カテゴリ:第二章 123 ~ 187 話
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戦闘員 「なんだっ !? 」 3人が振り返るその先には、 利江 「えっ !? 」 道路の真ん中で巡礼者のような装いのクリクリ頭の坊主が、笑顔で利江に手を振っていた。 クリクリ頭の坊主 「いや~、迷子になっちゃったな。 ようやく見つけましたよ、利江ちゃん♪」 戦闘員 「また変なやつがシャシャリ出てきたぜ。」 利江 「ス・・・・、スンチャさん・・・?」 スンチャ( クリクリ頭の坊主 改め ) 「日本大国も争いが盛んなところなんですね。。。 なんと戦車まで持ち出すとは。。。 丁度良かった、お困りの様子。」 なんとそこに居たのは、大少林寺の修行僧の門番をやっていたスンチャだった。 戦闘員 「おらおら、そっちでちまちまと話してるんじゃねぇーよっ!」 「お前か、オレ達を邪魔したヤツは・・・・」 椿、武藤への突進を止め、スンチャに向きを変えて歩き出す3人。 スンチャ 「先程の動き・・・・ ここにもやつらが居るのか・・・・」 利江 「ここにも・・・?」 スンチャ 「話は後で。 するとおれ一人では3人相手は、ちときついぜ。」 巡礼者が手にするような、先端に鉄の輪っかをジャリジャリとぶらさげた木製の杖で アスファルトの地面を一度叩く。 ジャリン スンチャ 「おれが相手してやる。」 戦闘員 「生意気な坊主だ。お寺で拝んでればいいものを、出しゃばりやがって! 天を拝むことになるぜっ!」 歩いて向かっていた歩幅を徐々に早め、スンチャに向かって3人同時に襲いかかったっ! それを見たスンチャ、顔をこわばらせ気合を入れる。 手にした木製の棒をしっかりと握りなおし、そして構えた。 『いくぜーーーっ!』 『くらぇぇぇっ!』 『うぉーーーっ!』 トン シャリン トントン シャリシャリ 打撃にいった戦闘員、最初の一撃は手の甲を木製の棒で叩かれ、ひるんだところを 左右から木製棒の連打を浴びる。 二人目は、打ちに行った拳を同じく棒先で叩かれ、打ち抜いた拳の腕の横を身体をクルっと 回転させて懐に潜られ、続けざま肘打ちを食らってしまう。 シャリン くるっ ズゴっ★ 三人目はスンチャが肘で打ち抜いた瞬間を狙い、横からの蹴りっ! シューーー さっ スンチャはこれを屈んで避けて身体を捻り、棒の柄の先でみぞおち目掛けて打ち込んだっ! シャリン ゴスっ★ そのまま地面を蹴り、最初の一人目に飛び蹴りをお見舞いしたっ! 『ハィーーーっ!』 ズガン ゴスっ★ シャリン 流れるような動きから相手の攻撃を交わし、打ち込んだ後着地したスンチャ。 椿 「す、凄いっ!」 驚く椿をよそに、立ち上がろうとしたスンチャだったが・・・・、 スンチャ 「くっ・・・・」 シャリン そのまま片ひざをついたまましゃがみ込んでしまった。 戦闘員 「恐ろしいやつがいるもんだ。 だが、悪いな。おまえさんの攻撃はおれ達に効かないみたいだ。」 バランスを崩すなどで倒れていた他の戦闘員も立ち上がる。 スンチャ 「ここでも同じか・・・・避けるまではいいが、こちらの打撃が効かない・・・・。 それに、蹴りにいったときに横っ腹に一発くらっちまったぜ・・・・。」 『 だからピンポイントなんだよ。 』 戦闘員 『むむ・・・』 スンチャ 「なっ!」 戦闘員とスンチャが、その声の主に顔を向けた。 利江 「ゆうすけ君!」 道路の隅で離れて見ていた利江の斜め後方、 その道路の真ん中に、ゆうすけが立っていた。 ゆうすけ 「スンチャ、 棒術に頼り、打ちに行ったときの防御が出来ていなかったのが今の結果だ。 と、こういちならそう言うだろうな。。。 ひさしぶりだな。こっちに来てたのかよ。」 スンチャ 「ゆ、ゆうすけ・・・・・」 苦しそうにしゃべるスンチャ。 ゆうすけ 「やつらの攻撃を受けちまったらスンチャといえども生身の体、 そうとう堪えるだろうに・・・・ まっ、安心しろ、助けに来たぜ。」 戦闘員 「あ、あのガキっ!」 「あの時の・・・・」 「空港の時のガキだ。」 「よく見りゃあの脇にいる女のガキもそうだぜ。」 スンチャ 「な、なんだよおぃ、助けるはずが・・・・カッコ悪り・・・」 戦闘員 「今ならあの凄腕の小僧がいねぇから、やっちまうチャンスだぜっ!」 「よしっ!」 ゆうすけ 「戦闘員さん達よ、助けに来たんだがやるのはオレじゃねぇの。 まだ気が付かねぇ~のか。。。」 ズコーーン彡 彡うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ 一番後方に立っていた戦闘員が瞬く間に飛ばされてしまったっ! 『この場合、棒術は叩いて防ぐだけに止め、相手との距離を置くべきだった。 懐に入ったのなら、棒も使って相手の拳を受け流しながら 相手からの打撃を交わすことに専念すべき。 この戦闘員相手に、すぐに打ちにいってもスキを作るだけだ。 なにより、踏み込みが甘いから打撃にあと一歩の威力がないんだよ。』 利江 「こういち君っ!」 スンチャ 「こういちっ !! 」 椿・武藤 『こういち君。。。』 こういち 「ちょっと遅れちまって悪かったね。。。」 戦闘員 『こ、こ、こういちっ !!! 』 顔を仰天させて驚く戦闘員達。 ゆうすけ 「他に散乱していた戦闘員の後始末に時間を使っちまってね。 ちょいと遅刻だ。 おい、お前らのお友達、みんな片付けてきたぜ。」 戦闘員 「な、なんだとっ!」 こういち 「戦闘員の[気]があるのはここに居るあんたらだけになったってことさ。」 戦闘員 「く・・・・くそう・・・・・」 ゆうすけ 「さぁ、どうすんだ・・・・?」 悔しそうな表情をする反面、恐怖と裏表で複雑な心境の戦闘員二人。 戦闘員 「く、このまま黙って引き下がる訳にもいかねぇ。」 「二人で掛かれば・・・・」 顔を見合わせる二人。 そして意を決して襲い掛かる・・・・が、 ズボっ 彡ズゴーーーン ズガっ ドスっ 彡ズコーーーーン ゆうすけ 「やれやれ、スペック-1には最近容赦しないなぁ。。。」 最初に向かってきた戦闘員を一蹴! 続いて二人目は返す足で顔面に当て、 そのまま吹き抜けた足を戻すように その足で強烈なボディーへのミドルキックをお見舞いしていた。 こういち 「悪さしてるやつらだからね。」 利江 「こういちく~ん♪」 こういちの元に駆け足で向かう利江。 ゆうすけは屈むスンチャを、そして こういちは倒れた椿、武藤らの手を取り、立ち上がらせてあげていた。 -つづく- ( うぐぐぐうぐぐぐ。 ) ※ このドラマはフィクションです。登場する内容は、実在する人物、団体等とは一切関係がありません。 また、無断で他への転載、使用等を堅く禁じます。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2021年07月13日 16時30分25秒
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