ある男
平野啓一郎の2018年の小説。3年間結婚生活をした夫が事故死する。しかし、その夫の名前は別人のものだった。平野啓一郎は「マチネの終わりに」が大変面白い恋愛小説だったが、今回はミステリーである。序盤は主人公弁護士の捜査が始まり、興味ある展開だった。しかし、中盤は主人公の朝鮮問題とか、家庭不和など、本筋と関係ない内容となり、ストーリーが発散してしまったと思う。そして、ラストも逆転などなく、静かに終わってしまった。ちょっと期待外れだった気がするが、370ページを飽きることなく読めたので、良く出来た小説だと思う。映画は見てみたい。★★★★