「僕の歩く道」最終話
僕の道は続く・・・とうとう最終話です。秀治は輝明のロードレースに「出よう!」と言った。りなも都古ちゃんも幸太郎も「出よう」と輝明に言う。輝明も「出たい」から「出よう」と決心する。ロードレースと平行して、輝明の自立も考え始める里江と都古。 そして、都古ちゃんも河原と別れることを決意した。『テルがあたしを必要としてたんじゃないの、あたしがテルを必要としていたの。』毎日テルから届く葉書が都古ちゃんには特別なものになっていたのだ。だから、河原と正式に離婚する前に新しい部屋も決めたのだ。『河原さんとの約束、守れなかった。』テルにそう説明する都古。でも、もう悲しくないという都古ちゃんを見てテルは微笑んだ。亀田さんとロードバイクレースの練習をする輝明。自立=グループホームでの生活を輝明に勧める都古。それを聞かされた秀治は反対する。里江も自立を勧めていたのに、「今すぐじゃなくても…」と淋しそうにつぶやく。複雑な気持ちの中にも、いつしか輝明の好きなようにさせるのが一番だと考え始める家族。輝明にとっての新しい世界・・・ロードバイク、そして・・・グループホームでの生活。新しい一歩を踏み出さなくては明日に進んで行けない。輝明の道はまだこれかもずっと続いていくわけだから・・・。都古ちゃんからの葉書をお守りにしてロードバイクレースに出る輝明。家族、都古ちゃん、職場の仲間達。みんなに見守られて、輝明のレースが始まった。輝明の走る姿を見ながらそれぞれ思いをめぐらせていた。秀治・・・「かけっこ、お兄ちゃんが手を引いてくれた。ありがとう」りな・・・「りな、都古ちゃんの所にどうやって行くの?」 「りな、一緒にきて。」真樹・・・「これとこれ、どっちがいい?」 「笑った顔」幸太郎・・・「やっぱり僕のこと探そうとしてくれてたんだ」古賀・・・「お父さんは遠くに行きました。いつ戻ってくるのかなぁ」三浦・・・「大竹さんの担当はジンジンです。」園長・・・「できることが多いのが良くて、少ないのが悪いってわけじゃないの。 自分ができることを一生懸命にやれば良い」 「誰かにそう言われたの?」 「お母さんです。」レースも残りわずかなところで、輝明は違う道に行ってしまう。鳶の鳴き声を聞いたからだ。その泣き声を追いかけて行き、鳶の飛び立つ姿を見た輝明はゴールを目指す。一番最後にゴールした輝明は里江にこう言った。「お母さん、僕、グループホームに行く。」鳶の飛び立つ姿を見たとき、輝明は決心したのだろうか…。でも、それが輝明の新しい『道』なのだと思った。週末、里江たち家族はグループホームに入った輝明の帰りを待っていた。嬉しそうにグループホームの輝明に何時帰ってくるのか電話する里江。だが輝明は帰らないらしい。「僕にだって予定がある」里江はそう言われた。淋しそうだがみんな笑っていた。輝明のグループホームの名前が『ありがとう』これ、嬉しい!思わず声に出ちゃった「わぁ~、『ありがとう』だぁ!」輝明は都古ちゃんへ変わらず葉書を出し続ける。そして、都古ちゃんと一緒に自転車で走って行く。何処までも続く道を…。それは、これからも歩き続ける輝明の歩く道と同じように続いて行く。都古ちゃんへ今日は仕事が休みでした。都古ちゃんと自転車に乗りました。都古ちゃんが笑っていました。