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まいかのあーだこーだ

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2024.11.04
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良夜なりすっぴんママのワイン会 吾子抱えつまむ秋刀魚は骨多し 秋の宵ビブとあなたと白ワイン ランチ寿司ひとりで頬を赤く染め ママ友会エンドレスなる夜もみじ 秋爽の皿やオリーブオイルの黄 二軒目へ行く汝帰る吾薄月夜
10月31日のプレバト俳句。
お題は「外食」。



相席スタート・山﨑ケイ。
良夜なり すっぴんママのワイン会


上五を「なり」で切る手法を、
確信犯的にやってるのか知らないけど、
ふつうは、なかなか勇気が必要です。

内容は下の松丸友紀の句と似てますが、
同じ音数なのに、こっちのほうが情報量が多い。



松丸友紀。
ママ友会 エンドレスなる夜もみじ
の紅葉 ママ友会はエンドレス
(添削後)

作者の話によれば、
「ほろ酔いの赤ら顔が紅葉のようだ」
という比喩として季語を使ったらしい。

でも、まあ、
そのことを知らずに読めば、
最下位にするほど悪い句でもありません。

唯一、変なのは、
「夜の紅葉がエンドレス」ってところだけなので、
その語順を逆にして、
夜もみじ エンドレスなるママ友会

と直せば、そこまでおかしな句でもない。

添削句が正解だとは思うけど、
評価としては50点台の凡人くらいが妥当でしょ。



すみれ。
秋の宵 ビブとあなたと白ワイン
ビブの子と夫つまと秋夜の白ワイン
(添削後)

赤ちゃんを「ビブ(よだれかけ)」に象徴させた、
…とのことですが、

字面からは、
ビブだけが置かれてるように見えるので、
「赤ちゃんはどこへ行ったのかしら??」
と考えてしまいます。

これも添削が正解ですね。



三倉茉奈。
吾子抱えつまむ秋刀魚は骨多し
吾子抱きつ食むや 秋刀魚は小骨ごと
(添削後)

サンマは、
魚のなかでも骨を取るのが容易だと思うし、
とくに骨が多いという印象もありません。
そこの共感性がかなり弱い。

たんに魚を食うのがヘタなのでは??

添削句は、二句一章ではなく、
《吾子を抱きつつ秋刀魚は小骨ごと食む》の倒置法。
あいかわらず「食む」を用いてますね。

音数合わせとして、
「食べる」の代わりに「食む」を使うのが妥当とは思えないけど、
噛んで飲み込む…というニュアンスを強調するためなら、
あえて古語の「食む」を使うのもアリかなとは思う。

そうでなければ「食う」と「噛む」を使い分ければ済む話です。
現代語の「食う」にはやや粗暴なニュアンスがありますが、
古語の「食う」にそのようなニュアンスはないのだから。
他方、現代語の「食む」は、
牛馬に使うことはあっても、人間には使いません。




菊地亜美。
ランチ寿司 ひとりで頬も赤く染め
寿司つまむ一人の昼や 一献す
(添削後)

どう考えても、これが最下位でしょ!!

季語は「鮨」で季節外れの夏。
助詞の「で」と「も」の使い方も不用意。

そして、作者の話によれば、
一人ランチが恥ずかしくて赤面してるのでも、
恋の喜びにひとりで浸ってるのでもなく、

若い母親が、
昼間っから寿司屋で日本酒を引っかけてるのだと!!
おやじギャルというより、ヤンキーママの句。

まあ、
それがイマドキの母親ってことでもあるし、
正直、わたしもちょっとやってみたいと思うし、
その行為を否定する気はまったくないけど、

一昔前なら考えられないような光景だし、
それを当たり前のように俳句にされても、
ふつうの読み手には伝わらないはずです。
そのへんの常識感覚が根本的にズレている。


ちなみに、
蕎麦好きの上白石萌歌は、
「昼間に蕎麦屋で一杯呑む」と言ってたけど、
彼女の場合はまだ独身貴族だからね。

…わたしも蕎麦屋で一杯なら、いちどやってみたい。




清水アナ。
秋の宵 四杯目のドリンクバー


先生がいうように、
語順を逆にすればリズムは定型になります。

でも、
助詞の「は」を使う必然性はないので、
秋の宵 ドリンクバーの四杯目

でも十分に成立するのでは?

かりに、
季語のほうもひとひねり加えて、
嬉しいか悲しいかを描き分けるとすれば、
それこそ前回の応用ですが、
「星流る」or「降り月」を使う手もあります。

まあ、作者の気分としては、
嬉しいわけでも悲しいわけでもなく、
たんに時間をもてあまして退屈だったんじゃないの?
そう考えれば、
ジュニアが下の句で使った「薄月夜」でもいいよね。




千原ジュニア。
二軒目へ行く汝帰る吾 薄月夜


中七の「行く汝帰る吾」が面白い。

番組の映像では3人の場面になってましたが、
字面だけを読むと2人の場面に見えます。

英語の「You」なら複数の可能性があるけど、
日本語の「汝」に複数の意味はないからです。


しかも、
「汝」という字に「女」が含まれるので、
「吾」が男性で「汝」が女性に見えるのよね。
女性がひとりで二件目に行くの??と思ってしまう。

あるいは、
飲み会の複数のメンバーのなかに、
お目当ての女性がいるってことなのかな?
「僕は行かないけど、君は行くんだね…」
みたいな感じでしょうか。



フルポン村上。
秋爽の皿や オリーブオイルの黄


掲載決定でしたが、
ジュニアが「嫌い」と言ってたとおり、
好みが分かれるタイプの句かもしれない。

一読して内容が無いしね。
皿にオリーブオイルがふってあるだけ。
それを俳句っぽく詠んでみたにすぎない。

そもそも「秋爽の皿」って何?!
皿は一年じゅう皿でしょ!…って気もする。

まあ、
秋らしいデザインの皿のうえに、
秋らしい食材を使った新鮮な料理があり、
そこにオリーブオイルがふってある、

…というところから、
黄色以外の食材の彩りも含めて、
いろんな想像を膨らませてね、ってことでしょう。
村上ならではの作品にはちがいありません。


▽過去の記事はこちら
https://plaza.rakuten.co.jp/maika888/diary/ctgylist/?ctgy=12



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最終更新日  2024.11.04 10:36:40
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