カテゴリ:汝の名~三千円~舞いあがれ!
第1シリーズのことも知らず、
しかも、途中から見始めたもんだから、 まさか一話ごとに過去へ遡っていく展開だとも知らず、 そのうちに「なんか変だなー」と思いはじめて、 おのずからネット配信のほうへ誘導され、 結局、また第1話から見直していくはめになった。 まあ、 それが制作者側の狙いでもあるんだろうけど。 ◇ 残された手紙や音声や映像を手掛かりにして、 過去へと遡っていくスタイルの物語はよくあるけれど、 こんなふうに、 物語としての「落としどころ」をまったくもってないドラマも珍しい。 視聴者は、いってみれば結末のない世界に放り投げられる。 それぞれのエピソードは、 何気ない日常から切り取った一話完結的なもので、 その意味では、 (たわいがなさすぎるとはいえ) まあ、どこから見始めても問題のないドラマです。 しかし、 わたしのように、最後になって第1話を見るというのは、 ほんとうに主人公と同じところへ放り投げられるようで、 あまりにも辛い。 やはり、これは、 第一話から順を追って観ていくべき作品だろうと思います。 何をもって物語の「結末」とするかは宙づりなのだけれど、 なぜか順序どおりに最後まで見ると、 じんわりとした幸福に包まれるという、ちょっと不思議な作品でした。 ◇ 以下に、 第一話のパソコンに残されていた原稿をメモしておきます。 パソコンの近くに飲み物は置くなと怒鳴り、 決して触れるな、ときつく言った。 私はけっして恋愛が上手なほうではなかった。 「好き」といったのは初めて抱いた時だけで、 それも嘘のような、 互いに「お試し」と呼んでいて・・・ 私の書いた小説に嫉妬されたものである。 「やれ、この女とはこんなところに遊びに行ったくせに、 私はあんなところにしか連れて行かないじゃないの」と・・・ 「お前のことと同じくらい好きな友人が、お前のことを好きになってしまった」 と言われた。 プロポーズも格好がつかないままだった。 結果よかったものの、喧嘩のいきおいで始まり・・・ 口をうるさく挟んでくる。 ろくに本を読まない癖に。 私の書いた本しか読まなかったといえば、良い女のように聞こえるか・・・ そして、主人公が書き加えた文章。 本当にいなくなってしまったのだと。 あなたの真似をすることで、 あなたのいなくなったことがようやく分かった気がします。 あなたがいなくなっても、世界に明日が来る。 明日が来る。 私は・・・ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2024.06.20 17:10:47
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