ガジュアルフレンチのお店にて。
『このヒトは、
どうして私なんかと
居てくれているんだろう…』
目の前に座っている彼を見ながらボンヤリ考える。
少しの緊張をグラスの水と一緒に飲み込んだ。
『ありがとね。
久しぶりだよね、2人で食事なんてさ…』
常に仕事で忙しい彼。
【完全週休二日制】なんてのは言葉だけで、
実際には、盆暮れの休暇すら返上になる事が多い。
今年のGWは珍しく今日から一週間丸々お休みが取れた。
子ども達は学校なので、
朝から2人きり。
洗濯物を畳んでいると
遅く起きてきた彼は言った。
『昼でも食べに行こうか。』
子ども達が生まれてから2人きりで外食をしたのは
去年の結婚記念日が初めて。
なんでもない日に
ランチデートなんて今回が初めてだ。
バカみたいだけど、
もう片思いのヒトからデートに誘ってもらったかの様に
嬉しいを通り越してドキドキした(^^;
いつもなら、
子ども達と一緒に気兼ねなくくつろげる
ファミレスや、奮発して焼肉だったりするけど
せっかくだからフレンチを食べることになった。
いつもは友だちとバカ話をしながら食事をする店。
肩肘張らずにサクサク食べられる店なんだけど…
このシチュエーションは…
だめだ、緊張する(苦笑☆)
ただもう、
目の前で来慣れない店内をキョロキョロと
眺めている彼を見ているだけで幸せで頬がゆるんだ。
『ねぇ、どうしてランチに誘ってくれたの?』
私の言葉に
『ん?せっかくの休みだからさ~』
ごくごく自然に彼が答えた。
私は、あなたの【せっかくの休み】を費やしてもらえる程、
何かしてあげられてるかなぁ…。
キット、私が貰ってる幸せ程、
私はあなたに何かをあげられてないと思う。
この大切な時間を守れる様に、
私はもっと成長する様にするね。
私はキット、
あなたに出会う為に生まれてきたんだ。
ホントに、そう思うよ…。
そして、子ども達。
キミ達にもキット、
出会わなければならないヒトが待っているから…
辛いことがあっても
前を向いて進むんだぞ。
キミ達と寄り添って生きて行ってくれる
大切なヒト。
そのヒトに出会うまでは、
何があっても諦めるな。
それまでの苦難は、
必ずキミ達をステキなヒトに成長させる。
いつか、キミ達のチカラとなって
助けてくれる時が来るからね。
キミ達と、キミ達の大切なヒトを…。
『どうしてあなたは私と一緒に居てくれるの?』
『一緒に居るのは当たり前だよ。
ずっと一緒に居るって、決めたんだから。』