カテゴリ:第二章 123 ~ 187 話
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こういち、ゆうすけを載せた 特務機動隊 のトラックの中で。 ゆうすけ ( 確かに犯罪には違いない。 正論だ・・・・ それに、現行犯では・・・ ) ( だが、度が過ぎる。なんで特務機動隊なんだよ。 やっぱりなにか変だ・・・・ ) こういち 「試してみようか?」 ゆうすけ ( いや待て、もう少し様子を見ることにしよう・・・・ 抜け出しても、今度は [逃走] になるからな・・・・ ちょっと探ってみっか。。。 ) こういち 「分った。。。」 特務機動隊員 「何をつぶやいている。」 手錠で両手を繋がれた二人に銃を向けたまま、見張っている隊員が話しかけてきた。 こういち 「あぁ、独り言。。。」 ゆうすけ 「なぁおっさん、 おれらをどこに連れて行くの?」 特務機動隊員 「さぁな、小隊長は聞いているだろうが、我々は知らん。」 ゆうすけ 「下っ端には知らされてないのか。 大した指揮命令系統だ。」 特務機動隊員 「なんだとっ!」 ゆうすけ 「おれ達、まだ未成年なんだぜ。 そんな銃を向けるなんて・・・・PTA が黙ってないぞっ! まぁ、それ以上にあんたらはやり過ぎてる。 素人同然じゃないか。 あんたら、本物の機動隊員なんか?」 特務機動隊員 「当たり前だっ! それに今回は、テロ重要人物と同等の扱いでとの指示を受けている。」 ゆうすけ 「へぇ、テロと同等のね・・・・」 キーーー。 車両がどこかに到着したらしく、停まってからトラック後方の扉が開いた。 開いたその外には、特務機動隊員がこちらに銃を向けて見張っている。 そして、扉の横から、 特務機動隊 小隊長 「おい、出ろ。」 声を掛けられて、 黙って立ち上がり、背中に銃を突きつけられたまま、外に向かう二人。 トラック後方の仮設タラップを降りてくる。 キョロキョロと辺りを見回すゆうすけ。 さっと見て終えるこういち。 ゆうすけ 「おい、ここって・・・・」 特務機動隊 小隊長 「そうだ、見ての通りここは自衛隊の演習場だ。」 こういち 「ここなら密かにおいら達をヤレるってことか。」 ゆうすけ 「お前らの手にする武器で・・・・か。」 特務機動隊 小隊長 「話が早いな。 その通りだ。悪いが上からの命令でね。」 こういちと目を合わせるゆうすけ。 ちょっとニヤけたりしている。 特務機動隊 小隊長 「ふん、笑っていられるのも今のうちだ。 おいっ!」 小隊長の一声で、数人の隊員が手錠で縛られた二人を、 だだっ広い野原の中央に連れて行く。 渋々 でも いやいや でも無く二人はスタスタと歩く。 50m位進んだ辺りで「止まれ」と声が掛かった。 そしてそこに立たせた後、連れ沿った隊員達が戻ってくる。 二人は大人しくそこで立ったまま機動隊員達の方を見つめていた。 特務機動隊 小隊長 「これからマシンガンの餌食となってもらう。 ここでは民間人が誤って敷地に立ち入ったってことで片がつくからな。 さて、俺からのプレゼントだ。おまえらにチャンスをやろう。 この場から見事逃げ切ってみろ。 まぁ無理だろうがな。」 ゆうすけ 「もし・・・・逃げ切ったらどうする。」 特務機動隊 小隊長 「有り得ん! 隠れるところも無いこの場所で、十数丁のサブマシンガンがお前らを狙っている。 生き残ることなど、ましてや逃げることなど不可能ってことだっ!」 ゆうすけ 「プレゼントと言いつつ、逃げる姿を見て楽しむってことだな。 それに 9mm 機関けん銃、自衛隊向けに製造している・・・・。 1,100発/min、一秒間に 18発 を超える能力。 発射速度が半端じゃない。 至近距離には優れものってやつだ。」 特務機動隊 小隊長 「小僧、詳しいな。 残念だが詳しいだけでは逃げ延びることは出来ん。」 サブマシンガンを手にした隊員達が横一列に配置した。 特務機動隊 小隊長 「10カウントだけ待ってやる。その間に走って逃げてろ。 ひと~つ、 ふた~つ・・・・」 小隊長のカウントダウンが始まる。 だが、その場から逃げる素振りが全く無い二人。 特務機動隊 小隊長 「・・・や~っつ、 ここの~つ・・・・ とー。 逃げんとは見上げた根性だ。 だが容赦はせん。 ではお別れだ。」 チャリン チン チン カシャガシャ チン チン チン ガシャカシャ (何かの金属音・・・) 小隊長の手が上にかざされ、そして前方に振り落とされたっ! 次の瞬間! ガガガガガガガガガガガガガガガガっZZZZ ガガガガガガガガガガガガガガガガっZZZZ ガガガガガガガガガガガガガガガガっZZZZ ガガガガガガガガガガガガガガガガっZZZZ ガガガガガガガガガガガガガガガガっZZZZ ガガガガガガガガガガガガガガガガっZZZZ ガガガガガガガガガガガガガガガガっZZZZ ガガガガガガガガガガガガガガガガっZZZZ ガガガガガガガガガガガガガガガガっZZZZ ガガガガガガガガガガガガガガガガっZZZZ ガガガガガガガガガガガガガガガガっZZZZ ガガガガガガガガガガガガガガガガっZZZZ 隊員達の手にしていたサブマシンガンの銃口から、無数の弾が二人に向け発射された! ササササササササササっ チュン チュン チュン ササササササササササっ チュン チュン チュン ササササササササササっ チュン チュン チュン ササササササササササっ チュン チュン チュン ササササササササササっ チュン チュン チュン ササササササササササっ チュン チュン チュン ササササササササササっ チュン チュン チュン ササササササササササっ チュン チュン チュン ササササササササササっ チュン チュン チュン ササササササササササっ チュン チュン チュン ササササササササササっ チュン チュン チュン ササササササササササっ チュン チュン チュン カタカタカタ・・・・・ 特務機動隊 小隊長 「打ち方ヤメっ!」 マガジン一本を打ち切り、各サブマシンガンの弾は数十秒後には空になっていた。 隊員の付近に散乱する薬きょうの山。辺りを火薬の燃えた匂いが覆い尽くす。 二人の居た付近の地面にも弾が当たり、モヤの様に土煙が上がっていた。 特務機動隊 小隊長 「あんな子供を殺めるなど、良心が痛むな。 たとえ命令とはいえ・・・・」 小隊長の合図で隊員達は銃を下におろした。 ヒュー彡 と一陣の風が吹き抜け、舞い上がっていた土煙を払い去っていった。 隊員 「しょ、小隊長」 ひとりの隊員声で、少年達のいた場所を再び見据え直す隊員達。 そこに居た特務機動隊員全員の瞳孔が開き、言葉を失った! 視線の先には、何事も無かったように立ちすくむ一人の少年! 少年の周りには、無数の弾が転げて散乱していた。 その光景を見た隊員達、口を開けたまま、誰一人動く者は居なかった。 こういち 「多すぎて全部は持ちきれないよ。」 するとこういち、左手を逆水平に、右手をサイドスローのように続けて振り抜いた。 チュンチュンチュンチュンチュンチュンチュンチュンっ! チュンチュンチュンチュンチュンチュンチュンチュンっ! 一列に整列していた特殊機動隊員の足元に、投げ返したこういち、 銃で撃ったような速さで端から順番に炸裂していった! 特務機動隊 小隊長 ( ・・・・・ ) ただただ驚きの連続で、避けることも忘れて 目の前の出来事を口を開けたままボー然としているだけ。 ゆうすけ 「予備のマガジンを装着しなきゃ、次が打てないぜ。」 そしてその後ろからひょっこりと顔を出すもう一人の少年の姿が! ゆうすけ 「それとこれ、手錠ね。 もう使い物にならないけど、いちを返しとくよ。」 下に落としていた二組の手錠。 繋ぐクサリが真ん中で切れ、左右のわっかも一辺を切断され口を広げた計4個の手錠 を拾い上げ、隊員達の方に投げ返すゆうすけ。 ヒョイ~ ガチャ ガチャ ゆうすけ 「逃げる必要がなかったから逃げちゃいない。 だがまだおれ達は生きてるぜ。 どうする、小隊長さん。」 特務機動隊 小隊長 ( ・・・・・ ) 開いた口が塞がらない小隊長。 驚きと現実逃避で未だ言葉を発する事が出来ない。 ゆうすけ 「おい、黙秘権か? それはおれ達のやることだぜ。 返答が無いなら、このまま帰るぞ。」 特務機動隊 小隊長 ( ・・・・・ ) ゆうすけ 「ダメだこりゃ・・・・ こういち、行こう。」 こういち 「うん。」 その場に立ちすくむ隊員達を背に、その場を引き上げるこういち達であった。 -つづく- (急いで戻らなきゃならないんですよ) ※ このドラマはフィクションです。登場する内容は、実在する人物、団体等とは一切関係がありません。 また、無断で他への転載、使用等を堅く禁じます。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2020年09月15日 11時10分32秒
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