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2008年05月02日
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カテゴリ:日記
2007年4月に、例の米人映画監督がニューヨークで新作の公開をやることになり、彼女と一緒に行く約束をしていた。当日の数日前からメールのやりとりで約束を確認し、当日の朝、彼女に電話して彼女の住むビルのフロントで夜7時に待ち合わせをしようと留守電にメッセージを残した。彼女の部屋まで上がって同居男性に会いたくなかったのだ。それから午後5時近くになって彼女からキャンセルのメールがきた。急にテンプの仕事が入り、それが翌朝早朝からなので、今夜はつきあえないという。彼女が仕事を探していたとは知らなかったが、それは良かったと、とにかくその夜は一人で行くことにした。その後、彼女から謝りのメールが来た。同年8月になって、彼女から「彼が緊急入院して今、一人で住んでいる。あなたの仕事が忙しいのは分かっているが会いたい。今日でもあなたの家の近くのパークを夕方一緒に歩いてみたい」、というメールが来た。今日は仕事があって午後5時からしか暇にならないと答えると、それじゃあ5時に行くというメールが折り返し来た。しかし5時になっても6時になっても、彼女は現れなかった。単なるきまぐれだったのかと思い、「なぜ来なかったの?」というメールを送らずにいると、彼女の方から数日後、「なぜ連絡してこないの? こういう風に連絡をとらないまま友情を終わらせる気なの?」という怒り口調のメールが届いた。「あの日、来るというから待ってたのに、現れなかったのはあなたの方でしょう」と返信を送ると、「オーケー」という意味不明の一言の返事が来た。その時私は「何かイベントがあったら連絡するから」と返信しておいた。今、思うと、彼女は鬱とアルコールで、もうまともに時間通りにどこかに現れたり、約束を守ったりすることが不可能なほど記憶が薄れていたのではないかと思う。その後、彼女からはときおり例のチェーンメールが届くくらいで、実際に会うことはなかった。共通の友人からは、彼女の同居男性がアル中からか病気のせいか全く働かなくなり、ふたりは収入の道が全く途絶えて生活保護を受けているらしい、という話が伝わってきた。長くいた中国人女性のルームメイトもとうに出ていき、新しいルームメイトを捜しているという。その後、新しいルームメイトに20代の日本人女性を見つけ、なんと月$1500ドルもの家賃をまるごと彼女にチャージしているという話も伝わってきた。

今年になり、2月に彼女から突然、封筒が届いた。開けてみると「日本の写真家」というタイトルのCDが入っていて、「あなたが興味があるかもしれないと思って」というカードが添えられてあった。「アイミスユー、あなたに会いたい」とも書いてあった。その時、私は彼女に連絡してみようか、と思いつつ、久々の日本行きが迫っていたことや、仕事に追われたこともあって連絡をとらないままだった。彼女が私に電話してくるのではないかとも思い、それを待っていたような気がする。しかし、彼女からは何のメールも電話も来ないままだった。私が日本に戻る直前、共通の友人から、彼女がルームメイトからの家賃収入を自分と同居男性の生活費に使い果たし、家賃を三ヶ月もためて大家に退去命令を受けたらしい、という話が伝わってきた。それでも、その友人も私も、彼女がいずれは立ち直るのではないかとまだ思っていた。今までも彼女はギリギリのところで踏ん張ってサバイブして来たからだ。いずれはあの男を追い出して、元の彼女に戻り、仕事をしたり、ダンスのクラスを受けたりし始めるだろう。すべてはあの男がそばにいることで始まったことだし、私たちはそう話していた。そして私は日本に戻り、3月の終わりに戻ってきた。戻るやいなや大量の翻訳の仕事を受け、ほぼ一ヶ月間、缶詰のように毎日部屋にこもりきりになった。





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最終更新日  2008年05月02日 22時20分28秒
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