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■ ドラマ 永久の彼方へ

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2007年03月02日
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カテゴリ:第二章 123 ~ 187 話
.
 窓から差し込む強い夏の日差しが、薄暗かった部屋を一瞬で日向に変えた。
 眩しい日差しが逆光となり、ゆうすけからは窓際にいる男のシルエットしか分らない。
 目を細め、シルエットの男を確認しようとするゆうすけ。
 その男は、シルエットで判る体つきに見覚えがあり、声すら聞き覚えがあった。

ゆうすけ
  「ザ、ザウバーか・・・?」

???
  「ほぅ、さすがに事情通なだけあるな。
   だがおしい、残念ながらハズレだ。」

 少しずつ視界が利いてきて、今ハッキリとその姿を見ることが出来たゆうすけ。
 その男は、緑と茶色の迷彩服を着て、がっちりとした体格。

ゆうすけ
  「そっか、似ていたが別人のようだな・・・。」
???
  「おれはゾルダ。 ザウバーはアニキだ。」
ゆうすけ
  「弟か。通りで似ているわけだ。」
ゾルダ
  「まぁな、いちを一卵性双生児の双子なんで間違えても問題ない。」
ゆうすけ
  「双子か。兄弟揃って組織の一員・・・・よほど組織が好きなんだな。」
ゾルダ
  「そうでもない。
   まっ、アニキもオレも強くなりたいって願望は同じように持っているから。
   組織のお陰で念願が叶いつつあるってことだ。」
ゆうすけ
  「するとあんたもスペック・・・・」
ゾルダ
  「3(スリー)の処置を受けた。
   この力は凄いなぁ。。。想像以上に身体が軽く、力も有り余っている。
   別人とは良く言うが、これほど変われるとは思ってもみなかったぜ。
   アニキが薦める訳だ。」
ゆうすけ
  「そのスペック・・・、処置を受けて、すぐに馴染むものなのか?」
ゾルダ
  「最初は難しいな。
   コップを普通に握ると割れてしまう。
   ドアのノブをちゃんと回してから押さないと、ドアが壊れてしまったり。
   加減するのに最初は苦労したさ。

   あとは腹が異常に減るな。 馴れるまで疲労が溜まる。
   こんなところかな。
            小僧もやってみないか?」

ゆうすけ
  「おれは強くなりたくないから。
   それにそんな勧誘をするためにおれをここに連れてきた訳でもないだろうに。」
ゾルダ
  「ちげーねー。
   組織から言われているのは、小僧達を見つけたら拘束しろとのお達しだ。
   場合により殺しても構わんとも言われているがな。
   どちらかやり易い方でと現場の裁量に任されている。」
ゆうすけ
  「じゃ、おれは・・・・」


~~~
   ~~~
      ~~~


 ガラガラガラ

利江
  「お姉さん!」

 居酒屋 華夢on に無事到着し、開口一番に叫んだ利江。

利江
  「あっ・・・」

美咲先生
  「あら、利江ちゃんもここに着たの。。。」
利江
  「美咲先生。。。」
椿
  「みんな考えることは一緒のようだ。」
武藤大介
  「オス。」

  奥から椿、武藤も顔を出した。

利江
  「椿さん、武藤さんまで。。。」
和恵姉さん
  「みんな無理してここに来ちゃって・・・・
   感染でもしたらどうするの・・・?」
利江
  「道路で消毒している様子もないので、それなら家の中もどこも変わらないと思って。
   ならここに居た方がって。。。気が休まるんですもの。」
椿
  「私もだよ。」
和恵姉さん
  「ここは駆け込み寺じゃないんだけどな (^ ^;;; 」

とくさん
  「いいじゃありませんか、気が休まる場所なら、本望ですよね ^ ^* 」

 奥のキッチンから顔を出すとくさん。

利江
  「とくさんまでいらしてたんですか。。。」
とくさん
  「きっとみなさんはここに来るだろうなと思って。
   食事作る手伝いをしなきゃいけないでしょ♪」
利江
  「す、するどいです・・・・ ^ ^;;;
   けど、食事って・・・・この人数集まってしまったら、蓄えもすぐに尽きて・・・」
和恵姉さん
  「それが後ろめたいところなんでしょうけど、心配いらないわ。
   生モノはその日に買い付けて売り尽くしがほとんどなんだけど、
   乾物や冷凍モノならこの人数なら1ケ月でもびくともしないわよ。
                    しかたないわ、いらっしゃい。。。」

 和恵はみんなをどこかに案内するようだ。
 キッチンの脇を抜け、自宅部分に入る扉を開けた和恵。
 椿、武藤、利江の三人がそれに続く。

 和恵は、入った扉のすぐ横の壁を何かゴソゴソとやった後、トンと壁を押すと、
 まるで忍者屋敷のように壁が反転し、彼らを迎え入れる準備をしてくれた。

利江
  「えっ? こんな仕掛けがあったなんて・・・・」
和恵姉さん
  「驚くのはまだこれからよ。」

 横にある蛍光灯のスイッチを入れた和恵。
 開いた壁の先が一瞬で明るく照らし出される。
 扉の先は、地下に降りるための らせん状の階段 が施されているのが目に映る。

 和恵が先頭でその階段を下りていく。

椿
  「お店の下に地下室があったなんて・・・・」

 一様にみな驚きながらも、美咲を除く他の三人がそれに続く。

 何周回りながら降りただろう、目が回る程くるくると階段を降り続ける四人。

和恵姉さん
  「慣れればこうやって手すりに乗って一気に降りられるわよ♪」

 ちょんとお尻を手すりに乗せて垂らした足でバランスを取りながら、
 勢い良く回転しながら降りていく和恵。

椿
  「ぼくらには無理ですよ。
   歩きでだって目が回っていたのに・・・・。」
武藤
  「なんだか酔いそう・・・・」

 階段の遥か下の方から、

和恵姉さん
  「何してるの、早く降りていらっしゃい。」

 三人はペースを上げて階段を下りて行くのであった。



 ようやく最下階のフロアーに到着した四人。

武藤
  「もうあかんです・・・・@.@」

 ヘナヘナの様子の武藤。目が回り、フラフラしている。

利江
  「階段の足場ばかり見ているからですよ。
   たまに確認程度で見るだけにして、あとは停まっている壁の一点を見ては
   変更して、また見ては変更してってやれば、大丈夫です。」
椿
  「早く言って欲しかったな・・・・。」

 椿もまた、手すりに掴まって顔をうなだれていた。


和恵姉さん
  「さて、最初に見て欲しいのはこれ♪」

 降りたフロアー左にあった扉を開ける和恵。
 蛍光灯を点けると、なんとそこには乾物の食料がドサっと整理されて置いてあった。

利江
  「す、すごいっ!」

 つかつかと中に入る和恵。
 そして右奥にある扉を開けると、白い煙のように、冷たい冷気が床を這うように
 四人に向かって走ってくる。
 中にはしっかりと冷凍食品がこれまたたっぷりと入っていた。

和恵姉さん
  「長持ちするモノは、安いときに大量に買うの。
   賞味期限も棚ごとに日付けをふってあるから管理もばっちりよ♪」
武藤
  「この階段では持ち運びが・・・・」
和恵姉さん
  「ここに小さい荷物用のエレベーターリフトがあるの。これで運んでいるわ。」
椿
  「これなら食料については心配ないですね。。。
   地下にこんな部屋があるなんて。。。」

和恵姉さん
  「その言葉を言うなら、こっちの部屋を見てからにして頂戴~♪」

 そういうと、みんなの居る後ろにつかつかと歩き出し、横にあった蛍光灯のスイッチを
 入れた。

 パチン

 突然、その後ろ全体が眩しいばかりに照らし出される。


 『 えぇーーーー!




                             -つづく-




第163話 厳戒令 6 へ
(その話はもう終わりだ)





  ※ このドラマはフィクションです。登場する内容は、実在する人物、団体等とは一切関係がありません。

    また、無断で他への転載、使用等を堅く禁じます。





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最終更新日  2020年09月15日 11時19分34秒
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