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2005/12/01
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カテゴリ:予習シリーズ
【 予シリ6年下11回・随筆文のまとめ 】

 まず、随筆文というのは説明文と物語文の中間くらいのもので、説明文ほどには理屈っぽくなく、物語文ほどにはお話でもない。
 基本的には、自分の身の回りで起こった出来事を書いて、
「こんなことがあった、そこでこう思った」と自分の感想を書くのが、随筆文です。
 読み方としては、説明文の読み方でいいです。ただ、途中で「こんなことがあった」という出来事が入るので、そこだけは小説みたいになっている。その部分はたいてい、何か自分の主張をより伝えるためのたとえ話になっているので、「この出来事は、何が言いたくて書いているんだろうか」と考えながら読むといいです。

 それでは、例によって記述問題を解いていくのですが、その前に少し本文を読んでみます。

[1] 段落
 まず、「20世紀は科学の時代だと言われている。だが残念なことに、どうも世間の人々は私のことを「     」だと思ってくれてはいないらしい。世間からみると、私は単に学者、それも相当に風変わりな分野を扱う動物学者にすぎないようである。( 1 )、人々が科学と考えるのは、コンピューターのようなすさまじい機械を使う魔術的なもののことであって、私のやっている昆虫生物学などは、こういう「科学」のイメージからはほど遠く、仕事の内容が一般の人々にすぐわかってしまうからだろう。そんなわけで、私はこの科学技術時代とよばれる中世の魔術師にならせてもらえない。

 科学についての文章です。
 一般に科学といえば、歓迎するべきもので素晴らしいもの、というイメージで語られるものですが、国語の問題で「科学」が出てきたら、だいたいが「いいことばかりじゃない」といった感じで語られます。
 これは国語の問題のルールみたいなもんだから、知っておいたほうがいい。
 たとえば「科学」に対する反対の言葉として「自然」という言葉があった場合、その文章の意見は、
「科学はたしかに素晴らしいが、自然のすばらしさも忘れてはならない」
 というものであることが多い。
 環境問題とか人間の生活とか、いろんなテーマの文章があるけれど、その内容をつきつめてみると「進歩することはたしかにいいことだが、昔ながらの暮らしのよさも大事だ」といった内容になる。
「自然の山林を切って、もっと開発するべきだ」とか「科学はまちがっている。科学を拒否して人間本来の暮らしにかえるべきだ」とかの極端な意見が問題として出ることは、まずない。
「科学も(ちょっといい)けど、自然は(もっといい)」という方向でしか、書かれることはない。
 だから本文を読むときに、この方向で読んでいれば要点をまちがえずに読むことができる。


【 よくあるパターン 】

   作者の主張             反対意見

   心  精神             体  肉体
    子供                大人
    田舎                都会
    自然                人工
    過去               現在 未来


【記述問題の解き方】

問6 傍線部3「前々からの疑問」とありますが、
○1 「前々からの疑問」の内容を、文章中の言葉をつかって八十五字以内でまとめて答えなさい。

 この問題は簡単。傍線部のすぐ後ろに「?」マークがあるので、それが疑問だとわかる。

高山チョウは曇りや雨の日には姿を見せない。十日も二十日も霧の日がつづいたようなとき、彼女たちはいつ、どのようにして餌をとり、愛し、卵を産んでゆくのだろう。天気の悪い日には、じっと草むらにひそんで、晴天の日を待つのだと、だれしも考えていた。でも、そんなことをしている間に、高山の短い夏は終わってしまうのではないか?

 問題文が「前々からの疑問」の内容を書けという問題なので、答えの形は「~~という疑問」になる。
 その上で、本文から疑問にあたる部分を抜き出してみると、

A どのようにして餌をとり、愛し、卵を産んでゆくのだろう。(27字)
B そんなことをしている間に、高山の短い夏は終わってしまうのではないか?(34字)

【 国語記述のオキテ 】
● 具体的に、という指定があったとき以外は、答えに具体例は書かない。
● 解答は、本文を読んでいない人が読んでも理解できるように書くこと。
   (解答の中に指示語はつかわないで、他の言葉に置き換えること)

 Aのほうはいいとして、Bのほうはいろいろ手を加える必要がありそうです。
 まず、「そんなこと」ってのは何か。「じっと草むらにひそんで、晴天の日を待つ」ことです。
「高山の短い夏は終わってしまう」というのも、これはたとえの表現なので、どういうことか説明する必要があります。
別に夏が短かろうが終わろうが、そんなことはチョウには関係ないのだから、チョウにとって何が大事なのかを考えると、Aの疑問の内容を言っているのだとわかります。
つまり、Aの疑問をBに入れ込んで文をつくっていけばいいわけで、
「そんなことをしている間に、高山の短い夏は終わってしまうのではないか」というのは、
「じっと草むらにひそんで、晴天の日を待っていると、餌をとり、愛し、卵を産むことができなくなってしまうのではないか(56字)」と書き換えることができます。
 あと24字です。
 このままでは「何が?」「いつ?」がわからないので、それを補ってやって、最後を「~~という疑問」の形にしてやれば正解になるでしょう。







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最終更新日  2005/12/02 04:42:05 AM
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