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テーマ:☆詩を書きましょう☆(8513)
カテゴリ:歳時記
すこし前 富士の頂は雪を被つた 朝 パンを買ひに出た庭 露にぬれて 真つ白になつた下草 あと幾日かで この露が 凍つて霜になる
私の前にある 時の階段 見へなひ 時の階段 のぼるだけの 時の階段 左は過去へ 右はこの先へとつながる
手の内にあるもの 既に 手を離れたもの 決して 手には入らぬもの
それでも 時は過ぎ 空手のまま また階段をのぼる それでも 楽(がく)の音(ね)は ともにゐてくれる 麗しきは去り 侘しさが残つても
かの地を想ふ いのちあるうちに 訪れることが叶ふだらふか 階段の あの曲がり角に 置きわすれた 詫ぶ思ひ その 帙をひもとき しろがねの双翼に乗せて 届けることは
嗚呼 このやうなことを思ふのも あの空が高ひから 空が 高ひから お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
October 21, 2008 06:09:38 AM
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