日本人は水と平和は無料だと思っている
良く聞くセリフだがファンキーという男にはこの言葉が本当に良く似合う
そしてこの男は育ちが泣けるほど貧しい。どのくらい貧しいかというと
彼が食ったスイカの後に赤い部分はまったくない。というか緑の部分も侵食しているくらいだから相当のものだ

2日目の昼食時、とんかつとカレーの店キャロットにて

カレーという食べ物の性質上水の存在はかかせない
しかし彼にとってはもうそれ以前の問題だった
オーダー前に出された水を一気に飲み干すとそのまま3回連続おかわり
はっきりいってはずかしくてたまらなかった
店の人も笑っている・・・

最終日の昼食、別府駅内のロッテリアにて

湯の町別府に行くことは最初から決まっていた
最終日朝の時点で彼の自己申告所持金は1500円弱
レンタカーのガソリン代を払うのにそれを使えばおしまいだが
本人たっての希望で行くだけ行くことにした
昼飯を食おうとしたら彼はこころなしか涙目でボクらから離れていった
「金が無いからどっかで時間つぶしてくる」

こいつはこういうやつなのだ

この状況でだれが
「あ、そー？なんか悪いね。じゃあ終わったら連絡するわーｗ」
とかいうだろうか？
ボクはまんまと彼に3000円を貸すことになってしまった

あとでわかったことだが朝の時点ですでに彼は800円ほどしかもっていなかったらしい
ガソリン代もねーやんけ！

話は戻ってロッテリア

計算どおり金を手に入れた彼に店員が聞く？
「メニューはお決まりでしょうか？」
「え～と○○バーガーと・・・それと水下さい」
「え・・水・・・ですか？」
おそらくこの店で水を頼んだ男はこいつがはじめてだろう
店員はかなり動転していた
スマイル下さいというバカはいても水下さいという恥知らずは日本にいないのだ

たしかに今の日本で水と平和は無料といっても過言ではないかもしれない
しかし、しかしである
「恥の文化」を背負う日本人として忘れてはいけないものがあるはずだとおれは思うぞ

続く