【腕時計:タグ・ホイヤー】どこまで行く?超高振動クロノグラフ
昨年のバーゼルワールドで発表された毎秒1000振動のコンセプトモデル「マイクロタイマー フライング1000」に度肝を抜かれたのはまだ記憶に新しいところです。しかも1年も経たずにほぼそのまま市販化されたという事実にまた驚かされたのがつい先日。 そして今度は毎秒2000振動です。しかも全く新しい調速システムが使用されているということで興味津津です。 毎秒2000振動=5/10000秒単位の計測が可能という、機械式としては耳を疑うような振動数なわけですが、これを可能にしたのが「ガーダーシステム」と名付けられた、線形振動子を利用した新しい調速システムです。 フライング1000まではひげゼンマイを使用した、ある意味コンベンショナルな調速システムでしたが、どうやら理論上ひげゼンマイで可能な振動数の限界に達したとのことで、このガーダーシステムが採用されました。 線形振動子、要は真っ直ぐな棒を振動させるというもので、昔ゲーセンで定規を弾いてボタンを連打したあれです(例えが貧相ですが^^;) 脱進機の構造は、見たところスイスレバー式とそう大きな違いはないように見えますが、どのようにして振動子と力のやり取りをしているのか気になります。 さて文字盤に目を移すとブルーのセンター積算針と12時位置の「10000」の文字が目立ちます。このセンターのブルーの針は5/10000秒刻みに0.05秒で1周します。つまり1秒間に20周することになり、尋常ではないスピードであることが分かると思います。フライング1000の倍のスピードですが、この長い針をよくもまあそんなスピード動かせるものだと感心します。 3時位置には1秒積算計、そして12時位置に60秒積算計、これが全ての積算計なので1分間しか計測できませんが、そんなことはこの際どうでもいいでしょう^^;) そして6~8時方向に横長にくり抜かれた中に、この時計のハイライトであるガーダーシステムが鎮座しており、クロノグラフ作動時には新システムの動きが堪能できます(見えるかどうかは別として...)。 ところで今年はモンブランから1/1000秒クロノグラフが発表されました。これはコンセプトモデルではなく市販モデルで、フライング1000がたった150秒しか持たなかったクロノグラフのパワーリザーブがなんと45分(しかもパワーリザーブ付き)、積算計も遥かに読みやすく洗練度は格段に上を行ってます。ミネルバ製で、価格も格段に上を行っているのですが。 モンブランから、というのは意外でしたが、にわかに超高振動戦争勃発の予感です。 モンブランの1/1000秒にも驚きましたが、この機構の先駆者であるタグ・ホイヤーには敬意を表するとともに、更なる技術革新を期待せずにはいられません。まだまだ!東日本大震災被災地を応援しよう!!青森県/岩手県/宮城県/福島県/茨城県