「光の雨」
冬季オリンピックの話をしていたら、D社のU嬢が、「札幌でオリンピック?そんなのあったんですかっ」と言った(≧∇≦)あったんだよっ、1972年に!!!札幌オリンピック、初めて知った・・・って?そう、長野オリンピックが中三の時、なのっ?ふ~ん(=_=)私は、冬季オリンピック→札幌オリンピックと連想してしまう世代。はいはい、どーせおじさんですよっ。札幌オリンピックだけならともかく、すぐ後に起きた、「あさま山荘事件」までセットで思い出してしまう。テレビは連日、この事件を中継していたし、私も世間の事に目を向けるようになった年頃でもあったから、この頃のことはよく覚えている。事件のあった1972年・・・石油ショックもまだだったし、高度成長は果てしなく続くという幻想がまだ支配していた。為替レートは固定相場制で、1ドル=360円(前年12月に308円になったところ)だった。年表ふうに整理すると・・・2月2日残留日本兵、横井庄一さんが日本に帰還2月3日札幌オリンピック開幕2月19日連合赤軍によるあさま山荘事件、2月28日に全員逮捕3月15日山陽新幹線・新大阪駅-岡山駅間開業5月13日大阪・千日デパート火災5月15日沖縄が日本に返還され、「沖縄県」となる・・・昭和史に残る出来事が、怒涛のように続いた。そして、一番印象的で不可解な事件・・・それがあさま山荘事件後に発覚した、連合赤軍によるリンチ殺人、「山岳ベース事件」だった。当時のニュース映像も、それを見た時の不快な気持ちまでも思い出してしまう。この事件を映画化したのが、「光の雨」(2001年公開)さて、この映画をどう評価すればいいだろう?娯楽性はもちろん、教訓さえも読み取れない。救いのない無力感、閉塞感にさいなまれてしまう。ただ、時代を共有した映画人たるもの、この事件を撮らずに素通りするわけにはいかないだろう、“今”の時代を考えると、原作を離れ、劇中劇という手法で緩和するしかないだろう、そして、この事件はつまるところ何だったんだろう?・・・そんな作り手の「思い」や「問いかけ」が、ビシビシと私の心に伝わってくる。・・・だから、少なくとも私にとってはいい映画なのかな?たぶん低予算(失礼!)なのに、頑張ってるな~、ってとこもよい(笑)役者陣では、裕木奈江、山本太郎、ナレーションも務める池内万作がいい。ラスト近くの、殺された青年たちに「光の雨」が降り注ぐシーンが儚げで美しい。一人ずつ消えて行くのは、(低予算で)どうやって撮ったんだろう・・・。追い詰められた犯人たちが、あさま山荘に立てこもるところで物語は終わる。その後のことは、『突入せよ!あさま山荘事件』という映画で描かれているのだが、こっちの映画は・・・原作を読めば済むのではないかと思う。・・・犯人の最年少は16歳。私の息子も来月、16歳になる。・・・君は銃の代わりにギターを持ってればいいんだよ!心には、危ないイデオロギーの代わりに花を持ってね。January 29, 2010 0:55:44 PM