283284 ランダム
 ホーム | 日記 | プロフィール 【フォローする】 【ログイン】

■ ドラマ 永久の彼方へ

■ ドラマ 永久の彼方へ

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X
2007年03月12日
XML
カテゴリ:第二章 123 ~ 187 話
.


和恵ねえさん
  「どぉ? ここなら存分に出来るでしょ。。。」

 利江が横に掛けてあったタオルを手にし、広いスペースからゆっくりと歩いてくる和恵と
 リツコに、小走りで近寄り手渡した。

利江
  「どうぞ。。。雫
リツコ
  「ありがとう利江ちゃん♪」

椿
  「存分に・・・というより姉さんには窮屈かもしれませんが、我々にはとても過ぎる程
   広いです。」
和恵姉さん
  「湿度の関係で、畳は置けないけどね。」
武藤大介
  「あのぉ~、壁の横の鉄板は・・・何のために・・・・」
和恵姉さん
  「あれね、あれは脚力を鍛えるための台なの。。。」
椿
  「脚力の・・・?
   なんでまた壁に・・・・」

和恵姉さん
  「あれはね、こうやって使うのよ。。。」

 首を拭いていたタオルを再び利江に戻すと、
 陸上の高飛びの選手が、まるで競技を始めたスタート時のように、
 トントントンとリズミカルに奥側一番手前の鉄板に向かって助走を開始した。

 そして、
     ダッシュシュパっ  加速してジャンプ一番!

 鉄板に向かってジャンプした次には、
              バァン  と鉄の板を一蹴り! 続いて、

 ムカッバン ムカッバン ムカッバン ムカッバン ムカッバン ムカッバン ムカッバン ムカッバン ムカッバン ムカッバン
   ムカッバン ムカッバン ムカッバン ムカッバン ムカッバン ムカッバン ムカッバン ムカッバン ムカッバン ムカッバン

 と、空中で板の間をジグザクに行き来し始めたっ!

椿・武藤
  「んなっ!」びっくり

 一番奥の板からは、再び引き返しジグザグに往復しながら返ってきた。

   ムカッバン ムカッバン ムカッバン ムカッバン ムカッバン ムカッバン ムカッバン ムカッバン ムカッバン ムカッバン
 ムカッバン ムカッバン ムカッバン ムカッバン ムカッバン ムカッバン ムカッバン ムカッバン ムカッバン ムカッバン

 最初の板のところに来ると、そっと蹴って、中央付近に すっと 着地したのだった。

                        バァン   スタ。

和恵姉さん
  「こんな感じにね。
   見えるように往復したけど、使い道は分った?」

椿・武藤
  「・・・・・」びっくりびっくり

 口をあんぐりと開けたまま、目が点になっていた。

利江
  「私、見たことあります♪
   中華皇国に行ったときに、こういち君が木と木の間を使ってやってました。」

 ニコっとする和恵。

リツコ
  「私もあのぐらいの脚力を付けたいわ。」
和恵姉さん
  「往復なら出来ていたじゃないの。。。」
リツコ
  「でも、片道だけですもの・・・  奥の板でUターンがまだ・・・・」
和恵姉さん
  「リツコも鍛錬ね。
   持ち味のスピードに磨きをかけないとね。腕力では彼らに適わないみたいだから。
   組み手ならいつでも相手してあげるわ。

   椿君、武藤君、早くこの現実に慣れてね。
   いちいち驚いていると、相手にスキを作ることになるわよ。」
利江
  「ですってよ、お二人さん♪」

 声を掛けると共に、両手でそれぞれの肩を ポンムカッ と叩く利江。

椿
  「あ、あぁ・・・・」びっくり
武藤
  「・・・・・」びっくり
和恵姉さん
  「しっかりしてよ。。。
   リツコはシャワー浴びてくるといいわ♪」
リツコ
  「はい、ありがとうございます。」

 電話 トゥルトゥルトゥル  トゥルトゥルトゥル

 店内のとくさんからとみられる内線電話が、階段下で鳴り響く。

和恵姉さん
  『はい、・・・・・分ったわ。』

 ガチャ  壁掛けの電話機に受話器を置く。

  「北見刑事から、私宛に電話が入ったらしいわ。
   これからこちらに向かうってことらしいの。」
椿
  「警察サイドからの情報なら早く欲しいですね。」
和恵姉さん
  「じゃ、私は上に上がってるから、みんなは好きにしててね♪
   ここならウイルスの心配も無いでしょうから。」
椿・武藤・利江
  『はい。』


~~~
   ~~~
      ~~~


 階段の踊り場から、そ~ っとすぐ下の階を覗くゆうすけ。
 その下の階には、シルバーの防菌防護服を着た人がある部屋に大勢入っていく姿が目に
 飛び込む。

 ダッシュさっと顔を隠すゆうすけ。

ゆうすけ
  ( なんだよ、下にはうじゃうじゃいやがるな・・・・。
    にしても、病室の直ぐ下にいるのかよ・・・・ )

 再びゆっくりと覗き始める。

 部屋の前の廊下には、数人の迷彩服を着た自衛隊とみられる人達が歩いていた。
 彼らに見つからないように、シルバーの防菌防護服を着た人達が入った部屋が見える
 位置に踊り場を這って移動する。
 幸い、扉は開いたままだ。

ゆうすけ
  ( くそぅ、あと もうちょい なんだけどな・・・・ )

 懸命に壁に顔を押し当てて、ぷーあと少しを覗こうとしていたゆうすけだが、
 今度はその部屋から、同人数の迷彩服を着た自衛隊員が出てきた。

 ゆうすけは慌てて顔を下げ、踊り場の後方に両手で床を押すように這ったまま移動する。
 出てきた隊員達は、そのまま廊下を奥に向かって歩いて行った。

 廊下が一時人影が無くなり、足音のしない静寂がおとずれた。

ゆうすけ
  ( 今だっ! )

 素早く立ち上がり、階段を下りていくゆうすけ。
 そのまま彼らの出てきた部屋の前に立つと、


ゆうすけ
  ( やっぱりそうか。
    ここでは脱いだだけだ。 半ばシルバー服の更衣室ってところだな。

    まったく、殺菌消毒をせずにそのまま壁掛けか。。。
    これで決定的だ。
               早いとこみんなに知らせなきゃ! )

 と、今降りてきた階段に向かおうと振り向いた瞬間、

自衛隊員
  「こら坊主、何コソコソとしているんだ?」

 驚くゆうすけ。
 目の前に大柄な一人の迷彩服姿の自衛隊員が立っていた。

ゆうすけ
  ( しまった! )

 慌ててその自衛隊員の股間を潜り、降りてきた階段に向かって全力で走った。

自衛隊員
  「こら! 待て!」

 自衛隊員も後を追う!
 その声に何人もの自衛隊員がその場所に駆け寄ってきた。

自衛隊員
  「不審者が上に上がっていった。
   男のガキだ。」

 指差す先には、ゆうすけが階段の踊り場をクルっと回り込む姿が映る。

 それを見た大勢の自衛隊員がぞろぞろと階段を上がっていく!




                             -つづく-




第167話 厳戒令 10 へ
(おやじに言って買ってもらわなきゃ)





  ※ このドラマはフィクションです。登場する内容は、実在する人物、団体等とは一切関係がありません。

    また、無断で他への転載、使用等を堅く禁じます。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2021年11月30日 14時13分17秒
コメント(0) | コメントを書く
[第二章 123 ~ 187 話] カテゴリの最新記事


PR

カレンダー

フリーページ

カテゴリ

日記/記事の投稿

コメント新着

謎のドラマ作者@ Re:第242話 番号+1 番号振りがダブリました・・・ (^^|||
★ 謎のドラマ作者 ★@ Re:第4-490話 番号+1 番号振りがダブリました・・・ (^^|||
★ 謎のドラマ作者 ★@ 和恵よ。 和恵姉さん 「こういち! なんか言った?…

バックナンバー

2024年11月
2024年10月
2024年09月
2024年08月
2024年07月
2024年06月
2024年05月
2024年04月
2024年03月
2024年02月

お気に入りブログ

もうひとつのBMW E4… non☆☆★さん

キーワードサーチ

▼キーワード検索


© Rakuten Group, Inc.
X