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■ ドラマ 永久の彼方へ

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2007年02月16日
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カテゴリ:第二章 123 ~ 187 話
.
ゆうすけ
  「着いたぜ。」

 一週間後、こういちと共にタクシーに乗り、
 闇の組織の戦闘員製造第三工場に足を運んだゆうすけ。
 敷地から少し離れた所で降りた。

ゆうすけ
  「なぁ、本当に一人で大丈夫か? 他の日でもいいんだぜ?
   こないだの今日だ、まだ総動員して待ち受けている可能性が高い。
   工場も残り2つだし。」
こういち
  「姉ちゃんとリツコさんは例のお仕事。
   おいら一人でもなんとかなるさ。」
ゆうすけ
  「しかし人里離れたところによく作るもんだ。
   車が無いとほんと不便だぜ。」

 てくてくと、のどかな風景を楽しみながら歩く二人。
 木々からは、セミの鳴き声が競い合うかのように高らかだ。

ゆうすけ
  「あの杉並木の切れ間を抜けたところにあるはずだ。」

 額からの汗がほほを伝う。

こういち
  「ゆうすけ。」
ゆうすけ
  「どうした・・・?」

こういち
  「何か変だ・・・。」
ゆうすけ
  「何が?」

こういち
  「人の気配を感じない・・・・。
   サーカス一座の[気]も全くないよ。」
ゆうすけ
  「うじゃうじゃ居るはずなんだが・・・・」

 小走りに、杉並木の切れ間に向かう二人。
 そして・・・・

 小高い岡の上に立ち、見下ろす眼下には、目的の大きな工場があった。
 だが、ここから見る限りでは、人影が全くない。

ゆうすけ
  「本当だ・・・・・戦闘員の影も形も見えない。」
こういち
  「行ってみよう。」
ゆうすけ
  「よし。」

 二人は、岡の上から緑の雑草の生えている斜面を降りる。

ゆうすけ
  「警備状況を見てから突入の作戦を練ろうと思っていたのに・・・・」


 工場の正門前に到着すると、門は開いたままになっている。


ゆうすけ
  「なにか仕掛けでもしてあるのかな・・・・」

 壁の上にある有刺鉄線を目で追い、末端までくまなく目を通すゆうすけ。
 入り口の門、工場建物の壁や屋上にも。

ゆうすけ
  「電流が流れてそうでもないし、センサー類もここからは見当たらない。」

 それを聞き、度胸良く つかつか と正門から入るこういち。

ゆうすけ
  「地雷とか埋めてあるかもしれないぞ。」

 こういちは、それを聞いても動じることなくスタスタと中に入っていく。
 そして立ち止まり、顔をやや傾けて耳をすますようにして何かの[気]を探っている様子。

こういち
  「やはり誰も居ない。
   地面も最近掘ったような後も見当たらないよ。 地雷なんてただのトランポリンさ。」

 その言葉を聞いて、ゆうすけも場内に入ってきた。

ゆうすけ
  「隠れている訳でもないってことか・・・・
   ト、トランポリンかよ・・・ まったく・・・。
   施設を見に行こう。」

 建物の中に入り込む二人。




ゆうすけ
  「やはりカラっぽか・・・・
   にしても、こりゃまた随分と荒れてるな・・・・」
こういち
  「慌てて運び出したみたいだね。」
ゆうすけ
  「あぁ・・・」

 PCの近くに歩み寄り、スイッチを入れて起動させるゆうすけ。

 カシャカシャカシャ  手馴れた感じでキーボードを叩く。

ゆうすけ
  「パソコンはそのまま、でもデーターはカラだ。」

 他のPCも見てみるゆうすけ。

ゆうすけ
  「みんな同じだ。」


こういち
  「 !! 数台の車が近づいて来る!」

ゆうすけ
  「おやじ達だろ・・・・昨日が遅刻だから、今日は急いで駆けつけたんだな。」

 窓に歩み寄り、外を見るゆうすけ。

 赤灯を点けて向かってくる車両の姿を見て、

ゆうすけ
  「うん、警察車両だ。」

 そのまま続けて工場内を調査する二人。

ゆうすけ
  「データや資料類だけは綺麗に無くなっている。
   製造装置類は持ち出すのに手間と時間が掛かるから、置いていったようだ。」
こういち
  「一晩で持ち出したってことだね。」
ゆうすけ
  「守らずに、移動した・・・・ってことか・・・・
   意外と冷静な判断をするんだな。 まんざら猛進タイプって訳でもなさそうだ。」

 その時、
 外でサイレンの音と共に、数台の車が停車した。

 キーーー。 バタンバタンバタン。

 ザザザザザザザザっ  カシャ カシャ カシャ

こういち
  「おかしい、誰も居ないのに銃の安全装置を外している!」
ゆうすけ
  「おやじは何やってんだよ・・・・」

 再び二階の窓に歩み寄り、外を眺めたゆうすけ。

ゆうすけ
  「ぬっ、下に居るのは親父達じゃない!
   あれは、 特務機動隊 だっ!」

 建物の前に整列し、銃を構えてこちらを見て立つ機動隊員達。

特務機動隊 小隊長
 スピーカ『 中にいる少年達に告ぐ! 』

 小隊長がハンドマイクを通じて話しかけてきた。

特務機動隊 小隊長
 スピーカ『 君達を、住居侵入罪で逮捕する。
               おとなしくそこから出てきなさい! 』

ゆうすけ
  「なんだってっ!」

 北見刑事だとばかり思っていたゆうすけ。 少し混乱している様子。

こういち
  「ゆうすけ、おじさんとは別口ってことだ。」
ゆうすけ
  「別口・・・・くそ、きっとやつらが手を回したんだ。

   刑法130条 住居侵入罪、 建造物侵入罪とも言うが、この手で来たか・・・・
   三年以下の懲役又は十万円以下の罰金 だったかな。」

こういち
  「戦う相手ではないから・・・・」
ゆうすけ
  「仕方ない、大人しく出て行くか・・・・。」

 一階に降り、手を上げて黙って投降する二人。

 それを見た特務機動隊員たちは、二人に手錠をはめて拘束した。
 そしてホロ付きのトラックに二人を載せて工場から出ていったのであった。




                            -つづく-




第157話 処刑 へ
(カタカタカタ・・・・・)





  ※ このドラマはフィクションです。登場する内容は、実在する人物、団体等とは一切関係がありません。

    また、無断で他への転載、使用等を堅く禁じます。





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最終更新日  2020年09月15日 11時08分41秒
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