逃避行は使いよう
精神は現世を超えたものだから現世的なもの以上になれない、人間の言葉なんかで対話はできない自殺とか、腹痛とか、心痛とか、無気力とか、そういう行為だけが、精神と私が対話できる唯一の手段なのだ。人生を脱落しようが、優勝しようが、果たしてその人が脱落したのか、優勝したのか、身体や魂に特徴としてあらわれるわけでもなく、それは、言葉のある現世でのみ有効な上、他者に説明しなければわからない程度の存在だ。いつか痛みを消せるって糸口はつかんでいて痛みを痛みと思わないで済めたらこの世から痛みはなくなるけどそれは人生最後の最後で十分かもしれないというよりも、そもそも痛みがなくなるときを最期と言うのかもしれないけど、晩年はずっと、病院ではなく、超越的な存在が処方してくれる麻酔がきいていればいいな。この狭苦しい人間の着ぐるみは、するっと簡単に脱げればいいな、そうなるべきだ。