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■ ドラマ 永久の彼方へ

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2007年03月30日
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カテゴリ:第二章 123 ~ 187 話
.
 一人の女性が引きづられるように店内に連れ込まれた後、何食わぬ顔でその異様な雰囲気の
 集団に向かってスタスタと近づく和恵。
 くすんだ色の格闘着を帯で結び、肩に背負いながら。
 そして、

和恵ちゃん
  「ねぇねぇおじさん達、ここでなにしてるの・・・?」

 先ほどの『鬼劉館(きりゅうかん)』での出来事で腹が立っていたにも関わらず、
 心を沈め、素朴にあっけらかんと 近くに立つ大柄の男に尋ねてみた。

大柄男
  「お嬢ちゃんには関係がない。 とっととあっちに行ってろ!」
和恵ちゃん
  「なによ、やさしく聞いたのにムカッ
   じゃ、警察で話ししてくるわ。お洋服ボロボロになった女性が多人数の男達に
   囲まれていたわよって!」

大柄男
  「この娘に見られていたぞっ! 取り押さえろっ!」

 バシっ

 素早く目の前の大柄の男の足に、ローキックを浴びせて男をその場に膝ま付かせた和恵っ!

和恵ちゃん
  「ふん、どうせ如何わしい事やってんでしょ。
   今ね、虫の居所がとぉーーーーっても悪いの!
   そっちがその気なら、憂さ晴らしの相手になってもらうから、そのつもりで
   いて頂戴!」

 『このガキーーーー!!』

 車の周り、そして店の出入口付近を隠すように立っていた十数人の黒い男の集団が、
 一斉に中学生の和恵に向かって飛び掛っていったっ!

 『ハィ、ハイハイ、ハーーイ!』  バシ バシっ  ズコーン

 襲い掛かる男達を、左足を軸に、右足ハイキック蹴りぬき、そのまま返す刀で、
 再び右足で往復するように二人目も蹴り払う。 続けざま、
 立ち足をステップして代え、左手から来る男に左脚を伸ばして蹴り倒したっ!

 見事に飛ばされた男。               彡~~~~『うぉぉぉぉぉ

 その姿を見た後続してきた男達、足取りが鈍り少しゆっくりとしたスピードで和恵に
 近づいていく。

 蹴り抜いた左脚を収め、

和恵ちゃん
  「まったく・・・・全然手ごたえがないわね。 まじめにやってるのっ?
   つま~んない。」

 それを聞いて、3人が懐から小刀(ドス)を持ち出し、鞘から抜いて和恵に飛び掛ったっ!

和恵ちゃん
  「まじめってのはそんな小道具を持ち出すことなの・・・?」

 背負っていた胴着を高く放り投げ、

 『ハーイ、ハイハイ ハイハイ ハイハイーーっ!
       パシっドスっ パシっドスっ パシっドスっ!
     ズコっ ドスドスっ ズンっ  バシバシ ボコっ
        ズゴっドスドスドス ボコボコ ガスーン ズゴーーン


 まるで子供の持つアイスを取り上げるがの如く、小刀を左手で叩いては右手で腹に、
 小刀を肘で打ち落としては、その肘から先を伸ばして裏拳で顔面を打ち抜き、
 続いて左足先で小刀を払っては一端脚を縮めて蹴りぬきと、流れるように
 瞬時に小道具を奪い、男達を倒していく和恵。

 そして落下してきた胴着をパシっムカッと掴む。



  ~
    ~


 一方の店内では、
 意識の無いまま男達にひきづられ、店内に運び込まれた女性。
 それを見て、

ホステス
  『千紗さん!』
徳江ママ
  「千紗ちゃんっ!」

白服の男
  「期限が来ても返してもらえなくてね、ちょっと痛い目に遭ってもらったのだ。」

 この後、アゴで合図を送る白服の男。
 それを見た黒服の男が、近くにあった高さが50cmはあろうという大きな花瓶に
 添えられていた花束をそこから抜き去り、 続いてそれを持ち上げて、
 フロアーの真ん中で寝転がる千紗に向かって花瓶を逆さまに向けた。

 口のところで少し広がるような形状をした花瓶から勢い良く飛び出る水。

 その水が、腫れた千紗の顔一面に滝の様に注がれ、
 たまらず首を振りながら息を吹き返した千紗。


白服の男
  「気が付いたかね。」

千紗
  「ん・・・・・」  目を重そうに開ける千紗。

 かわいそうに、相当殴られたと見えて顔中アザだらけになっている。

徳江ママ
  「千紗ちゃん、しっかりして。」
千紗
  「ママ・・・・痛っ」

 腫れた顔を手で押さえ、同時にお腹も押さえ始める千紗。


徳江ママ
  「時間が経つと、もっと痛むと思うわ。
   五月ちゃん、悪いけど濡れたタオルを下さる?」
ホステス五月
  「はい、ママ。」

 その光景を見ながら、ボス。
 片手をひっくり返して耳の横に持ち上げた。
 黒服男がその手に胸のポケットから取り出した三つ折になった一枚の白い紙を手渡す。

 紙を手にしたボス、今度は反対の手でチョキちょきを形作る。
 忙しいのは黒服の男。 すぐ様、ポケットから葉巻を取り出して片側の端をむしり取り、
 そのチョキに挟む。
 そしてライターを取り出して、口に咥えた葉巻の先に火をつけた。喫煙

 大きな煙を吐き出してボス、

白服のボス
  「ママさん、これを良く見てくれないか。
   この娘の連帯保証人が、あんたになっているもんでね。
   こちらとしたら、本人が返済出来ないのなら、保証人さんから頂くことになるので。」

 手にした一枚の紙を徳江ママの目の前で広げて見せるボス。チケット

 驚いた顔の徳江ママ、

徳江ママ
  「ちょっと見せて頂いてもよろしいでしょうか。」

 手にした借用書を、徳江ママに渡すボス。
 しっかりと隅々まで目を通すと徳江ママ、

徳江ママ
  「確かに私の実印ね・・・・。」
千紗
  「ママ、ごめんなさい・・・・
   昨年のお正月に、ママの家でみんなでお食事ご馳走になった時に・・・・」

 ホステス五月から濡れタオルを受け取ると寝転ぶ千紗の元に歩み寄り、
 しゃがみ込み込んで千紗の顔にそっと乗せながら、
 ぎゅっと厳しい目で、叱るように千紗に視線を浴びせる徳江ママ。

 大粒の涙を流しながら、徳江ママの手厚い介抱に感謝すると共に、
 心の底からうかつな行動をした自分をママにわびる千紗。

 そして起き上がり、クルッと向きを変えてボスを見る徳江ママ。そして、

徳江ママ
  「事情は分りました。
   スジが通ったお話、ならば私も筋を通しましょう。
   連帯保証人は私ですが、その額面の金額、本人から返させます。」

 口元から大きな煙を吐き出し、徳江ママの顔に浴びせる程吐き出しながら、

白服のボス
  「ほぉ。。。
   本人からねぇ・・・・」

 黒服の男が急にむっとして、千紗の横に立つ徳江ママの髪の毛を後ろから掴み、
 グィっと引っ張りながら耳元で、

黒服の男
  「聞こえてねぇーーのかっ!ムカッ
   この姉ちゃんでは返してもらえねぇから、ここにこうして出向いているんだよ!ムカッ

 髪の毛を掴まれたその手首を、ギュっと強く握って解かせた徳江ママ、
 その手を掴んだまま、

徳江ママ
  「存じております。」

 そして掴んでいた手をパッと解き放ち、

徳江ママ
  「話は最後まで聞きなさい。」

 乱れた髪の毛を指先で整えながら黒服の男をにらみつけ、そして、

徳江ママ
  「こちらのスジは、この連帯保証人であるこの私が、責任を持ってお約束致します。

   期日は3日後。
   お金は私が都合します。
   本人から利子を付けてお返し致します。

   私も今聞いた話。 たった今すぐという訳けには・・・・。
   如何でしょうか。」


 キリっとした態度で返答した徳江ママ。





                              -つづく-




第174話 命の重さ 3 ヘ
(なんで目の前に・・・)





  ※ このドラマはフィクションです。登場する内容は、実在する人物、団体等とは一切関係がありません。

    また、無断で他への転載、使用等を堅く禁じます。





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最終更新日  2022年05月27日 14時37分45秒
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