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2007年12月27日
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カテゴリ:小説感想
ぶっちゃけ、医療を取り扱った作品は苦手ジャンルの一つなんで、避けてるつもりだったのですが、取り上げられていた雑誌の一文に”コミカルなキャラ”とあったので、〔じゃぁ、名がある作品だし...〕と軽く気乗りで手に取りました。

  
東城大学医学部付属病院の“チーム・バチスタ”は、
心臓移植の代替手術であるバチスタ手術専門の天才外科チーム。
ところが原因不明の連続術中死が発生し、
病院長は万年講師で不定愁訴外来の田口医師に内部調査を依頼する。
医療過誤死か殺人か。田口の聞き取り調査が始まった。

個人的なこと。
自分が何回も身体にメスを入れられている立場なので、身体を丸める麻酔のシーン、手術室が目に浮かびました。
「エビになって~」って麻酔医さんが言うと、私も「エビ~~」って言いながらチクチク刺されました。
よし、次の手術の時には麻酔医さんにもお品をお渡ししよう!!(笑)



このミステリーがすごい!大賞受賞作。と言っても、賞の概要を知ってたわけではありまっせんでした。でもタイトル通りですわね。
私の中で、知的でかっこいいミステリーという勝手なイメージができあがりました。

そして、ミステリというものは幅広く、奥が深いものだと感じることができましたスマイル


衆人環視の中、どうやって”殺人”というものが行われるんだろうというドキドキ感、そして緊張感...現役の医師ならではの視点で描かれた傑作でした。

単純な事件ではないことを直感していたんでしょう、医師の肩書きを持つ白鳥だからこそ解決できた事件だったと。
白鳥が乱入(失礼なっ)してきて田口と始める聞き取り調査で失礼すぎることを相手にぶつけるもの、心理に突き刺すやり方ってどないなん?と感じましたが、それこそ、事件の鍵に突き当たるものだったんですね。

どんでん返しみたいなのは無いし、犯人に意外性はなし!。トリックも素人ではさっぱり分からないものの、患者を助けたいと願いながらも助けられない現実を見る桐生ブラザーズの矛盾。
大学病院の裏側、医師不足、そして人間の本質。(産科医不足も是非今度取り上げて...)

何もかもひっくるめて現代医療の問題点をさくっと纏め上げた、
医療だけに偏らないストーリーでもありました。
本職の方はすごいですな。
こういった問題に真っ向から向かおうという海堂先生のお気持ちが伝わってきます。


白鳥キャラについて。

たまごっちなんて本編に関係ないことこの上ない!(≧∇≦)!
それを、あってよかったと思わせてくれた技法に驚くばかり。医療系小説をここまで楽しく読ませてくれたんですもん。
医学ミステリ?で、最初に出会えた本がこれでよかったです。

強烈なインパクトを残すキャラを登場させることで、楽しく読みやすい作品になっておりましたきらきら
氷姫も、今後のシリーズに出して行こうという伏線にも思えたんですけど、ちょっと楽しみ。


~小説ですら欠かせない妄想~

映画を前にしての文庫化。竹内結子さんと阿部寛さんの写真の入ったオビ、そして映画館で見かけた巨大なポスター。
しかし、田口が男性ですから、竹内さんを思い浮かぶのはちょっと無理がありました。
白鳥さんは、体型から『24-5th』に出ているリン・マクギル役のショーン・アスティンが思い浮かんでました。ぽっちゃりさんが俯いてたまごっちてバカウケ。

しかし、阿部ちゃんがやるのかぁ。ぶっちゃけ、この人桐生先生でもいいんだけど。
しっかし、何なんだこの素敵キャスティングは!!
ムッキャー!『トリック』の上田の如く変人極めて欲しいウィンク

”小説感想”とは別に個人的に思うこと。ちょっとブルーですので反転。読み飛ばして下さい(><)
近い肉親を医療ミスに近い形で亡くし(←特にこれのせいで医療ネタが観られなくなった。逃げちゃダメなのにさぁ。)、近い肉親は心臓を止めて手術するバイパスを行った。再鼓動できるかどうかの危うい場面に立ち会いました。そして私。
”患者”としての視点が強いせいか、特に上巻では患者を数としか見ていない病院側の言葉に苛立ちを感じずにはいられませんでした。
患者にとっては手術という行為、先生との出会いは一期一会なんです。
ですから、下巻の最後に「失われた人を前にしたら、数字なんて何の意味も持たない」という桐生の言葉にホッとした気がしました...。海堂先生もそう思ってくれているのかと思うと、医者の全部が全部憎たらしい存在ではないのだなと、少しは救われる気持ちかもしんない。




素敵な感想拝読しました、ありがと~~ございましたぁヾ(´▽`;)ゝ

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最終更新日  2007年12月29日 08時22分34秒
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