3月も終わりで
そろそろ焦ってきました。新作の方はカバーデザインもできあがり、あとは内容だけで、初校の校正を待っているところです。旧作の方は、そろそろ販売も終わりではないかという気がしています。最近の初刊のサイクルは3ヶ月から半年だそうで、半年もたって売れないものは、売れない物と決定して返品され、在庫過剰を避けるために裁断処分を待つばかりだとか。自分としては当初の目的の全国50カ所以上の図書館所蔵はもう到達しているので、売り上げの方はそれほど気にしてません。無名人の海外生活記録だし、元々、家族や友人のために書いた自伝だし、本が完成しただけで十分満足だったのですね。そのへんの所で版元の担当さんと葛藤があったわけで、事実と違う誇大キャッチを版元さんが作ってネット書店でリストしているを知った時はショックでした。それはネットで見つけて、すぐに抗議して取り下げてもらったのですが、その頃から、「売ること」を究極の目的とした、作者を無視した本作りには付いて行けないものを感じていました。面白いことに、この版元さんの出している本は、決して売れ筋の軽いものでなく、硬派の学術本や文芸作品を主としているところで、それが、ここを選んだ理由だったのですが、なぜか、私の本だけは装丁も含めて「軽い、女の子受けする本」にしたいという意図があったようです。試作のカバー、本文デザインなど、まさに「20歳前後の女の子のよみもの」という感じで、ちょっと待って下さい…という感じでした。女性に人気の街での海外滞在記だからと言っても、文体も含めて内容的はかなり硬派でユニセックスです。社会、異文化、人種的な考察はあっても女性だけを対象にしたような話はいっさいありません。それが、どうしても売るためには性別を特定して「女の子に夢を送る、輝いている海外生活!」という女の子雑誌の手記のような外面が必要だったようです。結果として、自分の意図のとおり硬い外面、装丁にしてもらいましたが、まあ、そのへんから、出版/マスコミという世界に不審感がつのっていたわけです。その私が、また別の海外エッセイをだすというのだから、凝りてないというか、またその辺のことはいつか書いてみます。