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2013年04月12日
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                        2005-08-15 22:02:47

               キコガサタケ Conocybe lactea

  はじまりの「スーパーきのこ」世界への旅立ちの第一歩として、きのこポエム24音詩の講座をはじめて10日が経ちました。「学ぶよりまず作ってみる」ことからはじめて、そろそろ自身の癖がみえてきたところで、きのこポエム・ベーシックを伝授いたします。

「松のことは松に習え、たけのことはタケに習え」

 ムックきのこクラブのきのこ探訪は、ひたすらきのこを観察することに終始します。それは無心になってきのこと接することから見えてくるものを自身の人生の糧にすることです。このきのこに代表される自然観察の態度は、そのまま「きのこポエム」に転用可能です。自然を観察し、見たまま聞いたままを言葉にするとそのままポエムになるのです。T・T・K(Through The Kinoko=きのこの彼方・スーパーきのこへの第一歩)

 観察する対象を言葉で正確に描写する。この描写はすでに自身の主観で見たものなので、それに言葉で自身の感想を付け加えることは蛇に足をつけるようなものでまったく不要です。見たもの、聞いたものに語らせることで自分が出てきます。

 芭蕉の「タケのことはタケに習え」とは「タケのことはタケ自身に語らせなさい」ということなのです。「バラが咲いた。きれいだ」という場合、「きれいだ」は不要で、もっとバラそのものに語らせなさいということなのです。「きれいだ」を言うかわりに「紅いバラ」とか「ちいさいバラ」とかいってバラの美しさをバラそのものに語らせることで、その表現者のあなたがきれいに思っているなと読者に感じさせることで成り立つ詩なのです。そんなささやかな象徴詩がきのこポエムです。

 俳句に準じる最短詩きのこポエムは坪内捻典の「過渡の詩」です。

 日本の短詩、伝統詩の元祖は和歌31文字です。それを5・7・5と7・7に分けてそれぞれを別の人が詠むことから連歌が生まれ、その形式に庶民性を盛り込んだものが連句、そしてさらに連句の冒頭の句5・7・5を独立させたものが俳句です。和歌は貴族社会の伝統を踏まえています。雅びな世界からぬけられません。しかし、連句と俳句はその伝統に逆らって生まれたものです。骨の髄まで庶民的な反骨の精神で貫かれていることが俳句であり、固定した伝統をたえずくつがえすことでかろうじて成り立っている詩形なのです。それを坪内氏は過渡の詩と語っています。

 なぜきのこポエム24音詩か

 和歌はハイソで雅びな世界のルールを守ることで成り立っています。俳句もそれにならって伝統詩という人があとを絶ちません。俳句を隆盛ならしめている家元(結社)制度は、季語の勉強、短い詩形ゆえに文語体を基本とし、言葉の省略や飛躍を解釈する独特の方法を教えます。

 しかし、それは結社という狭い「村」社会の中で読み手が固定化されていれば可能ですが、ポエムは万人に開かれたものだと考える僕たちには、高齢化と朝令暮改の戦後の教育の結果、世代間の分断化が進み、世代を超えた意思の疎通が閉ざされ、もはや定型詩の独特の読み方や個々の言葉のイメージさえもまちまちになって言語体系そのものがあやうくなってきていることに危機意識を抱いています。そんな時代に入った21世紀、読み手を回復し、世代を超えた意思の疎通を図る努力をはじめようとして編み出されたのがきのこポエム24音詩です。

 それは、俳句より7音長い詩形ですが、外来語の多用で日本語1単語の字数が増えたこと。そして、多少散文調にはなっても韻文としての文語(古典語)の表現を極力排して日常的に使われている言葉を用いて、なおかつ短詩として和歌や過去の伝統的な詩からも自由であるためには24音がぎりぎりのところだろうと考えた結果です。

 また、私たちの日本語の単語は、七五調からなかなか脱することができないほど馴染んでしまっていますので、七五調は当面そのままで(もちろんきのこポエムは将来的には七五調からの自由こそが究極の課題です)、「めっちゃ!」とか「まじ?!」とかの口癖に近い俗語を極力さけて、将来的にも残したい言葉を用いて、生まの言葉でつづる短詩としての努力を重ねていきましょう。

 10日目のきのこ地蔵(クラブの実作者たちへのメッセージ-1)

 「バラがきれい」と言う場合の「きれい」は、きのこポエムでは<小主観>と呼んでおきましょう。多くのバラの中から自分の心の琴線に触れるバラを見つけたことで充分作者の思いは伝わっているのにわざわざ自分の主観を重ねて短い詩形を台無しにしてしまう。

 この知性が邪魔する現代人の蛇足を、これまで日々のテーマ(季節感の再確認作業)で作品づくりをしてきた自作を振り返り、まず訂正、克服することからはじめましょう。

 きのこポエムは「もの」や「こと」に託して最小限度の言葉で自身の思いを述べる短詩であることをまず最初の一歩としてください。

 いよいよ4月15日からは第3週目に突入します。どうぞ以上のことを参考にご精励のほど。






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最終更新日  2013年04月15日 18時23分26秒
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