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■ ドラマ 永久の彼方へ

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2007年02月28日
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カテゴリ:第二章 123 ~ 187 話
.
 家の玄関に立ち、前の道の左右を慎重に確認する利江。

利江
  ( 今だわ。 )

 素早く家の前から、最初の路地まで移動する。
 そして路地から顔を出し、その両方向を確認する。

利江
  ( 大丈夫。 )

 後ろと進行方向も確認しながらその路地を曲がって、垣根、電柱、建物などをうまく
 利用しながら少しずつ 居酒屋 華夢on を目指す利江。

 時折、シルバーの防菌防護服を着た二人連れの姿を、遠くの道を横切るのが見える。

利江
  ( よし。 )

 まるで追跡する刑事か、忍者さながらの行動。
 時折、身を低くして屈むように前進する。

 突然、一つ後方の角から、シルバーの防菌防護服を着た二人連れが現れた。
 素早く電柱の影に身を隠す利江。
 その瞬間、利江の横から、

            猫ミャーオ!

利江
  「き( ゃっ・・・・ )」 慌てて手で口を押さえる。

防菌防護服隊員
  「なんだっ!」

 一人の隊員がこちらを見たっ!

         猫ミャーオ!

防菌防護服隊員
  「なんだ、野良猫かよ。」
  「おい、行くぞ。」

 息を殺して冷や汗を掻きながらその二人が再び路地に消えるのを待つ。
 無事にやり過ごした後、塀の上で座っていた猫に、

利江
  ( 脅かしちゃダメよ。 あっ、私がおどろかしちゃったのかな♪ )

 と笑顔で猫ちゃんの頭を撫でながら心でつぶやいた。

      OKミャ~オ♪

 返事とも取れる猫の鳴き声を後に、その路地から離れるように再び 忍者 のように、
 先に進む利江であった。



  ~
    ~


 自販機横の日陰に、ペタンと座り込み考えているゆうすけ。

ゆうすけ
  ( まず一つ目は工場での特務機動隊。
    間違いなく通報は組織のやつらだ。
    現地に駆けつけたのは恐らく本物の機動隊だろう・・・・。

    ここでは、なぜ警察ではなく機動隊、それも政府直下の特務隊が動いたかってこと。
    本物だとしたら、直接政府に連絡して部隊を動かしたことになる。
    政府の誰かと繋がっているか知人でもいるってところか・・・・。
    それも相当上の地位だな。

    二つ目、
    射殺される現場から逃げた訳でもないから、逃亡にはならないだろう。
    だけど、その射殺ってのがおかしい・・・・。

    それをおかしくないように考えた場合、
    事実を闇に葬り去るのであれば、武器使用に関して極秘で進められる特務機動隊は
    うってつけって訳だ。
    つまり政府から指示を受けた部隊は、直接単独で動いたことになる。

    テロと同等と言っていたな。

    武器使用、事実の隠蔽(いんぺい)は流れる動きだ。
    すると、この件は後を引かないかもしれないぞ。

    そして三つ目、
    突然謎のウイルスにより、ひとつの街が閉鎖。
    それも我々の住む街だ。それらの事が偶然にも同日同刻にと考えられる。

    もし、偶然で新種のウイルス発生ならそれはそれ、これはこれとなる。
    だが、戦闘員が絡んでいたのだから偶然じゃなく、意図的に行われたと仮定して
    みよう。

    事件の発生場所は、国立病院だ。

    国立・・・・
        国立・・・・!?  )


自衛隊員
  「おぃっ、そこの小僧!」

 突然、ゆうすけに話しかけて来たのは、迷彩服を着た自衛隊員数名。

ゆうすけ
  「ん・・・?」

 その声に振り向くゆうすけ。

自衛隊員
  「こ、こいつ!
   空港の時に居た二人組の小僧の片割れだぜ!」

ゆうすけ
  !!

自衛隊員
  「おいっ、捕まえろ!」

 その場から逃げるべく立ち上がった瞬間に、あっという間に取り押さえられてしまった
 ゆうすけ。

ゆうすけ
  「くそっ、放せ! おまえら戦闘員だなっ!」

 腕を掴まれ、もがくゆうすけだったが、謎の戦闘員スペック-1数人の力では
 成す統べが無い。

自衛隊員
  「ジタバタするな、連れのもう一人はどうした。」

 チラっとこういちの寝そべるベンチを見てゆうすけ、

ゆうすけ
  「今日は会ってないよ、まだ自宅で寝てるんじゃないのか・・・?」

自衛隊員
  「そうか、ならおまえだけでいい。」

 そう言うと、ゆうすけのみぞおち目掛け、ドスン と一発放り込み、
 『うぐ・・・』

 一瞬で気を失うゆうすけであった。


~~~
   ~~~
      ~~~


 『う~~ん・・・・』

 徐々に意識を取り戻すゆうすけ。
 まぶたが少しずつ開いて行く。
 薄暗い中に居るようだ。辺りは水を打ったような静けさ。

 まず目に入ったのは、横になった扉。扉の左にはガラスの窓が付いており、その窓には
 鉄格子に見立てたパイプが横に何本も走ってるのがぼんやりと見えた。

 ふと我に戻り、うつ伏せで顔を横に向けた姿勢から、徐々に身体を起こし始めた。

 シャーーきらきら   『うっ』

 突然、後ろのカーテンが開く音がしたかと思うと、外の日の光がランランきらきらと部屋に
 差し込んだ。
 眩しすぎて、一瞬視界が真っ白になるゆうすけ。


???
  「坊主、気が付いたか。」

ゆうすけ
  「こ、ここは・・・」

 まだ視界が利かず、だれと会話しているのか、どこにいるのかも分らないゆうすけ。

???
  「ここは精神病棟の一室だ。」
ゆうすけ
  「精神病棟・・・・病院か・・・・」

 再びぼんやりと視界が戻ってきた。
 辺りをゆっくりと見回すゆうすけ。

ゆうすけ
  「病室か・・・・ おまえは?」

???
  「正義の味方・・・・じゃなくてすまねーな。」


 窓際のイスに座ってゆうすけに話しかけてきた男がつぶやいた。




                               -つづく-




第162話 厳戒令 5 へ
(もうあかんです・・・・@.@)





  ※ このドラマはフィクションです。登場する内容は、実在する人物、団体等とは一切関係がありません。

    また、無断で他への転載、使用等を堅く禁じます。





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最終更新日  2020年09月15日 11時18分03秒
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