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カテゴリ:本の感想 作家別-は行
王様のブランチで紹介されていた”育メン”物語
弟夫婦の交通事故と病気のため 生後2ケ月の姪「なずな」の世話をしなければならなくなった 40代の独身男性の日々 ミルクの温度の確かめ、ゲップをさせて おしめを変え、便の変化で健康状態や 成長の様子を知る 細かな子育ての描写が続きます。 気楽な独身生活から 赤ん坊を預かったことによって 行動半径が限られていく一方で 「なずな」を中心とした人とのつながりが どんどんと深まっていき これまで想像したことのなかった世界が 広がっていく様子が愛情一杯に描写されていました。 主人公の地方紙(タウン誌)の記者という職業にからめて 「なずな」と一緒にいることで 人と知り合うきっかけや その地域が育んできたささやかな社交の場の なりたちに触れていくのもとても面白かったです。 人が生を受け育っていくということは おおくのの手を必要とする一方で おおくのの情愛を産み出している 引用 なずなは、生後3ヶ月を過ぎた赤ん坊である。女の子である。 この二つの条件を満たす存在は数限りなくあるのに、 なずなは、なずなでしかない。 せりでもはこべらでもなく、ナズナでしかない ― 254ページ 頬を寄せるなんて、人間にとっては最高の贅沢ではないか。 向き合う努力と苦しみを乗り越え真剣に密着して、 同じ方向をながめることのできるたったひとつの姿勢 ― 323ページ 1月25日読了
生後2ヶ月の女の子と過ごすイクメン小説! 「世界の中心は、いま、《美津保》のベビーカーで眠るなずなの中にある」--ひょんなことから授かった生後2ヶ月の「なずな」。かけがえのない人々と、二度と戻らない日々を描く待望の長編小説。 【内容情報】(「BOOK」データベースより) 私は守っているのではなく、守られているのだ、この子に。なずなに。かけがえのない日々とかけがえのない人々を描く待望の長編“保育”小説。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2012.05.31 23:52:07
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