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2008年05月02日
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カテゴリ:日記
当時、共通の友人たちはみんな、彼女の同居男性をひどく嫌っていた。大晦日の夜、友人が彼を嫌っていることを知っている彼女は、同じビルの友人たちで開く、恒例のニューイヤーズパーティに突然一人で現れたという。そしてみんなが12時少し前にカウントダウンにセントラルパークに移動する前に、「その瞬間は自分の愛する彼と過ごしたい」と言って、部屋に戻って行ったらしい。それを聴いたとき、私は裏切られたような気持ちがした。彼女はDVで彼を訴えることや、彼と別れることなど決してないのではないかと思った。翌1月になってすぐ、彼女から映画に誘われた。彼女と外で映画を見るのは初めての体験だったが、その映画の間、彼女はぜんそく持ちのようにひどく咳き込んでいた。そして2-3度、ホールに出ていっては戻ってきた。私はその日は仕事がたまっていたのでお茶だけして帰るつもりだったが、彼女は食事に行こうといって、高そうなレストランに入り、ワインをまたカラフェで注文するのだった。彼女はまるで生活に余裕のあるようなクレジットカードの使い方だった。私は仕事があるので早々に帰るというのに、彼女は自分の友人だという同郷の白人男性を携帯電話で呼び出し、私に紹介したいと言うのだった。私は彼女のDVのことをどうなったのか聴きたかったが、彼女はその話題を極力避けているようにも見えた。「DVはまだあるのか」と聴いても、とんでもないと笑うだけだった。

共通の友人たちはみな、彼女の同居男性は生活費を負担しており、借金のある相手だから、別れるのは簡単には行かないだろうと言っていた。では、なぜ彼女は自分の生活を立て直そうとしないのだろう。不思議に思って彼女に聴くと、長くテンプの仕事も休んでおり、5年以上もブランクがあるので、それを面接で指摘されるから仕事が決まらないという。コンピューターも使えるし、タイプも速いから、やろうと思えば何でもできるはずなのに、一定水準の銀行やマスコミで働いてきた彼女は低賃金の仕事をしてまで働く気はないようだった。その頃、共通の友人に、彼女が静脈血栓の持病があって治療を受けていることを聞いた。彼女は医療保険に入っていて、医療費はカバーされているが、タバコは症状を悪化させるので絶対に吸うべきではないということだった。もちろん過度のアルコール摂取も良くないはずだった。その友人は彼女と20年来の付き合いがあり、彼女がスペインの旅先で血栓の最初の発作を起こしてSOSを送ってきたとき、わざわざ飛行機に乗ってスペインまで行って看病までした人だった。その人までが彼女には匙を投げたと断言していた。彼女は自分で自分を立ち直らせようという気力がなく、回りの友人たちの忠告も聞かず、アル中でDVの男とずるずると深みにはまっていくだけだ、約束は忘れるし、嘘はつく、信頼関係はもう築けない。彼女があの男と別れるまで、もう会う気はない、とその人は言った。彼女は実際、あれほどたくさんいた貴重な友人をなしくずしに失っているようだった。40歳の誕生日パーティに現れた50人以上もの人々は今、どこに行ってしまったのか。一人、また一人と交際を絶つ人がほとんどだったようだ。そんな中、彼女はときたま一言ジョークのチェーンメールのようなものを私に送ってくるのだった。そのメールの宛先アドレスの数はざっと見積もって30はあっただろう。私もDVのことを聴いて以来、彼女のアパートに行くのがいやだった。あの男性がベッドで寝そべっている部屋で、全く何の問題もないかのように彼の目の前で彼女と話すのはもういやだった。そして彼が話に加わった時の、彼女の凍り付いたような笑顔も見たくなかった。





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最終更新日  2008年05月02日 22時08分33秒
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