カテゴリ:俳句ちら読み 逍遥遊
小林一茶(こばやし・いっさ) あの月を取つてくれろと泣く子かな 『七番日記』(文化・文政時代、1810年代) 註 人口に膾炙した、一茶のほのぼの・しみじみとした代表作のひとつ。 内容は明らかにユーモラスであり、やや川柳寄りかとも思うが、それほどカテゴリーにこだわる必要もないであろう。 なお、初句を「名月を」とする別案も残されているので、この月が中秋の名月であることは疑いない。 幼児は、しばしば些細なことで駄々をこねる。それをどこまで許すか。 日本人はこれをかなりの程度まで許容し、むしろ微笑ましい・可愛らしいものとさえ感じる。この感性は、世界的に見て意外に珍しいことなのだという指摘がある。 そういう意味では、この名句は、日本人の国民性の一端の機微を表現していると言えるかもしれない。 ちなみに、今宵は「中秋の名月(十五夜)」だが、天文学上の望(ぼう、満月=太陽・地球・月がおおむね一直線上に並んだ状態)と、暦の上のいわゆる十五夜が一致することは、意外と稀なのだという。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2021年09月22日 07時15分29秒
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