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2011.04.17
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カテゴリ:TAG Heuer
 最近最もイっちゃってる時計メーカーはタグホイヤーかもしれません。
 もちろんいい意味でなんですが、常識にとらわれない「新しい試み」を次々に発表しています。今年はなんと1/1000秒を計測するクロノグラフです。もちろん機械式です。

TAG Heuer Mikrotimer Flying 1000

 昨年のバーゼルでは、ひげゼンマイを持たず磁力でテンプに復元トルクを与えるという仰天機構を搭載した「ペンデュラム・コンセプト」で驚きを与えてくれました。それ以前にもベルト駆動の「モナコV4」を市販化したり、クロノグラフ専用輪列を持たせることで1/100秒を計測可能にした「Cal.360」を開発したりと、近年のタグホイヤーの開発力には驚かされるばかりです。

 今回発表された「Mikrotimer Flying 1000」は、言わばCal.360の進化版で、クロノグラフ専用輪列に360万振動(時間あたり)という途方もない速度で振動するテンプを持っています。機械式のテンプが500Hzで振動するとはにわかに信じ難い、というのが正直な感想で、機械式時計の概念を覆すような、衝撃的な試みと言えます。
 TAG・Heuerの公式HPで作動している様子を見ることができます。センターのグリーンの1/1000秒カウンターが1秒間に10回転する様は、ちょっと異様とも言えるスピードです。

 6時位置のインダイヤルは0.1秒刻みの5秒積算計、センターの白い針は1周2分30秒という少々半端な積算計になっており、実用性という点においては疑問を持たざるを得ませんが、あくまでコンセプトモデルであり、1/1000秒をアナログで表示するという最低限の目的は達成しています。

 ちょっと心配なのはやはり耐久性で、機械式時計がいかにデリケートな精密機械であるか、少しでも知識がある人ならば、針が尋常でない速度で回転する様は心配しない方がおかしいと、言っても言い過ぎにはならないでしょう。
 とは言え、機械式で1/1000秒表示を実現した開発力は脱帽せざるを得ず、また市販化しない技術は開発しないという姿勢が崩れていないことを前提とすれば、タグホイヤーの開発力には素直に拍手を送りたいと思います。



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Last updated  2011.04.18 20:15:44
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