日本では、エレベーターに「閉」ボタンがありますよね。
確かイギリスのエレベーターには、
「閉」ボタンがなかったような気がするのです。
日本だと、とにかく早く目的の場所に行きたい一心で、
乗り込んだらすぐに「閉」ボタンを押す傾向がありますよね。
私も最初、イギリスに行ったときは「閉」ボタンがないのに
驚きました。
でも、よく考えてみると、 「閉」ボタンを押さなくても、
扉が閉まるまでの間ってほんの2、3秒なんですよね。
前にもお話しましたが、イギリスでは車の運転なども
譲り合いの精神が身についているので、
まさに「お先にどうぞ」「ありがとう」の世界。
黄色信号になったら、すぐ止まります。
「黄色は進め」の日本とはかなり違いました。
(私だけだったりして^^;)
そういうお国柄だからこそ、
なぜ急いでエレベーターのドアを閉める必要があるんだ、
ということなんでしょう。
今まで、ちょっとでも早く先に進もうとばかりしていた自分が
恥ずかしくなったものでした。
イギリスでは、同じエレベーターに乗り合わせたときには、
視線を交わしてにっこり微笑みながら会釈をします。
(イギリスに限らず欧米はそうなのかも)
道で見知らぬ人とすれ違うときもそう。
見知らぬ人とも必ずと言っていいほど、視線を合わせ会釈。
帰国したとき、しばらくは、イギリスにいたときの癖で、
人とすれ違ったら見知らぬ人でも
にっこり微笑んで会釈していたのですが、
日本でやってると、だたの間抜け(笑)
一人でニコニコしている変な人って感じなのです。
たとえば、エレベーターに乗り降りするときに、
最後まで「開」ボタンを押して、みんなが降りるのを待ってから、
自分が降りる人がいるとします。
するとみんな、視線を交わして目で「ありがとう」を言うのです。
そして、「どういたしまして」の代わりにウィンクしたりする。
そのウィンクにはやられてしまいますね~。
どうってことないイギリス人のおっさんでも、
3割増くらいにかっこよく見えたりして^^
このウィンクで会話するのだけは、
なかなか日本人には真似できない芸当ですね。
日本人がやったら、
ただのキザな人か、顔面神経痛と思われるのがオチ。 笑
日本人である私は、
ウィンクされるのに慣れていないので、
ウィンクされただけで、テンションあがってましたね~~(笑)
エレベーターの話にもどり。
日本で、とあるデパートのエレベーターでの出来事。
エレベーターが閉まろうとしているところに、
ベビーカーにお子さんを乗せたご夫婦が乗り込もうと
急いでやってきました。
すると、すでに乗っていた、高校生くらいの女の子2人が、
「信じらんない、
ベビーカーでまだ乗ってこようとしてるよ~、
閉めちゃおっか。」
と言ったのです。
わたしは耳を疑いました。
だって、べビーカーが十分乗れるスペースが
まだあったのにも関わらず、そのせりふです。
本来、エレベーターと言うのは、
ベビーカーや車椅子など
階段やエスカレーターを使えない人たちが
優先して使うべきですよね。
そのせりふを聞いて、なんだかとても悲しくなりました。
エレベーターの「閉」ボタンは、そんな日本を象徴してるのかな。
もちろん、親切な人もたくさんいらっしゃいますが。
エレベーターと聞くと思い出す
ちょっと悲しいエピソードでした。
ちょっとしたことですが、
ほかの人が降りている間、
エレベーターの「開」ボタンを押していてあげられる
心の余裕がほしいと思う今日この頃でした。