ロスアンジェルス親子日記 ~ 筆記体とカリフォルニア統一テスト
今朝も6時に起床。今日は少し早く子供達を起こしました。昨日長女に出された宿題をまだやっていなかったので、登校する前にやっておかなければなりません。7時半までに朝食をすませ、宿題を仕上げるように長女に言いました。今日の宿題は、AとBの大文字小文字の筆記体、そしてA、Bから始まる単語を練習するプリントです。現在、日本の中学校の英語の授業では、この筆記体は教えないことになっているそうです。筆記体が書けなくても別に英語の能力とは全く関係ないですが、文章を書いたり単語の練習をしたりするのに、ブロック体だけでは、スピードも遅く能率が悪いような気がします。最近の小学校では、カタカナは学校では教えず読めれば言いそうでが、いろいろなものが省略されてきているのですね。その筆記体も、初めて練習するものにとっては、やはり難しいと思いますが、漢字よりは簡単ですから、練習さえすれば何とかなるでしょう。私が筆記体を練習したのが、思い起こせば、小学校4年生の時。近所の個人英語教室で習っていた時に教えてもらいました。(私も小さい頃から英語を習っていたんです。この話はまた次回)この筆記体をかけるというのは、一種の優越感を得るもので、あのクルクル文字を書ける!という自信はついつい友達に自慢したくなってしまったのを今でも覚えています。え?自慢したかって?私は、控えめに言ってもしとやかな方ではないので、自慢していた嫌なやつでした(今思うと穴があったら入りたい)。ともあれ、この筆記体はこちらの学校では、3年生で書けるようにするようです。今日も、特に変わったこともなく過ごしたので、今日はこちらの教育について書いてみたいと思います。先日、TimとRose Marieが来た時に、カリフォルニアの学校で行われている統一テストの記事ののった新聞を持ってきてくれました。アメリカでは、州ごとに公立の小学校2年生から高校2年生までの生徒に、算数と英語の学力を測るためのテストを行っています。ちなみにカリフォルニアでは、California Achievement TestとCalifornia Standards Testがあります。ともに英語と算数の学力を測るために行われ、その結果は、地域の学校ごとに点数で表されます。例えば、たとえば○○市○○小学校は算数が70点、○○市○○小学校は60点というように100点満点で公立学校の点数が詳しく集計され、新聞などの公共メディアで発表されます。もちろん個人の点数も各家庭に通知されます。しかも、平均50点を上まっている比率まで出されます。この集計は学校ごとの平均点ですので、平均50点以上をどのぐらいの比率の生徒がとっているかも示されているのです。この点数によって、そこで教える先生に対して、どのようなアドバイスをしたら良いか、また特別なチューターを学校に派遣したり、その学区内で満足できない成績優秀者は他の学校に通うことを許可したりと、いろいろな対策が出されているそうですが、どれもうまくいっていないようです。また、カリフォルニアでは、英語が第1言語でない人も多く、ヒスパニック系の中南米からの移民は、英語がわからないために、英語の問題も解けないということも起こり得るのです。また、そんな学区に住んでいる世帯収入によっても、得点が違ってきます。これも、英語を必要としない職業は自ずと賃金が安く、またそのために、住める場所も限定されてしまうことも原因です。これらのテストはいろいろと問題も多いらしく(何を導入しても問題は起こりますよね)、「こんなテストだけで、自分の子どもの能力は測れない」と嘆いている親がいるのも事実です。このようなテスト対策のために、本屋さんでは、Test Prep(テスト対策)という問題集やワークブックが学年ごとに売られています。基本的な問題ばかりなので、それほど難しくひねってあるものではありませんが、多くの生徒が高得点を取れるよう、生徒の質、教育の質を上げていくのは、どの国でも悩みの種なのでしょう。このような問題が、毎年同じような傾向で出題されると、それを受ける生徒もその傾向に慣れてきてしまうため、何年かおきに新しいものに改定して行くのだそうです。これらがざっと読んだ新聞の内容ですが、もしこの統一テストを、東京都が行ったらどうでしょうか?地域ごと、学校ごと、学年ごと、生徒ごとに細かく数字で学力が出されるわけです。そういえば、高校入学の時に、学校内の内申点というのがありましたが、優秀な生徒が集まる中学校ほど校内での内申点を上げるのは苦労することを思い出しました。私が思うには、各都道府県で、このような統一テストがなくても、暗黙の了解のうちに、それぞれの地域の学力というのはだいたいわかっているのかもしれません。でも、その地域差による学力の差への対策は積極的に成されているというのは聞いた事がないです。確かに学校だけに頼っているのはなんとなく心配ですね。どの国にいようと、自分で勉強するしかないのでしょう。ちなみにカリフォルニアですが、ロスアンジェルス一帯で、最も点数の高かったスクール(小学校)は92点。最低は9点でした。私の知り合いは、このテストの点数の一番高い学校群を選んで引越しをしたそうです。カリフォルニアのような統一テストが日本にもあったら、得点の低い地域にすんでいる人は、なんとなく肩身が狭くなってしまいそうです。最も、このテストは、その学年での現時点での教育の内容を見直すには優れているかもしれませんが・・・。