カテゴリ:第二章 123 ~ 187 話
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和恵姉さん 「おい、ちゃんと回避してよね・・・・ 一度に全員をここまで運ぶの大変なんだから・・・・・。 リツコ! 来る!」 リツコ 「は、はい・・・・」 慌てて和恵と共に、爆風からみんなを守るように覆い被さるリツコ。 ゴォーーーーーー彡 もの凄い突風がみんなを襲う。 ・・・ ・・・ ・・・ ・・・・ サラサラサラ ・・・・・ 細かい砂などが何か囁く(ささやく)ように辺りに落ち、やさしい風が顔を撫でてきた。 一陣の爆風が通り過ぎてひととき、 ゆうすけ 「あれ、なんでオレはこんなところに居るの?」 その一言からみんなが顔を上げて辺りを見回す。 すると、今居る場所は、元居た工場からは少し離れたところ。 そう、和恵が一瞬でみんなをここまで運び連れて来たのであった。 破壊を込めた[気]が混じった爆風。 衣服がボロボロの和恵とリツコ。 ちょっぴりエッチな程に。 利江 「こ、こういち君は・・・・」 椿 「そ、そうだ、あの気の弾を受けていたようだが・・・・」 美咲先生と武藤大介は呆然として声にならない。 いまだ移動前の口を空けたままの驚く姿のまま。 ゆうすけ 「こ、こういちは !? 」 和恵姉さん 「ご覧なさい。。。」 工場内の戦闘場所では、 ガイザー総帥 「これで跡形も無く木っ端微塵(こっぱみじん)でしょう。 私にこの [技] を出させるなんて、とんでもない小僧・・・・あ、ぃぇ元い、 少年でしたね。。。」 ガイザー砲を撃ったその姿勢のまま、満足そうに笑みを浮かべ、 こういちの散った空中を見つめるガイザー。 ようやく姿勢を直し、手を下に下ろす。 『 おい、どこを見ている! 』 !? はっ として斜め後ろからの声の主に、慌てて首を振り目をやるガイザー。 そして、 ガイザー総帥 「 !! う、うそでしょう!」 見る見ると青ざめて顔色が変わるガイザー。 ガイザー総帥 「あ、あれを受けて尚も立っているとは・・・・・」 ガイザーの視線の先には、討ち果たしたはずのこういちが、何事も無かったように、 平然とした姿で荒れ果てた大地に、ポツンと一人立っていたのだった。 こういち 「悪いな、おいらとは戦う次元が違うようだ、団長さん。 おいらの攻撃はまだこれからだけど、受けてみるかい?」 ガイザー総帥 「うぬ・・・・こいつ人間じゃない・・・・ば、化け物か・・・・・ き、きさまは・・・・きさまは一体何者なんだっ!」 こういち 「 おいらこういち、南こういちだっ! 」 ガイザー総帥 「く、く、く、くそう・・・・・ ( 握りこぶしをブルブルと震わせながら悔しがるガイザー それは悔しさからか、あるいはこういちの脅威からきているものなのか・・・ ) 他の者も・・・・」 辺りを見回して、飛ばされたスワン、片ひざを付いたまま動けないザウバーの姿 を確認する。 戦況を知ったガイザー、 ガイザー総帥 「く・・・残念だが、今日は引き上げる・・・・小僧、まただ。」 そう言うと、胸に手を当てて、 スワン、ザウバーと、続けて物体移動で近くに運び、そっと二人に手を添えて こういちの目の前から三人は消えていった。 V ズバっ☆ V ゆうすけ 「こういちーーー♪」 遠くから手を振り駆けて来るゆうすけ。 その声にこういちが振り返る。 そして、ゆうすけがこういちに近づき、走る速度を緩めた瞬間に、 真後ろを駆けてきた利江が、メインストレートをスリップから抜け出て 抜き去るレースカーのように、スッとゆうすけを追い抜き、 そのままこういちに飛びついた! 利江 「こういちく~ん!」 ゆうすけ 「っと・・・・」 そのまま、けつまづいたかのようにコケて倒れるゆうすけ。 ドテっ 利江 「こういち君、無事だったのね~♪」 こういちをきつく抱きしめる利江。 目元からは大粒の涙がポロリ・・・・ こういち 「あ、あぁ・・・・」 照れながらも、抱きついてきた利江を受け止めたままクルっと回転させて そのままそっと利江を抱きしめてあげるこういち。 利江の涙が、遠心力で幾粒かが放り出され、夕日間近の日の光に照らされて、 宝石のようにキラキラと輝いていた。 倒れたまま、 ゆうすけ 「こら、女の子を泣かしちゃいけないんだぜ~」 ニタニタしなからゆうすけ。 こういち 「ご、ごめん・・・・」 利江 「いいのよ、こういち君の性じゃないもの。。。」 こぼれた涙をこういちの肩に押し付け、拭い去る利江。 そして思い立ったように起き上がり、逆向きの今来た方向に駆け出すゆうすけ。 ゆうすけ 「はぁ、はぁ、はぁ、 み、美咲先生~~、だ、大丈夫でしたか・・・? はぁ、はぁ・・・」 美咲先生 「え、えぇ、皆さんのお陰で私はなんとも。。。」 ゆうすけ 「よ、よかった。。。」 この期を逃すかと、美咲先生にジャンプして飛びつくゆうすけ。 美咲先生 「あら、椿君は大丈夫?」 と、クルっと向きを変えて、椿に話しかける美咲先生。 ドテっ そのまま地面の抱擁を受けるゆうすけ。 ゆうすけ 「あぁ、どーせオレはこんな役回りですよ・・・・」 うつ伏せ姿勢のまま人差し指だけで地面を叩き、一人いじけていた。 -つづく- (やべっ・・・) ※ このドラマはフィクションです。登場する内容は、実在する人物、団体等とは一切関係がありません。 また、無断で他への転載、使用等を堅く禁じます。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2020年09月15日 11時01分10秒
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