『タイに渡った鑑識捜査官』
凄い日本人がいるもんです。 『タイに渡った鑑識捜査官』 戸島国雄, 並木書房, 1,680円(税込)チョムプーさんのブログで知ってすぐに買ってあったのですが、ようやく昨日の休みに読みました。警視庁で鑑識36年の著者がJICAのシニアボランティアで鑑識技術の伝授のためにタイの警察へ赴任した経験を綴った本です。でもタイへ渡ってただレクチャーをしただけではないところが著者の凄いところ。「タイ人に教えてやるという考えは捨てて、タイ人と同じ目線で、 一緒に仕事と勉強をしようと決め」、自ら「積極的に事件現場に出動」したのです。とても映像化できない描写がほぼ全編に渡って続き、著者自身も命の危険に何度も遭遇します。それでもひるむことなく任務に当たる姿に、控えめな描写の文章からでも日本で修羅場をくぐり抜けてきた貫録をひしひしと感じさせます。タイ好きの方なら覚えているであろうあの事件もあの事件も、ここ数年のほぼ全ての大事件で、この方が影で解決に活躍していたことに感嘆するしかありません。クライマックスは後半の、インド洋大津波。並みの精神力では無理な状況下で若手警察官を率いて効率的に任務を行います。もう一気に読破してしまいました!読後にはタイ警察へのイメージがかなり変わりました。有能な方が多数活躍していることが分かり信頼度UPです。それと、ソムタム・プー(生のカニ入りソムタム)はとても危険な食べ物だということも改めて認識させてくれました。今後も絶対に食べないようにします。なぜって?それはぜひこの本を読んでご自身で確認してください(笑)心からオススメの一冊です!