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カテゴリ:犬たちに教えられたコト
天使になったシュンタのことを、つれづれ思い出しながら綴っていこうとしている。天使になる直前のシュンタのことを、克明に書いていくのは、かなりのエネルギーがいるようだ。まだ、鮮明な血がほとばしりでるように、心が悲鳴をあげる。
ちょっと、一息つくことにした。 シュンタと出会ったのは、2001年の4月16日。オフィスの近くにあるペットショップ。 もともと、家には、グレートピレニーズの女の子がいた。名前をビクトリアと付け、愛称は「ブイ」、もしくは 「ブイちゃん」。グレピにしては、目鼻立ちのはっきりした顔のべっぴんさんである。 ブイは、1999年12月13日生まれで、1才4ヶ月になっていた。 グレピの男の子を欲しい! と思ったのは、このブイがたまらなく愛らしくて、こんな子が10頭も芝生の上をコロコロしていたら、どんなに幸せだろうか?! と思ったからだ。 実際には、子どもを産ませることができるのかどうか・・・よりも、でかいグレピ2頭に、コロコログレピあかちゃん10頭・・・を想像するだけで幸せで、新聞折り込み広告につられ、つい、仕事の終了時間に閉店前のペットショップに走り込んだのだ。 たくさんの子犬が小さなケージの中で、眠っていたり、かじっていたり・・・グレピは広告に出ていた子が1頭いただけだった。 「・・・・あなたは細いのねえ」 「・・・・70日過ぎている・・・だったらもっと大きいはずよねえ・・・」 私はしゃがみこんで、ガラス越しにその子と目線を合わせて話しかけていた。 心の中では、<なんてみっともないグレピなんだろう。どうしてこの子はこんなに貧相なの???> <ブイちゃんは、例えようもなく愛らしかったのに・・・似てもにつかない子だわ。> <なにかに似ている・・・そうだ、シシャモ! あなたは、細くて白くて シシャモににているわ。> 合わせた目線が、はずせなくなっていた。哀しそうな眼のように思えた。 超大型犬の雄犬を飼う、ことの覚悟なんて全くなかった。にもかかわらず、私は、そのみっともない、ししゃものような子から、ナニカを感じ取ってしまい、私が家に連れて帰らなければならないのだ、と思ってしまった。 この子は私が連れて帰らなければ、可哀想なことになってしまうだろう・・・と思い込んでしまっていたのだろう。このように考えた根拠は何だったのだろうか・・・とその時のことをよく思い出す。 ブイは、42日めでウチの子になった。まん丸で、ふっさふさの毛が輝いていた。やんちゃであることを、眼が語っていた。元気いっぱいであることは、身体の動きを見ればわかった。好奇心は手足が表現していた。とにかく、可愛かった。 比べると、愛想も無い、元気も無い、活発じゃない。70日を過ぎていて、1回めのワクチンは済んでいたが、2回目がすむまでは、ブイと一緒に外にだすわけにはいかなかった。部屋の中でケージ住まいをさせてのだが、ブイの赤ちゃんの時のように私たちからのカワイイの連発は一切なかった。ブイちゃんが一人でお留守番しているのは、可哀想だから、ブイの相手としての新人だった。 名前は、すぐに決まった。私たちの、長男と次男、二人の男の子の名前の一字をとってつけることにした。ふたりとも、それぞれ独身だが、家を出て、自立していた。 俊という字と、大という字。<俊大>と書いて<シュンタ>。 シュンタは2回目のワクチン接種が終わり、生後90日で、ブイとの生活が始まった。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
Mar 30, 2007 02:37:34 PM
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