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まいかのあーだこーだ

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2024.08.26
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夕芒祖母の黄ばんだひらがな帳 夏シャツのよごれそれぞれ昭和の子 星明かりほどの重さの子に汗疹 祖父に兄縛られしこの柿の木や 波飛沫母笑みて抱く裸の子 父と子の季節短し晩夏光 クラゲ刺す男言葉の課長の娘 秋彼岸お供え物が気になる子
8月22日のプレバト俳句。
お題は「幼少期の写真」。




森迫永依。
夕芒ゆうすすき 祖母の黄ばんだひらがな帳


いやあ…、素晴らしすぎてちょっと。

たしかに戦前生まれだったりすると、
読み書きの出来ない老人は結構いるし、
仮名を書くのがやっとの人も珍しくない。

でも、作者の話によれば、
祖母が「中国人だから」という理由らしい。
そういえば彼女は日本と中国のハーフだもんね。
その話を聞くと、ますます味わいが増します。

陳凱歌の映画が「黄色い大地」だったり、
中田喜子にも「黄さん」の句があったので、
中国を「黄」の字が象徴してるようにも思う。

黄という文字は「光」と「田」の含意文字で、光り輝く田圃の色であり、黄色は自然の中で生命の輝きを感じさせる色といえよう。 古代中国で確立されたといわれる五行思想では、黄は「木、火、土、金、水」の真ん中の「土」にたとえられている。国の源を作った三皇五帝伝説において、第一と崇められた黄帝は、人民の文明生活に大いに寄与したといわれ、神話的伝説の王として祭り上げられた。中国では黄色は戦国時代まで皇帝の色であり、最も高貴な色として尊ばれたのである。
http://library.city.urayasu.chiba.jp/special/200910/page_6.html

描いてるのは、
「夕芒」に取り合わせたささやかな一場面だけど、
その背景に空間の広がりと歴史の奥行きを感じさせます。

わたしにいわせれば、
もう現時点で十分すぎるほど「名人級」だと思います。



武田鉄矢。
夏シャツのよごれそれぞれ 昭和の子


これも句材は面白い。

中七の「それぞれ」には具体性がなく、
描写性という点で疑義がつきかねないけど、

全体をセリフ形式の句ととらえれば、
「れ」「れ」「れ」の脚韻とも相まって、
とぼけた味わいを醸してると思います。




清水アナ。
秋彼岸 お供え物が気になる子


先生の指摘どおり、
「お供え物が気になる子」は説明的ですが、

ほぼ同じ内容でも、
「お供え物を気にする子
と書けば、いくぶんか描写的になるし、
「お供え物を欲しがる子
と書けば、もっと描写的になります。

そして、
「秋彼岸」と「お供え物」が近いので、
季語をすこし離せば改善できる。

ためしに、
初紅葉 お供え物を欲しがる子

としてみました。




フルポン村上。
星明かりほどの重さの子に汗疹あせも


頼りなげな星明かりのように、
まだ覚束ない重さの赤ちゃんなのですね。

その「星明り」は秋の季語ですが、
この場合は比喩なので、主たる季語は夏の「汗疹」です。

…とはいえ、
夏と秋のイメージが混在する感は否めない。

しかも、
秋の季語としての「星明り」は、
月にも劣らぬほど明るいわけだから、
俳句的にいうところの「星明かりほどの重さ」が、
どれほどの重さを意味するのか、やや読み迷わせます。

その点が、ちょっと引っかかる。



千原ジュニア。
祖父に兄縛られしこの柿の木や
祖父が兄縛りし柿の木の夕焼ゆやけ
(添削後a)
祖父が兄縛りし柿の木よ秋よ(添削後b)

原句はまず、
「祖父に兄」という上五の叙述に「?」となります。
下五にかんしても、
切れ字「や」で締めるイレギュラーな手法が、
さほど効果的とは思えないですね。

そして、先生の解説によれば、
「柿」は秋の季語だけど、
「柿の木」は季語にならない、とのことです。

…とはいえ、

(添削後a)では、
夏の「夕焼」を詠んだ句に直してるものの、
正直「柿の木の夕焼」って何??って気もするし、
(添削後b)では、
「秋」を詠んだ句に直してるものの、
さすがに「柿の木」と「秋」の重複感が否めない。

ためしに、
7・5・5の破調ですが、
兄を縛りし祖父の木に柿実る

としてみました。



春風亭昇吉。
父と子の季節短し 晩夏光


1ランク昇格でしたが…

内容が抽象的で描写性に乏しく、
言ってることも凡庸の極み。

わたしなら1ランク降格です。



的場浩司。
波飛沫なみしぶき 母笑みて抱く裸の子
母の抱く裸子はだかごは吾ぞ 波飛沫
(添削後)

季語は「裸子」で夏。
上五の「波飛沫」が季語じゃないので、
ややイレギュラーな形式です。

わざわざ「母抱く子」と書かずとも、
母が抱くのは子であり、
子を抱くのは母だろう…と思えるし、
中七「笑みて」にも蛇足感があります。

一方、添削句のほうは…

かりに過去の場面を詠んだ句なら、
それにつれて季語の鮮度も落ちますよね。
むしろ、
《眼前の母子を過去の自分に重ねて幻視した》
と解釈すべきかもしれません。



水野真紀。
クラゲ刺す男言葉の課長の娘
刺されたるクラゲ罵る課長の娘
(添削後)

上五の「クラゲ刺す」は終止形で切れてるのか、
連体形だとしても、どこに掛かるのか分かりにくい。

あえて「課長」と書くことの効果もいまいち不明。
作者によれば、
「父は忙しくて休みがなかなか取れなかった」
とのことですが、
その話を「課長」の二字から読み取るのは無理です。

それどころか、
へたに「課長」などと書いてしまったら、
部下か上司の視点で詠まれた句のように見える。

かたや、
先生の添削も変ですよね。
クラゲが刺されたことになってますww



以下の情報を、
すべて一句のなかに詰め込むのは不可能なので、
せめて2つの句に分けるほかありません。

A: 父のたまの休みに行く海は季節外れだった。
B: クラゲだらけの海で娘が話すのは男言葉だった。


A を娘の視点で詠むなら、
父と行く海は水母くらげのあまた浮き

のように書けるし、

B を父の視点で詠むなら、
海月くらげの瀬 娘は男言葉なり

のように書けます。


▽過去の記事はこちら
https://plaza.rakuten.co.jp/maika888/diary/ctgylist/?ctgy=12




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最終更新日  2024.08.26 08:50:07
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