テーマ:介護・看護・喪失(5317)
カテゴリ:ひぃばあちゃん
昨日からの続き…
ひぃばあちゃんはそれから2日ほど 自分の家で過ごした。 一日目は布団の上で 二日目は棺に入って 自宅で最期を迎えた。 まだ布団にいたときは お線香を上げるたびに ばあちゃんの顔や肩に触れて そう、ばあちゃんはこんな感じだった。 この肩もよく揉んだなぁ~ なんて思いながら… でも本当に冷たかったなぁ。 ドライアイスで冷やしているからだと思うけど 血の気のない体はこんなに冷たいんだと思った。 二日目の夕方 ばあちゃんは棺に入った。 棺に入る前に,旅支度の格好をさせてあげた。 ばあちゃんが棺に納まるときに ちょうどお客が来て,私はその対応に追われ 次にばあちゃんに会った時は すっぽりと収まっているばあちゃんだった。 その姿を見たら ああ 本当のことなんだ と… なんだか現実になってしまったねって みんな、泣いていた。 次の日、ばあちゃんは今まで住んでいた家を離れ 斎場に向かった。 その日は通夜だった。 斎場に入って,明るい部屋で見たばあちゃんの顔は 本当にきれいだった。 看護婦さん達がきれいにきれいにお化粧をして 髪の毛も整えてくれたからだそうだ。 お通夜からは あっという間に時間が流れたように思う。 私は“たっちん”がいたから 彼のおもりで手一杯で お経も聞かず,おしょうこもパッパと済ませ あっという間に,食事の時間。 そして家に帰り,お風呂に入って寝て 次の日の朝、着替えに終われ時間ギリギリに斎場。 この日は,受付の方達が“たっちん”を見てくれていたので 少しだけお経が聞けて、おしょうこができた。 そして最期のお別れのときに ばあちゃんのおでこを撫でて 「冷たいね~」って,話しかけたら 涙があふれてきたけど すぐに出棺だからと “たっちん”の荷物を控え室から運び出したり 車の準備をしたりなどしていて… ばあちゃんが車に乗り込むところを慌ただしく見 その車に追いて行かれないように必死に運転をし 火葬場に着いたら、“たっちん”が寝ているので そのままで寝かせている準備をしていたら 「もう、皆さんお揃いです」と催促され みんなが並んでいるところに走って入り あれよあれよという間に ばあちゃんはお釜に入って行った。 その後は控え室で待つのだが 私は弟と車の中で寝ている“たっちん”を見ながら ばあちゃんの煙を見ていた。 弟が 「亡くなるとは思っていなかった…」 と、肩を落としながら 空に登っていく煙を見続けていた。 私は和尚さんの言葉が 頭の中をぐるぐる回っていた。 「姿,形は消えてしまったけど みんなのそばにいつもいますからね」 本当にそうなのかな。 だったら,いるんだよという気配を感じさせてほしい 千の風の歌詞も頭に浮かんだ。 あの歌詞を理解できるのは 相当時間が費やさないと無理だと思った。 そんなことを思っていたら 「お骨を拾いにきてください」と呼ばれ ばあちゃんの骨を見て わぁ~太い! 母も「ばあちゃんは骨太だと思っていたけど…」 なんて言葉を聞いたと思ったら とっとと骨を拾ってくれと催促され 拾ったら車に乗ってくれと言われ なんだか、とっても慌ただしく また斎場に戻ってきた。 戻ってきたら,すぐに食事 初七日の供養 などなど あっという間に時間が過ぎ 来ていただいた皆さんを送って 家に帰ってきて 一息ついた。 もうそのときは,ヘトヘトで それからのことは覚えていない。 泣いている暇なんて,これっぽっちもなかった… ただ覚えているのは 「お葬式は忙しい。体力勝負だね。 最期をきれいに送ってあげたいと思っても すごく短い時間で決めていかなくちゃいけないから 大変だったね。でもやるべきことはやったよね」 なんてみんなで話したことだ。 本当にお葬式は息をつく暇がない。 流されるままに式は進むし あっという間に骨になっているし…。 よく「自分の最期はどうしたいか決めておきましょう」なんて聞くけど そのほうが,残された人たちにはありがたいのかもしれないなぁ~なんて この何日間のことが ぐるぐる頭に回りながら 考えてしまった。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2008年01月27日 23時25分37秒
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