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夢みるきのこ

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2017年01月05日
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年の瀬にお洒落な詩集が届いた。瓢吉庵・池上博子さんの仲間たちの詩集だ。私は3号頂戴しているが、1983年創刊、ほぼ年1度のペースで30号を閲する同人誌だ。なにげなくひも解いて一読、それぞれがいつになく緊迫感あふれる筆致の作品で思わず引き込まれてしまった。今号のテーマが「さよなら」であることにもそれぞれの力のこもった作品を読んでから気がついた。愛する者との別れの作品が多いのも、あとがきをみて合点した。
節目を迎えたと同人諸氏が感じていることがそれぞれの作品に如実に反映しているようだ。
33年というのは当人たちには振り返ってみるとアッと言う間の出来事だが、長寿大国となったわが国の現代人であっても半生に相当する膨大な時間の堆積の上澄みがこの『結』30号なのだ。
 
  
それぞれの作家がたなごころに死という生々しい観念を転がし玩弄しうる年代に達したということでもある。
人は生きていれば、要らぬことに手を染める。私の『月のしずく』も同様のものだ。他人はそれを未練という。『結』の代表はこの30号を節目とするために創刊号と同じ装丁にしたという。
詩や芸術には年輪を太らせるという考えはない。脱皮あるのみだ。
この十指に満たない作家たちの存在証明としての冊子が脱皮の時を迎えたということだが、私はひとまずは「結」のNEXT STAGEをじっくりと待ち続けてみたい気がしている。





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最終更新日  2017年01月05日 20時58分56秒
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