 「あぁ、聞いたことがある名前だ。 そうか、キミがこういち君か。 大した腕前のようだ。 我々の戦闘員ではなるほど、刃が立たない所はしっかりと見させてもらったよ。 私は戦闘隊長のブルーガー。 総帥の右腕だよ。」 ゆうすけ 「いきなり大将かと思った・・・・。」 ブルーガー 「残念だがな。 まっ、ガイザー総帥を倒しに来た訳ではなさそうだから、私が誰でも 問題ないと思うがね。」 こういち 「おまえらの大将は ガイザー というのか。覚えておこう。 で、おいら達はこのままここを壊してもいいのかな?」 ブルーガー 「まっさか。 この私が、そんなことを許可するはずがない。」 こういち 「だよな。 で?」 目線を立ちすくむ研究員達に送るこういち。 雰囲気を察知し、おずおずと足を運びながら部屋の外に退去始める研究員達。 こういちに手加減されて倒れていた研究員達も、体を起こして後を追うように退去していく。 戦闘員には容赦が無かったと見え、みな意識が無い。 ブルーガー 「私と遣り合いたいみたいだな。 だが無理だ、やめとけ。 お前では相手にならんよ。」 こういち 「隊長さん、やってみなけりゃ判らないさ。」 ガツっ★ ズボーーン 突然、横の設備に拳をぶち込むこういち。 そしてショートして軽爆破を起こす電気機器。 こういち 「 ゴング鳴ったぜ。」 ブルーガー 「自信満々のようだな小僧。 ならばお望み通り、相手をしてやろう。 掛かって来い!」 こういちがブルーガーに向かって走り出そうとした時、 『フン!』 こういち 「んっ !?」 突然、こういちの体が浮き上がり、横の壁に叩きつけられたっ! ヒュ~ ドスン★ パラパラパラ・・・・ 壁の壊れた欠片がフロアに落ちる。 こういちは片ひざで着地した。 ブルーガー 「何が起きたのか判らんだろう。」 目をつぶり、左腕を斜めに胸に当て、何かを念じていたブルーガー。 こういちが再びブルーガーに向かって走り出そうとした時、 『フン!』 先程と同様に、こういちの体が浮き上がり、反対側の壁に叩きつけられたっ! ヒューー ドスン★ パラパラパラ・・・・ ゆうすけ 「くっ、超能力・・・・!? 」 こういち 「・・・・」 ブルーガー 「何度やっても一緒だよ。 諦めるんだな。」 こういち 「いや、同じじぁ~ない。」 何かを感じ取った様子のこういち。 ブルーガー 「諦めの悪いお子様だな。」 こういちは、すくっと立ち上がり、急に素早く逆向きに走り出したっ! 目をつぶり、念を込めるブルーガー。 しかし、こういちは次々と設備を破壊している。 ズボっ★ ボォーーン ズボっ★ ボーン バシ★ ボォーーン ドン★ ボーン ガツ★ ボォーーン ガツ★ ボォーーン ズボっ★ ボーン バシ★ ボォーーン ドン★ ボーン ガツ★ ボォーーン バシ★ ボーン その破壊する場所は、目では追えない素早さっ! 破壊される音は、次々と切れ間なく連続して鳴り響く! 移動速度を早めたこういちを捕らえきれないらしく、こういちの居たと思われる辺りの ディスプレーや、壊れた設備の破片が、こういちとすれ違い様に次々と壁に打ち付けら れていた。 そして、次の瞬間っ! ズカっ ドスン ドサ ブルーガー 「なにっ」 目にも止まらぬ速さでこういちの飛び蹴りがブルーガーにヒット ブルーガーは後ろの壁に叩き付けられたのだった。 尚もこういちが打ちに行く時、ブルーガーがスッと、左手をこういちに向けた。 ブルーガー 「スポット・ファイヤーー!」 ゴォーーーーーーっ! 直径が50cmはあろう凄まじい炎の噴射が、 こういちに向けて真一直線にブルーガーの左手の平から放たれたっ! ドン ドサ 炎の柱の先端で壁に叩きつけられたこういちの体。 衣服からは煙が出ていた。腕で顔を覆いながら着地したこういち。 ブルーガー 「くそ、このオレに 奥の手 を出させるとは・・・・」 ゆうすけ 「か、火炎放射・・・・ !? 」 ブルーガーの放った炎が施設に引火し、大きな火の手が一気に上がった。 ブルーガー 「お、おのれぇ・・・・こ、こういち・・・・ ぐほっ、 く、あばら骨を数本云っちまったか・・・・ うっ、 ダメだ、あばらを固定する方に "力" を使わなくては・・・・ 残念だが今日のところは退散だ・・・・。」 炎にまぎれて、裏口から退散するブルーガー。 それを見たゆうすけ、顔を腕で覆いながらブルーガーの出てきた奥の部屋に入っていった。 まだ火の気と煙が回り込んでいない部屋の中をキョロキョロと見渡し、 ある一つの貼り紙に注目した。 それをむしり取り、部屋の外へ出た。 ゆうすけ 「こういち、引き上げるぞっ!」 辺り一面に沸き起こる炎のカーテン、天井を覆うドス黒い煙。 部屋の中では、スプリンクラーが作動して天井から水のシャワーが放水されだしていた。 こういちはゆうすけを抱きかかえて、素早く入り口から外に出て行くのであった。 -つづく- (なぁ、TV の画面、見づらいだろ) ※ このドラマはフィクションです。登場する内容は、実在する人物、団体等とは一切関係がありません。 また、無断で他への転載、使用等を堅く禁じます。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2020年09月14日 16時51分51秒
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