埋もれ火のアンソロジー

夢をみた。

昼間忘れていたのに

今、あいだとチャットしていたら

急に思い出して

忘れそうなかすかな夢だったので

あいだに夢を書きたいって言ってきた。



山田課長の夢。

俺が営業マンになって

セールスのノウハウを教えてくれた人。

久住の山登りに連れて行ってくれた人。

恩人だな！



海辺だった。

山田課長は奥さんと一緒だった。

山田課長は昔と変わらず若かった。

（俺より５才年上だから還暦だ）



コ「山田さん、白髪少ないですね」

山「な～んばいいよっとか～。染めとるったい～」

コ「いや～なんか雰囲気が若いですよ」

山「おまえは少し太ったか？」

コ「少しじゃありませんよ～」



俺は、山田課長に再会できたことだけですごく嬉しかった。

課長と俺の会話を

ビーチチェアのような椅子にすわった奥さんが

楽しそうに微笑んで見ていた。



コ「ビンちゃんと時々会ってるんですよ」

山「今もか？」

コ「はい！ほとんどメールですが」

山「おまえもしつこいなあ～～～」

コ「変な付き合いじゃありませんよ」

山「ビン助は元気なの？」

コ「はい。元気ですが、いろいろあります・・・」

山「お前、深入りするなよ」

コ「ぼくらはともだちですから・・・」

山「・・・・・」



奥「コックンさんはいい人なんですね～」

コ「めちゃいい人です！」

山「（苦笑い）」





コ「娘さんは・・・もう結婚されたんでしょ？」

山「うん。お前、娘、知ってると？」

コ「ぼくが山田さんの家に遊びにいってたとき娘さんが生まれたという知らせがきて、山田さん、お酒が飲みたいって言いましたよ・・・」

山「ホントか～！よ～おぼえとるな～」

コ「こどもの親になるってのを実感しましたもん」

山「お前は、こどもは？」

コ「息子が３人です。ふたり結婚して孫がひとりいます」

山「ホントか～！？」

コ「はい・・・」



奥さんに何か話しかけたかったが

何も話せないままだった・・・・・



実際、山田課長の奥さんとは会ったことがない。

写真で見せてもらったきれいな女性だった。



山田課長は鹿児島大学で

奥さんは長崎大学だったような記憶がある・・・

山で出会ったと話を聞いて

山田課長が山が好きだということを知ったんだ・・・




山田課長に会いたい！

あの頃、２３、２４才だった頃の

お礼が言いたい！


海が

夏ではなく

冬でもなく

季節感がない薄い青さだった・・・




山田課長が好きだった歌というか

三菱シグマに乗ったときは

必ずこの歌を聴かされた・・

道化師のソネット

俺が

「さだまさしは勘弁してくださいよ～」

と、熊本城のあたりで勇気を出して言ったら

「お前はわがままだな～。じゃあこれはどうだ？」

と言って出てきたのがシモンズだった。

恋人もいないのに

ふたりで

♪こ～いびとも　いなああいのに～～～♪

と、車の中で大声で歌いあったことも思い出だなあ～

で、

ある日

俺が自慢のカセットに斉藤哲夫を録音して聴かせたら

もう春です

山「なんだ！この貧乏くさい歌は？」

と言ってカセットを止められたのも思い出だ。



まだ思い出はあるが

いつか「山田課長の思い出」として

まとめようと思う。

なんだか椿山課長の七日間みたいだな・・・