今年も、街のスーパーマーケットで、山の別荘地にヴァカンスにきた人々の姿を多く
見かけるようになりました。
彼らは、どんなにお年を召していても、どこか洗練された装いをしていて、一見してそれと
わかります。普段着であろうTシャツとジーンズでも、やはり地元の人とは明らかに違う
雰囲気を持っているのでございます。
このあたりの別荘地は古くから開けていたので、熟年のご夫婦を中心に、その二世、
三世などがやってきて、いわゆるヒルズ族のような派手さ、けばけばしさは全くなく、
上品で、思わず振り返りたくなるような華を持ち合わせています。
先日見かけた女性も、とても素敵な装いでした。
生地も仕立てもよいワンピースに、ローン生地の白いジャケットを羽織って、すっと背筋を
伸ばし、お知り合いが買いものを終えるのを静かに待っているのでした。
髪も夜会巻のように結い上げ、控えめな真珠のピアスをしていて、凛とした品のある
横顔は、何かの先生かしら・・と思わせるたたずまい。そのうち、買いものを終えた
お知り合いの方が、「あら、先生、あそこにいらしたわ」と、ご主人と話してそちらへ
向かったので、やはり、「先生」でいらっしゃるのだとわかりました。
こういう方々は、乗っている車も、これ見よがしの○ンツではなく、○ルボであったり、
○ーバーの四駆車であったりするのがまた品格を感じさせ、好感が持てるのでございます。
さて、わたくしも、この時期だけは、せめて何かおしゃれをしてスーパーへ出かけたいと
思い、少ないアイテムを探してみましたら、こんな、いいものを見つけました!
昨年のウィーン・フィルの来日時に、コンサート会場で販売されていたTシャツ!
コンサートに行った友人が、わたくしの誕生日にプレゼントしてくれたものでございます。
着るのがもったいなくて、箪笥のいちばん下にしまったまま、すっかり忘れていました。
日本製の「S」サイズ、ウエスト部分のシェイプといい、長すぎない丈といい、ちゃんと今の
流行に合わせたシルエットで、会場でも人気商品だったとのこと。
わあ、早速これを着て買いものに行くことにいたしましょう!
しばらく身の周りで辛い出来事が続きましたが、装いで気分を一新できるのが、女性の特権。
都会のマダムやロマンスグレーの紳士が、「あら」、「おや」、「ウィーン・フィルの公演に
行ったのかね。私も行ったよ。」なんて、話しかけて下さって、音楽談議に花が咲いたら
素敵です。
友人が行った公演時、演奏中に震度5の地震が起き、「さすがのウィーン・フィルも、
演奏が止まりました。3万円チケットがパアになった気分でした(T_T)」と彼女は嘆いて
いましたっけ。今秋の来日では、そんなことがありませんように・・。
イラストも可愛らしいでしょ?