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2015年11月25日
カテゴリ：やっぱりトルコが好きな私
【１１月２５日・水曜日】 日曜日に軍楽隊長デニズさんと電話で話した時、水曜日にまた来ます、と言ったことだし、もともと総務課長のメティンさんとも約束があったので、「今日は午後１時半頃伺います」とメティンさんに１１時半頃電話を入れた。 すると「たまにはお昼を一緒に食べよう、１２時に間に合うようにすぐいらっしゃい」と言う。そうかそうか、親孝行をしてくれるというのだな、と呟きながら、急いで身支度してタクシーを呼び、家を出た。 ところがその直後緊急の会議が入ったので、軍事博物館に着いたら自分の執務室で待っていてほしい、と連絡が来て、総務課で３０分ほど待った。メティンさんづきの当番の兵卒、エルデム君が来て、すぐにチャイを運んでくれた。 会議は１２時半から昼食時間となり、そのあとまた１時から続行するのだそうだ。一緒にあたふたと将校会館に行き、２０分くらいで食べ終わる必要があるので、ビュッフェ形式のお昼をご馳走になった。 戻るとき「緊急の会議が入るくらいではメティンさんも忙しいでしょうから、私は博物館内を見物してからコンサートを聴いたら適当に帰りますよ」というと、メティンさんは手を振って言うのである。 「駄目駄目、大事な人をそんな風に放っておくわけにはいかない。そうだ、会議が終わったら知らせるからここでテレビを見たり、新聞でも読んだりしながら待っていてほしい」と１階の娯楽サロン兼面会室に案内してくれた。 給仕当番の兵卒オスマン君がチャイを淹れてくれたので、それを飲みながら新聞を読んだ。昨日の撃墜事件で大きな活字が躍っている。今朝、私もカプジュのオスマンに２種の新聞を買って来て貰ったが読む暇がなかった。 昨日２４日の夜は、１１月１日の総選挙で再び議席の過半数を獲得し、単独で組閣の権利を手に入れたAKP（公正発展党）が、キャビネットの人事を発表したのだが、トルコの重要ポストの一つであるエネルギー・天然資源大臣に、国会議員初当選のベラット・アルバイラック氏が任命された。エルドアン大統領の女婿なのである。 日本だったら代議士当選１回で大臣にはなれないが、トルコではなれる！ 新米議員であっても、大統領の娘婿ならばなれるのだ。 それも閑職の大臣ではない。トルコでは今後２つの原発が建設される予定があるので、エネルギー省は今や、これまで観光立国を支えて来た文化観光省以上に、重要なポストになるのであろう。というより、重要なポストにするのであろう。 それと今度の組閣人事では、アフメット・ダヴットオール首相に近い顔ぶれが全くなくなってしまった、と言われている。気の毒だが、最初の国会で「大統領制」の議案を通過させれば、ダヴットオール首相ももうお払い箱なのかもしれない。二期目には自分の娘婿を首相に据えればいいし。 彼を中継ぎにして、そのあとは自分の息子を議員にして、外務大臣にして、首相にする。自分が引退したら息子に大統領の椅子を・・・と考えているかも。 ありゃりゃ、私も想像を膨らませ過ぎているなあ。メティンさんが呼びに来たので２階に上がったものの、腕時計を見ると３時１０分前になっていた。 今日もたくさんの子供達を見かけたのでまた場内は満員の盛況に違いない。後ろの方で立ち見は嫌なので、荷物をまとめて暇乞いをしようとしたら、それがメティンさんの目に止まった。 「加瀬さん、どこ行くの。コンサートを見に行くなら荷物は置いて行きなさい」とメティンさんは自分のロッカーに私の大きな鞄と帽子をしまいこんで、「これなら安心だろう」とニコニコ顔で言った。  トランペットに似たボルを吹く人はボルゼン。 赤い服を着た人がボルゼンのリーダーです。  階段式観客席は右、中央、左、どこも満員でした。  可愛らしい歩兵もいます。つけひげの彼らは義務兵役の青年が扮しています。 後ろには木管楽器のズルナを吹く人々。みんなプロとしても一流の人々です。  鎖帷子の兵士をズリュフュリュ・ムハフズと言います。  コンサートが終わると、記念撮影用に、兵士が残ります。 かくて私は３階のコンサート・サロンに移動して、メフテルの演奏を堪能し、また荷物を受け取りに行ってチャイを飲み、メティンさんからの帰りがけにデニズさんの部屋に顔を出した。 昼頃からデニズさんが緊急会議を開いていたのは、明日、メフテル軍楽隊は急遽アンカラに呼ばれて移動するのだとメティンさんが言っていたので、私はデニズさんにも引きとめられたが、またアンカラから戻ったら会いましょう、と１２月５日に来る約束をして席を立った。 今日は何のために来たのかわからないなあ、と思いながら、ハルビエのバス停の手前でタクシーを止めたら、停まってくれたタクシーの後部座席には、若い東洋人の女性が乗っていた。 「アブラ（姐さん）、客が相乗りを承知してくれたんで、停まったんだよ。どこまで？」 「タキシム広場まで」 「じゃあ、彼女も同じだから、２人別々にメーターの金額を貰うけどいいかい」 しょうがないなあ、タクシー運転手の不正に協力する格好になってしまうが、乗せてあげて、と言ってくれた女性の親切も無にしたくないし、それに今日は空車が全然来ないのでこれ以上待つのもいや、ええい、乗ってしまおう。 彼女に礼を言おうと思ってトルコ語で話しかけたら「トルコに来て１年なのであまり上手に話せません」と英語で言ったので、私も仕方なくへたくそな英語で話した。 ミラさんと言う名でフィリピンから来て１年前からホテルのレセプションで英語を喋って働いているので、トルコ語がなかなか覚えられないと言う。 広場の降車場で降りて、彼女はイスティクラール通りへ、私はスラセルビレル通りへと別れた。トゥルンジュ・パンパンにちょっとだけ寄り、ビールを１杯飲んでタクシーでチュクルジュマまで帰ろうとしたら、今度の運転手さんはタキシム広場に戻るつもりなのでチュクルジュマのパン屋の前でいいかい、と言う。きつい坂を下りなくても済んだのでよかった。 イーイト・ギョズレメ店に寄り、軽いケーキとチャイを取った。帰宅して猫に餌をやったあと、テレビをつけてみると、プーチン大統領がロシアの戦闘機は領空侵犯はしていないので、トルコ側は背中を刃物で刺すような真似をしたのだ、と謝罪を要求して来ているとのこと。 えええ、嘘つきだねえ、超大国の大統領ともあろう人が！と、がっかりしてしまった。     「チュクルジュマ猫会」  アントニーナ・アウグスタ   お気に入りの記事を「いいね！」で応援しよう
Last updated
2015年12月02日 10時07分22秒
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