カテゴリ:現代短歌の曠野
竹内亮(たけうち・りょう)
自転車の荷台に雀一羽立ち草の匂いがながれていった キッチンで知らない歌を口ずさみ君は螺旋のパスタを茹でる ジーンズの裾に運ばれついてきたあの日の砂を床に落として 線香を両手でソフトクリームのように握って砂利道を行く 水色のジャージで歩く女子たちのみな丸顔になっている国 川べりに止めた個人タクシーのサイドミラーに映る青空 旧市街を何も話さず歩きたい足音のよい道を選んで 海水の透明な水射すひかり大きな鳥が陸を離れる 終電の一駅ごとに目を開けてまた眠りゆく黒髪静か 第一歌集『タルト・タタンと炭酸水』(平成27年・2015) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2024年06月08日 05時45分30秒
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