奇妙な結婚式!
息子の風邪が引き初めから2週間を超えても良くなりません。週初に、家内の弟の結婚式に一緒に参加したのですが、その時が最悪で、咳が止まらなくて、声がまったく出ない状態でした。喋っているつもりでも息が漏れているだけみたいで会話が成り立ちませんでした。息子にとっては折角の初結婚式だったのに残念なことでした。式が終わってホテルに帰ってからも結局、寝ているしかなく、どこにも行けませんでした。夕食はホテル内の料亭で済まし、といっても息子は鰻重を平らげたのですが、翌日も駅周辺でお土産を買っただけで、結局、予約した新幹線の時間を繰り上げて帰ってきました。ただ、ホテルでじっくり寝込んだお陰か、はたまた鰻重のお陰か、東京駅が近づいた辺りから声が出始めて家に着く頃には少しばかり調子が戻ったようでした。家内の両親と家内の妹夫婦を交えての我が家での打ち上げ会は、森進一のような声の息子も積極的に会話に加わり、大いに盛り上がりました。これで息子も叔父の結婚式をやっと祝えたようでした。結婚式の打ち上げというのも少々変なのですが、実は、今回の義弟の結婚式は少々変わっていて、シナリオライターの義弟が格式高い先方の親族に認められていない様子がありありで、といっても恋愛が新婦の片想いから始まったということもあって、先方にとっても微妙な雰囲気だったのだと思います。披露宴は先方の格式高いスケジュール一色で埋められており、当方は完全なアウェイ状態でした。実際、出席者も先方の本拠地とあって、先方が10なら当方は1と先方の格式高い結婚式に当方が乗り込む形になり、司会の方に披露宴のスケジュールを事前に聞き出していたのですが、それによるとまずは先方サイドからの来賓の挨拶、次に当方サイドからの乾杯の発声、あとは途中、友人インタビューや新郎新婦のスライドショーなどはあるものの宴会芸などはまったく無しで、最後に新婦の両親への感謝の手紙に新郎の父からのお礼の挨拶で締められているという真面目一色なものでした。どうやら、式の進行は先方の父親が一方的に決めたもののようでした。実際、始まってみると、新婦の父親の上司である偉~い会長さんの長~い挨拶も新婦と自分達の会のことばかり褒め称えて、新郎についてはシナリオライターという横文字の職業については私はよくわからないのでの一言で済ませられてしまいました。私が結婚式に出て頭に来たのも初めてのことでした。私は乾杯の発声を頼まれていたので、乾杯の発声は普通は1分以内で済ますのが常識ですが、長くなりますのでグラスを置いていただき、足腰に自信のない方はお座りくださいとまず断っておいて、義弟のことをいろいろと褒め称えると共に新婦のことも思いっきり誉め殺しにしました。10分近い来賓並みの挨拶の後やっと乾杯に移ったのですが、先方の母方の多くの関係者からもとても良かったと何人もの方々に握手を求められました。これは私たちの感触なのですが、新婦の母方の親戚筋は父親のことを余り良くは思っていない様子で、当方はアウェイであるにもかかわらず、サポーター数ではかなり相手方に迫っていたような気がしました。実は、最後の義弟の父親の挨拶のところに、私たちは先方にも内緒でニャッとするようなイベントを仕組んであり、これがまた上手くハマり、披露宴はやんやの喝采で幕を閉じたのでした。先方の父親は呆然とし、その上司である主賓の偉~い会長さんは不機嫌そうな顔をしていたのが、不謹慎ながら痛快でした。弟は苦労するかもしれませんが、新婦が惚れてそれに応えての結婚ですし、しかも8年も遠距離恋愛を続けた後のことですし、お互いよくよく考えてのことでしょうから、それに新婦の両親とは離れて暮らすので幸せにやっていけるのではないかと思っております。私自身の小ささ故に、結婚式早々に影の部分を垣間見てしまったような気がするのですが、それを覆い隠すように昨日は季節外れの雪が降りました。