カテゴリ:第二章 123 ~ 187 話
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美咲先生 「ちょ、ちょっとあなた達、 うちの生徒になんてことしてるのよっ! 自分達のしている事が分ってるの !? 」 ザウバー ( あんな程度ではヤツはびくともしちゃいない。 が・・・・ 総帥にはまだあんな能力があったのか・・・・ ) 睦月 涼 「す、凄い!」 スワン 「がっこの先生だかなんだか知らないけど、 ピーピーとうるさいんだよ! 人質は黙って見てな!」 そう叫ぶと指先を突き出し、美咲の足元に電撃を繰り出し威嚇するスワン。 ジリジリジリ ズバン! 電撃が向かってくる軌道と速度ををしっかりと目に焼き付けていた隣の和恵。 そして思い出したように、 和恵姉さん 「きゃ~、た・す・け・てぇ~」 ( またまた棒読み ) ゆうすけ ( 姉さん、もうちょっとリアルに・・・・ ^ ^;;; ) その時、 一台のタクシーが工場正面から和恵、美咲、ザウバーや睦月の居る広場に入ってきた。 キーー。 ガチャ ガチャ タクシーが停車し、中から出てきたのは・・・・なんと、 痛々しい顔の椿と武藤、そしてリツコに連れられて来た利江の姿だった。 タクシーは、ものものしい現場の状況を察知し、慌てて場外に出て行く。 ゆうすけ 「利江ちゃん? 椿さん、それに武藤さんまで・・・・ リツコさん、なにやってんだ・・・?」 見ると、椿、武藤、利江の三人は、紐で手首を縛られてリツコに背中を押されている。 睦月 涼 「つ、椿!」 ザウバー 「ほう、リツコじゃないか。 おまえがそいつらを連れてくるとはな。。。」 ゆうすけ 「利江ちゃんの護衛は、椿さん、武藤さん、 そしてリツコさんに頼んであったのに・・・・」 リツコ 「ガイザー総帥、初めてお目に掛かります。」 片ひざを付いて、ガイザーに頭を下げるリツコ。 スワン 「ガイザー総帥、スペック-3の三人目、リツコでございます。」 ガイザー総帥 「あなたがリツコですか。」 リツコ 「はい、今まで彼等と同行し、スキを伺っておりました。 そして本日、人質としてこの3名を連れて参りました。」 スワン 「よろしい。でかしたぞ。」 リツコ 「はは、ありがとうございます。」 再度一礼をしたリツコ、ゆっくりと立ち上がり、ビルの前に立つゆうすけに向かって 歩き出した。 そして、 リツコ 「このもう一人の少年も人質になります。」 ゆうすけに向かって歩を進め、無言でゆうすけの前に立つ。 ゆうすけ ( リツコさん、話が違うよ・・・・ ) ゆうすけの小声にも無言のリツコ。 そして手首を掴んで人質の集まっている場所に引き連れるリツコ。 和恵はその様子をジッと見つめていた。 その時、 ゴト・・・ 積みあがった瓦礫が僅かに音を立て、一堂の目線が一点に注目したその時、 ズボーーーン! 山を形成していた瓦礫が、音と共に一気に吹っ飛んだっ! そして巻き上がった粉塵の中から、こういちがこちらに向かって歩いてきた。 ドスン ドスン ドスン ドスン! 吹き飛んだ瓦礫が、中庭の広場や建物の側面、屋上などにぶつかったり、 こちらに歩くこういちの後方に、地響きを伴う凄い勢いで次々と落下していった。 こういち 「なにも変わっちゃいないよ。」 利江・美咲先生 「こういち君!」 椿 「こういち君!」 武藤大介 「こういちっ」 とても心配そうにこういちを見つめる利江。 ガイザー総帥 「出てきましたね。 では、答えを聞かせてもらいましょうか。」 スワン 「おまえが居ぬ間に、人質が増えたぞ。」 こういち 「変わっちゃいないね。 あんたら、自分達が優位に立っていると思っているようだが、 残念だがそこが違うんだよ。 たとえ、ここにクラウスやブルーガーってやつが居ても一緒だ。」 和恵姉さん ( こういち、本気になっちゃダメよ。 利江ちゃんやゆうすけ君、椿君や武藤君にまで被害が及ぶわ・・・・ ) 心の中でなんと、心配しているのは生身の彼等のことだった和恵。 こういち 「サーカスの団長さんよ、 スピードが違う? まだ試している最中だ。 結論はこれからだよ。」 こういちは和恵と目を合わせる。 軽くうなずく和恵。 こういち 「団長、悪いが優位に立っているのは・・・・・ ( キリっと顔が引き締まり、 ) おいら達だっ! 」 シュッ ズカっ★ そう叫んだこういち、あっという間に移動しスワンを蹴り飛ばしたっ! その行動と同時に、和恵はロープを一瞬で解き放ち、 ザウバーを後ろ回し蹴りで、これも一瞬で蹴り飛ばしたっ! ドスっ★ うぉっ! さらに同時に、なんとリツコは連れてきたゆうすけを武藤に向かって放り投げ、 ヒョイ~ 続いて利江を抱いて後方に非難したっ! サッ そしてゆうすけを放られた武藤、 結わいてあった紐をスルっと手首から外し、ゆうすけをキャッチ! そのまま後方に下がったリツコの元へ走る。 更に更に、椿も同様に紐を自ら素早く解きながら睦月を一蹴! ズカっ★ うぐっ 飛ばされた睦月を横目に、美咲先生を抱えてリツコのいる後方へと退避させた。 サッ☆ いつのまにか、ガイザーと対じしていたこういち。 ガイザー総帥 「ひ、人質が・・・・ それにあのザウバーが、一蹴で飛ばされるとは・・・・」 一瞬であちらもこちらも状況が変わり、やや取り乱すガイザー。 和恵姉さん 「悪いわね、 私はね、生まれてこの方、『たすけて~』 なんてたわごとを 一度たりとも口にしたことがないの。 今回はゆうすけがどうしてもって言うから。。。」 いつもながらスリットから生脚をスッと横に出し、腕組みをして話す和恵。 ザウバー 「こ、この女・・・・今までのは芝居かよ・・・・ こんな蹴り、今まで食らったことがない。 スペック-3のこのオレにすら避ける間を与えないとは・・・・」 倒れたまま和恵を見て、唇から滴り落ちる血を袖口で拭いながら漏らすザウバー。 リツコ 「これが私の答え! ザウバー、あなたの相手はこの私よ! 姉さんじゃ無かっただけ幸運だと思いなさい。」 美咲先生を後ろに下がらせ、前に出て話すリツコ。 同じくチャイナ姿で生脚バッチリの姿勢。 ザウバー 「にしても油断したわ。 リツコ、きさまぁー!」 睦月 涼 「つ・・・椿ぃ~、今こそ決着をつけてやるっ!」 椿 「望むところだ!」 ゆうすけ 「姉さん!」 落ちていた細い鉄パイプを和恵に放り投げるゆうすけ。 和恵はそれをキャッチした後、 和恵姉さん 「そうすると、あなたの相手は私みたいよ♪」 シュバっ☆ 『ハィっ』 ガシっ★ 素早く移動し、立ち上がったばかりのスワンを再び蹴り倒す和恵。 『ぐぉっ』 その後、鉄パイプを槍代わりに槍術の拳套を披露してサッと構えた。 スワン 「く、くそう・・・・おのれーーー、 このオレに挑むとはいい根性してるな女っ! 覚悟しなっ!」 こういち 「どうだ、おめーらが有利になってないだろ。 これがおいら達の答えだっ!」 -つづく- (ちまちまとやってられっかーーっ!) ※ このドラマはフィクションです。登場する内容は、実在する人物、団体等とは一切関係がありません。 また、無断で他への転載、使用等を堅く禁じます。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2020年09月15日 10時52分45秒
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