『13階段』 高野和明
『13階段』 高野和明犯行時刻の記憶を失った死刑囚・樹原。刑の執行まではわずか3ヶ月。思い出したのは「階段を上っていた」という記憶だけ。冤罪を晴らすべく、刑務官の南郷と殺人の前科を背負った出所したばかりの青年三上は、調査を始めます。。。絞首台の代名詞「13階段」南郷と三上が調査をしている間にも、樹原は確実にその階段を上っていく切迫感…電車で読書中、降車間際にガツンと爆弾級の一文を読んで、降りたくなくなるほど興奮しました。それは“どんでん返し”というより“急旋回”で、「うそうそっ、いつの間に?!」とついページを戻してしまいました。でもそれだけでは飽き足らずまたまた急旋回。。。犯した罪に対して与えられる罰は本当に平等なのか。というのがわたしが感じたテーマの一つです。その他にも、解説の宮部みゆきさんの言うものや死刑制度など、重い内容を扱ってるにも関わらず、丁寧でしかも読んでるこちらを置いてけぼりにしない文章は、素直に、上手いなぁ…と感じました。ちなみに、平成13年江戸川乱歩賞受賞作です。(←奇妙な一致??)