※宮城県の山をご紹介するブログです。

今回ご紹介する山は「後白髪山（うしろしらひげやま）」（仙台市青葉区・せんだいしあおばく）です。


仙台市中心部から見ると北西方面に泉ヶ岳，その奥に三峰山があり，その左手に南北に延びるなだらかな山容の山が後白髪山になります。冬に雪をかぶると白い「髭」に見えるところから名付けられたようです。泉ヶ岳山頂付近から見ると，真ん中３コブのある三峰山のすぐ左手になります。


仙台市中心部から西へ国道48号を山形県へ向かい，作並（さくなみ）温泉手前の熊ヶ根から北へ向かい，定義（じょうげ）如来西芳寺へと足を進めます。さらに市道，定義林道，横川林道と，途中少し荒れた道になりますが，約12km北進すると横川コース登山口に至ります。駐車スペースは登山口付近の林道に４～５台分しかありませんので，他の車両の通行に十分注意して駐車してください。


登り始めから急登となりますが，道幅があり，また辺りのブナ原生林の風景が気持をゆったりとさせてくれますので，思いのほか苦痛は感じません。自然の中に吸収されていく足取りを覚え，むしろ一歩一歩が軽くなるようにも感じます。ブナ林は杉林と感じが少し異なり，悠久の彼方からの息づかいが届いてくるような気がします。気持のいい登山道ですが残念ながら１時間程しかない坂ですので，ごゆっくりお登りください。


急登を登りきると灌木地帯となり，稜線に出るとほどなく1334ｍピークに至ります。
ここからは，正面に目指す後白髪山山頂や三峰山，泉ヶ岳，振り向けば眼下に大倉ダム，遠くに蔵王連峰が見渡せられ，山頂まで開放的な稜線トレッキングが続きます。ピークを少し下り，しばらくは緩い尾根道を進みますが，このあたりは溝状の登山道になっていて，雨後などは少し歩きづらい状態になっています。途中，南からの後白髪コース分岐と出合います。このぬかるみ加減の３０～４０ｍの道を過ぎれば，緩い登りの向こうに，徐々に後白髪山の山頂が迫ってきます。両脇の低いハイマツにエスコートされながら，稜線の中央を威風堂々と足を進めましょう。






山頂はハイマツの灌木帯の中にあり，眼下には仙台市中心部，周辺には船形山，蛇ヶ岳（じゃがたけ），三峰山，北泉ヶ岳，泉ヶ岳，蔵王連峰と，３６０度パノラマの眺望となっています。ただ，見通しがいい分，少し風が強く感じるかも知れません。


隣に見える三峰山への通常の登山ルートは長時間を要しますが，ここからですと，三峰山往復は約2時間となります。三峰山山頂もパノラマの眺望になっており，必ずや満足させてくれますので，時間と体力と相談しぜひ足をお運びください。

登山適期としては，6月の初夏か10月の紅葉の季節がおすすめとなります。

行列のできる，西芳寺参道脇の名物，大判の揚げたて三角油揚げはおすすめです。熱々の揚げに醤油と七味唐辛子をかけ，路上での立ち食いは堪りません。阿弥陀如来を祀る当寺参詣のあとに，どうぞご賞味ください。

標高：後白髪山1423m　行程：約2時間30分（休憩時間を除く。）
参考文献：「新・分県登山ガイド３宮城県の山」（山と渓谷社）　「山と高原地図７　蔵王・面白山・船形山」（昭文社）
行政管理室　Ｔ．Ｍ