フルサワ君がホームステイ
昨年まで愛してやまなかった我が初恋の人フルサワ君(バイオリン)。 この楽器にはずいぶん思い入れもあり、またかなりの投資もした。 喜怒哀楽、すべてを知ってくれている大切な宝物だが… この度フルサワ君はわが家の押し入れから転出し、信頼のおける、また私以上にフルサワ君を愛してくれるであろうとあるお方の家にとりあえず無期限でホームステイでかわいがってもらうことになった。 昨日せめてお手入れとチューニングぐらいしてお渡ししなければと、久し振りにケースを開けた。小さい!なんて小さくて軽いんだろう! この3ヶ月、マッチョのヨーヨーマンとのみのお付き合いでバイオリンがこんなに軽くて繊細ではかなげなものだったんだと改めて認識した。 そして私のようないい加減でおおざっぱな人間はやっぱりフルサワに乗り換えて本当に正解だったと思った。(ごめんよフルサワ君、けっきょく振られてしまったのは私の方だから強がりなんだよ~それにこんなに小さかったんだから持ち運びも楽だったなあってちょっぴり嫉妬混じりの後悔) でもまあ気が多い私。今はフルサワ君にはすでに眼中無いぞ! もちろん、チェロだって弦楽器の大御所、繊細さが必要なことには違いない。 新しい仮のご主人のところで思う存分その美声を響かせて頂く事が本望だし、それを願う。 音楽を心から愛している人って楽器に深く愛着を持ってる事は勿論だけど、信頼出来る人に貸したり譲ったりすることには実に寛大になれるんだって事を身を持って知った。 現に私のヨーヨーマン(チェロ)もかなり高額な楽器なのにこちらは無料で頂いてしまったんだから。 私もその寛大さとご親切をどなたかに還元したいと思っていた。 今朝しばしの別れに悪夢のバッハ、ドッペルコンチェルトののヒトフシを弾いて…さらばフルサワ君。 いつでも戻っておいで。うちの押し入れに。 あご当ての茶色い方がフルサワ君。 黒い方はタカタ君。