カテゴリ:第二章 123 ~ 187 話
.
ゆうすけ 「ごほっごほっ 煙かった・・・・。 それにしても大丈夫か?」 こういち 「あぁ、おいらは心配ないよ。 あんなこと出来るやつがいるんだな。 まるで手品だよ。」 二人とも、煙とススで顔が真っ黒。 衣服はスプリンクラーの水でビショビショだ。 ゆうすけ 「ありぁ超能力だな。 最初のが念動力のテレキネシス、触れずに物体を移動させる力だ。」 こういち 「急に体が浮くから・・・・次の瞬間には壁に向かってたし・・・・。」 ゆうすけ 「そして火炎放射 超能力で指先から僅かな火を出す少年がジャカルタだかあっちの方にいるとは 書物で見たことはあるけど・・・・ でもなんだありゃ・・・・。」 こういち 「指先とはケタ違いの炎だったよ・・・・」 ゆうすけ 「にしても、おまえ、 マシンガンの弾すら見極められるのかよ・・・・ 一秒間に十発近く、それに複数から打ち込まれてたのに・・・・ てっきり超鋼筋で対応すると思ってたよ。」 こういち 「超鋼筋じゃ跳ね返った弾がどこ行っちゃうかわからないもん。 ゆうすけに 向かっちゃうかもしれないし・・・。 おいらにはゆっくりと進む浮いた弾にしか見えない。近づく速度はそんなもん。 数打っても大して変わりないさ。」 ゆうすけ 「そこまで動態視力がいいのか・・・。 なぁ、TV の画面、見づらいだろ。」 こういち 「一枚一枚の画像とつなぎ目の黒い画面の連続に見えるよ。」 ゆうすけ 「だろうな・・・・ あと、テレキネシス。 最初は動かされていたようだが・・・・」 こういち 「最初はなんだ? って感じ。初めての経験だから。 二回目は体を何かが掴むまでの時間を計ったのさ。 少しタイムラグがあったからね。」 ゆうすけ 「しかし、あいつはスペックなんたらの戦闘員よりも厄介な相手かもしれない。 やつは総帥の右腕だとよ・・・・。 恐らく大将の総帥とやらは、さらに能力は上ってことだぜ。」 こういち 「んなもん、やってみなくちゃわからないんだからさ。」 ゆうすけ 「そりゃそうだ。」 ビルの前には、消防車が集まりだしていた。 下からビルを見上げると、いつもと変わり無い姿をしている。 ゆうすけ 「最新のビルってな良く出来てるんだな。 防火設備に加え、排煙装置も万全ってことだ。 燃え移らないようになっているようだ。」 こういち 「助けに中に入らなくても大丈夫なんか。」 ゆうすけ 「そういうこと♪ 大事な資料を手にしたから、とっととズラかろう。 研究員達もそのうち出て来るかもしれないからな。」 こういち 「大事な資料って・・・?」 ゆうすけ 「やつらの連絡先のリストさ♪」 こういち 「やるじゃん、ゆうすけ。」 ゆうすけ 「お前が体を張ってるときに、おれはおれ成りにやる事があるってことさ ^ ^v 」 ~~~ ~~~ ~~~ スワン 「総帥、昨日の研究所に続き、本日先程、何者かに戦闘員製造第二工場も襲われました。」 ガイザー総帥 「なんという様だっ! プレゼンによる宣伝も済ませたばかりだというのに・・・・。 ブルーガー、お前が居たのにこの有様とはどういうことだっ」 片ひざを付き、ガイザー総帥と横に並ぶスワンに頭を下げながら、 ブルーガー 「申し訳けございません。 突然、例の小僧が現れまして・・・・。 残念ながらこの私も負傷。 言葉がありません。」 スワン 「総帥、ブルーガー程の男も無傷ではいられない相手。 放っておくとやなり厄介なことに・・・。」 ブルーガー 「なぜ、我々の施設の在り処が判ったのかは不明・・・・。 ですが、このままだと他の施設にまで被害が及ぶ可能性も・・・。」 スワン 「もしかして、あのリツコが絡んでいるのか? このあいだ売却された。」 ブルーガー 「いや、彼女ではあるまい。 商品取引部では、他の施設の所在地までは知るはずもない。 連絡はここの本部経由だったから・・・・。」 ガイザー総帥 「いずれにしても、このままでは他の施設も狙われるかもしれん。 なぜこの機密が漏れたかの詮索は後回しだ。 まず、各施設をやつらの手から守ることを考えよ。 ブルーガー、スワン、お前達も施設に行き、防衛指揮を取れっ!」 ブルーガー・スワン 『ははっ!』 ガイザー総帥 「忌々しい小僧どもめ・・・・」 そう漏らした後、少し考えてから総帥。 ガイザー総帥 「ここへザウバーを呼べ!」 ~~~ ~~~ ~~~ ここは浦羽高校の体育館。 山にこもっての猛特訓を終えた椿と、青蘭中学主将の武藤が乱捕りをしていた。 「てゃー」 バシっ 「まだまだっ」 「そゃー」 バシっ 武藤大介 「はぁ、はぁ、はぁ・・・・ 椿さん、格段と腕を上げとりますね。」 椿 勇姿 「あぁ、とても体が軽いよ。 普段の練習も軽いアップに感じる程だ。」 武藤大介 「スピードとキレが増しとります。」 椿 勇姿 「この私に隙を見つけずらい的確な動きをする武藤君も、かなり上達したんじゃないかな。」 武藤大介 「これもこういちのお陰ですかの。」 椿 勇姿 「そうだな。 さらなる次元へのきっかけとその世界を見せてくれた。 あんな少年がいるなんて・・・・」 たたみに座り込み、語りだす二人。 武藤大介 「わしの出会いは学校の教室でした。 自己紹介の時に突然、ゆうすけのやつにこういちを襲えと。 わしは半信半疑でしたが、ケガするのはわしかも・・・と言われ、 ムッときてそれなりに真剣に寝首をかきにいったのじゃが・・・・」 椿 勇姿 「ゆうすけ君らしい演出じゃないか。」 武藤大介 「やつは後ろにも目があるんじゃないかと思うほど的確に対処しとったです。 今も夢に出てくる程・・・・恐ろしかです。」 椿 勇姿 「私も同じだよ。 キミも見て知っての通り、私は攻撃、彼は防御一方だったのに・・・・ ことごとく交わされ、防がれ、負傷したのはなんとこの私だったのだから。 受けるだけでも相手に恐怖を抱かせる。 自分の攻撃が通じないと思わせることが、あれほど効果があるとは・・・・ 己自身で悟ることが出来た。 [攻撃は最大の防御] と言う。 しかし、全ての攻撃を防がれるという精神的ダメージは、 格闘技においては最悪、相手に屈することを意味する。 それも良くて引き分けという図式だ。 とてつもなく恐ろしく感じたよ。 完全な防御こそ、効果的な攻撃に繋がる。 言葉ではない彼の教えかもしれないな。 彼の本気、想像を絶する次元かもしれないが、見て見たい気もするよ。」 武藤大介 「そういえば、やつの本気って・・・・見たことなかです。」 とそこへ、和恵姉さんがやってきた。 体育館入り口で、 和恵姉さん 「よ、若人達。 やってるな~♪」 声に気づき、入り口に視線を送った二人。 椿 勇姿 「お姉さん。」 和恵姉さん 「ちょっと頼みがあるんだけどな。」 入り口でニコニコして話す和恵であった。 ~~~ ~~~ ~~~ -つづく- (にしても疲れた・・・・ふぅ・・・) ※ このドラマはフィクションです。登場する内容は、実在する人物、団体等とは一切関係がありません。 また、無断で他への転載、使用等を堅く禁じます。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[第二章 123 ~ 187 話] カテゴリの最新記事
|
|