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2006年11月06日
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カテゴリ:いじめ
A君のような特別ないじめっ子だけでなく、普通の子供同士でも、ちょっとした小競り合いや喧嘩は、よくあることです。

そういうときは、暖かく見守ることが大切、と私も思います。
子供自身の力で、何かを学び取る。
それを根気強く待つ。
親として、とても大切な事であることは間違いありません。
でも、それは必要な事をしっかり子供に教えてからのこと。



長男のお友達が、一時期荒れていたことがありました。
(友達の親は、出来の良い下の子に夢中な時期でした。今思えば、そのせいかもしれません。)
仲良く遊んでいるのに、事ある毎に「ばか、死ね!」の執拗な繰り返し。

たまりかねて、距離をおきたいのですが、普段は仲の良い友達であるために、長男の決心がつきません。そこで、ヤンワリと相手の親御さんに、現状を伝え、注意して欲しいと伝えました。

我慢を重ねて、時間が経過し、再び親御さんに、出会ったときに、一応社交上のお礼を言いました。
「少しではありますが、落ち着いてきたようです。有難う。」

すると、相手の親は事も無げに言いました。
「いいえ、私は何もしていません。見守っていただけ。」

「...。」


確かに、子供は時間が経過すれば、いずれは善悪を身に着けることができるでしょう。
だからといって、周囲の子供をそのサンドバック代わりにして、良いはずはありません。
意地悪されている方が口にするならともかく、意地悪をしている子の親が、言うことでは決してありません。
私としては、初めて言った友達の親への苦情だったのですが、その答えに唖然としました。



「見守る」は、やるべきことをやってから、静観することです。
この場合は、「本人に事実を確認し、事の善悪を教えてから、静観する。」これが「見守る」に値する親として行為でしょう。
間違っても、何もせずほっておくことではないはずです。

都合の良い逃げ口上に使ってはいけません。


しかたなく、長男にお友達には、正しいことを教えてくれる大人がいないこと、付き合っていっても、恐らく同じ状態であることを、説明しました。
その上で、このまま我慢しつづける、距離をおく、の二つの選択肢を教え、見守ることにしました。


結局、長男はしばらく距離を置くことを選びました。
そして、長男は、その友達はそういう奴だという気持ちの整理をつけてから、あらためて付き合いはじめました。
それについては、私は何も言いませんでした。
長男自身が判断し、再度付き合い始めたのです。
自分が、また傷つくかもしれない事を理解した上で。



同じような事が、別の友達にもありました。
(その親御さんが、下の子をしきりに可愛がっていた時期でした。)
どの子にも、そんな時期はあるのかもしれません。
前回懲りた私は、機を見て、直接その友達自身に話しました。


長男は、貴方が好きなこと。
でも、貴方の繰り返す意地悪に、とても傷ついていること。
おばさんは、他のお友達と過ごすことを勧めたが、それでもなお貴方と友達でいたいと長男が悩んでいること。

私は、お友達に静かな声で、ただ淡々と話をしました。
すると、その子はまるで夢が覚めたように、ピタッと意地悪を止めました。
そして、翌日から、以前の通りのその子に戻りました。



昔と違い他者との関わりが薄いせいか、幼児期を過ぎても、子供たちは健全な人間関係を築くのに苦労しているように感じます。
それは昔のように仲介してくれる年長の友達がいないせいかもしれません。
横並びの中、何がダメで何が良いのか、教えてくれるのは大人だけ。
その上、その大人が「見守る」を口実に、教えることを放棄したら、正しい人間関係の築き方を身に着けることができるでしょうか?

確かに過干渉はいけません。
でも、必要な手助けは惜しんではいけないと思うのです。


「見守る」、これは簡単なようで、実はとても難しいことなのかもしれません。










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最終更新日  2006年11月07日 00時02分45秒
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