カテゴリ:第二章 123 ~ 187 話
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~ ~ ~ ザウバー 「おまえがここまですばしっこいとはな。 それに拳法・・・中々の使い手じゃねぇか。」 攻撃の手を止め、話し出したザウバー。 リツコも間合いを取り、構えたまま静止する。 リツコ 「そうね、たしなむよりはしっかりと修行していたけど。 スペック-3の力を得ると、みな天狗になってたみたいね。 私も含めて。 ところがこの世はやはり広いわ。 上には上が居るのよ。 それを知った時、私は自分の居場所がはっきりとしたのよ。」 ザウバー 「この場所におまえが現れて最初は何でおまえが・・・・と驚いた。 売られたと聞いていたし、まさかこいつらと繋がっていたとは・・・・。 油断したぜ。」 リツコ 「私は、姉さんや彼等からは命令なんてされてないわ。 組織が裏で企んでいることを知り、自らの判断で行動してるの。 総帥の行っていることに、私は賛同できない!」 ザウバー 「ふん、まぁいい。 今、拳を交えているのが現実だからな。 同じスペック-3同士なら、元の能力の差がモノを言う。 リツコよ、避けているだけではこのオレは倒せないぞ。」 リツコ 「・・・・やってみなければ判らないでしょ。」 ジリ、ジリとその間合いをつめるザウバー。 そして、 ザウバー 「そうだな、やってみなけりゃ判らないこともあるよなっ! いくぞっ!」 『 そりゃーー! 』 打って出てきたザウバーの攻撃をヒラリ、ヒラリと交わすリツコだが、 時として受けて止めることを余儀なくされる。 ガシっ★ リツコ ( くっ・・・・ やはりこいつの蹴りは威力が違う・・・・身体がミシミシと悲鳴を上げている ) 受身は取り、クリーンヒットは許していないものの、 その一撃がリツコの体にズッシリと重くのしかかる。 『 ハィ! ハィハィ! 』 そして打って出るリツコ。 ヒョイ バシっ ヒョイ バシっ ザウバーは避けるも、そのいくつかはスピードが勝るリツコの蹴り、 手套を食らってしまう。 そして、 『ハィーー!』 ガシ★ 『うりゃ!』 ズゴーン★ バサ リツコ 「うぐ・・・・」 なんと、倒れ込んだのはリツコ。 リツコの蹴りをそのまま手で掴んで止め、動きを止めたまま 横っ腹に正拳をぶち込んだザウバー。 リツコが勢い追いよくそのまま後方に飛ばされたのだった。 ~ ~ ~ スワン 「すばしっこいやつめ・・・・ だが、おまえの避ける範囲が判ってきたよ。 オレに奥の手を出させるとは・・・・。 これでおまえは丸焦げだよっ!」 『 食らえっ! プラズマ・エレキネットっ! 』 叫びながら両腕を前に出し、なんと今度は手のひらを開いていた! その両手のひらの指一本一本から凄まじいエレクトリックな網目を作り、 広範囲に放射したスワンっ! 和恵姉さん 「うわーーーっ!」 ビリビリビリビリ 素早く回避するも、その網目に引っかかり、電撃をまともに食らってしまう! ゆうすけ 「ね、姉さんっ! 」 ~ ~ ~ 倒れて胸と首を押さえる睦月。 椿はそのまま腕ひしぎ十字固めに入り、睦月の左手を決める。 睦月 涼 「ぐわっ!」 バタバタと足で地面を蹴る睦月。 空いている右手でなんとかしようとモガくが、間接を逆に決められていて、 無理に体を起こせないでいる。 だが、そのわらをも掴みたい右手が、何かを掴んだその時、 無理やり右手で椿の顔面を打ちに行ったっ! ガシ★ 椿 「うわっ!」 思わず手を解き放ち、後ろに転げて顔を抑えてのたうち回る椿。 もっそりと立ち上がり、握っていたものを後ろに投げ捨て、 ぶら~んと下がった左腕をかばう様に押さえた睦月。 投げ捨てられたものは、辺りに飛び散り散乱していたアスファルトの破片であった。 顔面のおでこ辺りから出血をしている椿。 睦月 涼 「椿よ、これは試合ではない。 油断したな。」 血まみれのまま振り向く椿。 美咲先生 「椿君・・・・」 ~ ~ ~ ザウバー 「これが元の体の能力の差だ。 次の一発で終わりにしてやる。」 リツコは、横っ腹を押さえながら苦痛の表情でヨロヨロと立ち上がった。 利江 「リツコさん・・・・」 ~ ~ ~ スワン 「これで留めだっ!」 倒れた和恵を見て、続けて両手の人差し指を和恵に向かって勢い良く差し出したスワン。 ジリジリジリ ジリジリジリ ズボーーン! 倒れた和恵を直撃! 電撃の凄まじい音っ! まさに落雷を受けたかのようだ! スワン 「あははははは。 どうだ、思い知ったか!」 誇らしげに倒れたままの和恵を見て高笑いをするスワン。 ゆうすけ 「 姉ーーーさぁーーーん! 」 ~ ~ ~ ガイザー総帥 「ふん、まだまだこれからだよ、こういち君。」 ガイザーは、今度は握っていたこぶしを開き、再び真下に勢い良く伸ばしたっ! サッ☆ 『フン!』 ズボボボっ! なんと、今度のテレキネシスは強力なものだっ! ピンポイントに焦点を当てたものではなく、こういちとの戦いで、こういちの動く範囲 全体にその力を込め、辺り周辺のアスファルト、その下に敷き詰められていたグリ石、砕石 などを辺り一面、こういちもろとも根こそぎ持ちあげた。 まさに地面がフワフワと宇宙遊泳をしているようだ。 それを見たガイザー、ニンマリと笑みを浮かべると 今度は、宇宙遊泳していた物体全てを、地球の大地に向かって勢い良く叩き付けたっ! 利江 「こ、こういち君 !! 」 この時、戦いが繰り広げられていた敷地全体に、大きな地震のような揺れが走った! ~ ~ ~ -つづく- (100万年~? そんなのまばたきにしか過ぎない年数よ) ※ このドラマはフィクションです。登場する内容は、実在する人物、団体等とは一切関係がありません。 また、無断で他への転載、使用等を堅く禁じます。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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