カテゴリ:大森美香の脚本作品。
未解決の女~警視庁文書捜査官。
第4話。 かなり印象深い内容。 男性どうしの友情、 そして父と娘の物語でした。 やはり大森美香の単独脚本だと力があります。 もともと大森美香の「父」の描き方は独特です。 ◇ 当初、 彼女が刑事ドラマを書くのは意外に思えたけど、 ふたを開ければ、やっぱりその作家性が際立ってる。 『あさが来た』の波瑠や山内圭哉が出てて、 『ニコニコ日記』の沢村一樹が出てるのもあるけど、 やはり最大の特徴は「女性の物語」になっているところ。 とくにオタク的な才女への「萌え」が半端ない。 声フェチの波瑠(矢代朋)が、 文字フェチの鈴木京香(鳴海理沙)に抱く感情は、 ほとんど恋愛に近いもので、いわば"百合"です。 ◇ このドラマは、 テレ朝の《警視庁サーガ》のなかでは、 珍しく作家性の強い異色作になっていますが、 今後もその作家性は維持できるでしょうか? 『捜査一課長』のほうは、 いまや水戸黄門的な定番ネタドラマと化していて、 事件の内容はたいてい意味不明だけど、 とりあえず定番のネタさえ押さえてあれば、 誰が脚本を書いても大差ないような枠になってます。 実際、わたしにでも書けそうだし、 たぶんフォーマットさえ打ち込めば、AIにでも書けるだろうと思う。 視聴率的にも、 水戸黄門的なもののほうが歓迎されやすいから、 ややもすると内容がルーティン化しがちだし、 まして脚本が分業になると作家性が失われますよね。 そのことを心配しています。 ◇ ちなみに、 本作の「才女萌え」がもっとも炸裂したのは、 第1シリーズの最終回で、 谷村美月の演じる百々瀬佐智が登場したときでした。 15才の女子中学生のときに、 完全犯罪を計画して実現させてしまった恐るべき才女。 波瑠たちは、その決定的な証拠をつかめず、 彼女を逮捕できないまま第1シリーズを終えています。 その意味でいえば、 「未解決の女」ってのは、 ほかならぬ谷村美月=百々瀬佐智のことなのです。 洗脳メールで人を殺させた話にはちょっと疑問が残ったけど、 (ふつうなら、あのメールから足がつくはず) あの百々瀬佐智にまつわるストーリーは、 いっそ映画化してほしいぐらいに魅力的なものでした。 今回の第2シリーズで、 はたして決着がつくのかどうかわかりませんが、 いずれかならず「才女vs才女」の文字フェチ対決になるはずです。 わたしにとっては、それが最大の注目点です。 波瑠/鈴木京香/沢村一樹/遠藤憲一/山内圭哉/工藤阿須加 高田純次/谷原章介/皆川猿時/光石研/大森美香/麻見和史 市原隼人/筧利夫/竜雷太/北乃きい/谷村美月 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2021.07.13 16:49:25
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