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■ ドラマ 永久の彼方へ

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2007年02月23日
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カテゴリ:第二章 123 ~ 187 話
.
利江
  電話 『・・・・お姉さま』
和恵姉さん
  携帯電話 『大丈夫よ、心配しないで。
     表には出ないでしっかりと戸締りだけはしておいてね。
     ニュースを聞いて状況を把握して頂戴。』
利江
  電話 『分りました。』

 電話で連絡を取る二人。

利江
  電話 『お姉さん、こういち君は・・・?』
和恵姉さん
  携帯電話 『今日はやつらの工場に向かったから。』
利江
  電話 『そうですか。 無事なんですね。』
和恵姉さん
  携帯電話 『とにかく状況が進展するまでは外には出ないでね。』
利江
  電話 『はい。』
                      ピッ

利江 父(校長先生)
  「こういち君は無事だったのかね?」
利江
  「うん、市外に出ていて大丈夫みたい。」
利江 母
  「それにしても外に出られないのは困ったわね。
   食料が数日で無くなってしまうわ・・・・」

利江 父(校長先生)
  「この街全体がそんな状況だろう。
   仕事もそうだが、食料もしかり・・・・。
   政府の対応を待つしかなかろう。」

 ここは利江の自宅、一階のダイニングでの会話。
 こういちの無事を確認し、ほっとしている利江。
 一人階段を駆け上がり、二階の自分の部屋に戻った。

 白い壁紙で六畳の部屋は、女の子らしいピンクのカーテン、
 本棚には一輪の花も飾られていた。

 片隅にはバスケットボールバスケットボールが転げている。
 白のタンスときちんと整頓された勉強机が目に入る。

 壁際には淡い水色の布団カバーが敷かれたベッドが置かれており、その上でゴロンと
 横たわる。 

 おしゃれなカーテンの掛かる出窓から差し込む日差しが眩しい。
 その窓の外では、出歩く人の無いかんさんとした街の姿。

 時折、シルバー色の対菌防護服を着用した二人組が道路を横切っていくのが見える。

利江
  「得体の知れないウイルス卒業式かぁ・・・・」

 つぶやいた後、枕元に置いてあったリモコンを手にし、
 本棚に収納されている14型の小さい液晶 TVテレビ のスイッチをいれる。

 画面では、緊急生中継 と題して街の境界線からリポーターが状況マイクを放送していた。
 境界線付近では、自衛隊の封鎖状況、防菌服を着た人の出入り、そして渋滞する道路状況
 などが映し出されている。
 カメラはスタジオに戻り、メインキャスターと解説者が今までの経緯を説明し始めた。

利江
  ( あの病院で起きたのが発端ってことだけど、ウイルスって、突然そこで現れるもの
    じゃないわよね。
    持ち込まれた・・・・ってことでしょうけど、その宿主のたどった移動経路では、
    発症した人はいないのかしら・・・・。
    TVでは病院病院での出来事ばかり。

    それにしても、防菌服着た人達って、ただ見回りしているだけ?
    なにか消毒液を噴霧するとかしないの・・・? )

スピーカ『市民の皆さん、
   現在、正体不明のウイルスがこの街で発見されました。
   発症者はいずれも死に至っており、現在も菌の種類は特定出来ておりません。

   原因追究とその対処がなされるまでは、ご自宅、職場からの一切の外出を禁止して
   下さい。
   感染しますと、現状では対処できません。
   窓、扉をしっかりと閉めた上、ご自宅、職場から出ないようにして下さい。』


 路上を赤灯 を点けた機動隊のトラックが巡回し説明しているようだ。

 大きなスピーカーを介して市民に伝えていた。

利江
  ( 新種なのかしら・・・・
    特定するのって時間掛かるのね・・・・ワクチンってすぐには・・・・
    出来ないわよね、なんだか不安・・・・
                 いつまでこうしていればいいの・・・・? )

 ベッドに横たわりながらなす統べも無く、あれこれと想いにふける利江。
 その後は、ただ ぼ~っ としながら TVテレビ を見つめているのだった。


  ~
    ~

美咲先生
  「これからどうすればいいのかしら・・・・」

 お店のカウンターのイスにひとりポツンと座り、肘を付いて顎を手で支える姿勢で、
 ぼー然としている美咲。

 奥から和恵が出てきた。

和恵姉さん
  「どうすることも出来ないわね。
   今は成り行きを見守るしか・・・・」


 テレビ
 その後の政府の報告によりますと、感染者と死者の新しい情報は今のところ
 入っていないとのことです。
 まだ予断をゆるさない状況が続いている現場からお伝えしました。



美咲先生
  「あんなこと言ってるけど、なんにも調査してないんじゃない・・・?
   ここへだって誰も調査や状況を調べに来てないのに・・・・」

和恵姉さん
  「言われてみれば、何か対応の動きが妙だわね・・・・。
   閉鎖はめちゃくちゃ早かったみたいだけど、閉鎖した区域の中は放置されたまま
   のように感じるわ・・・・。」


  ~
    ~

こういち
  「なぁ、おいら達って追われているんじゃなかったっけ?」

 境界線の柵のある道路の反対側を、柵に沿って歩く二人。

ゆうすけ
  「そうなんだよな。
   なんか連携が取れて無い感じ・・・・
   あのおまわりさんだって、交通整理の誘導に一生懸命だよ。
   ウイルスの発生のお陰で、おれたち野放しにされてるのかな・・・・」

 !!

こういち
  「ゆうすけっ!」ダッシュ雫

 突然、こういちがゆうすけの手を引いて、大通りから路地に引っ張り込んだ!
 よろけながら、

ゆうすけ
  「どうしたんだよ、急に!」雫
こういち
  「次の交差点に置いてあった自衛隊のトラック付近に、
   組織の戦闘員の[気]が複数・・・・。」
ゆうすけ
  「なんだって !? 」

 交差点路地の角にある郵便ポストポストの物陰から、次の交差点方向をそ~っと覗くゆうすけ。

 その視線の先では、交差点近くの境界線の柵側に自衛隊のトラックが2台置いてある。
 トラックの間には、区域を仕切る柵の切れ間が有り、シルバー色の対菌防護服を着用した
 数人がその切れ間に取り付けられている観音開きの鉄の大きな扉の監視を行っている。

 扉の敷地内には、小型のエアーシャワー室が施されており、滅菌に使用しているので
 あろう。
 出入りするシルバー色の対菌防護服を着用した人達が使用しているようだ。

 更にその敷地側には再び柵が設けられており、その柵の前では大声で怒鳴る住民数十人と
 対菌防護服を着た十数人が対立していた。

 交差点の敷地の反対側はもう市民の人影が少なく閑散としており、報道の中継車と
 その関係者の姿、そして自衛隊の迷彩服を着た人の姿が見れるだけだ。

ゆうすけ
  「どこにも "らしき" 人影は見当たらないなぁ・・・・」

 こういちも一緒に覗く。

ゆうすけ
  「あの柵の中の住人の中にか?」
こういち
  「ちがうよ、トラック付近。 今もそうだよ。」
ゆうすけ
  「だって・・・・」
こういち
  「トラックの中・・・か、あのシルバーを着た監視している人だ。
   [気]が弱くてあの辺り・・・程度しか・・・」
ゆうすけ
  「おい、そのどっちでも自衛隊関係者の中にいるってことになるぞ!」
こういち
  「じゃ、そうなんじゃない?」
ゆうすけ
  「どういうことなんだ・・・・」




                             -つづく-




第160話 厳戒令 3 へ
(オーシンツクツク オーシンツクツク ヒッ!? カイーヨ カイーヨ カイーヨ ヒィィーーー)





  ※ このドラマはフィクションです。登場する内容は、実在する人物、団体等とは一切関係がありません。

    また、無断で他への転載、使用等を堅く禁じます。





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最終更新日  2020年09月15日 11時14分42秒
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